第176話 このままではダメ夫に!?
祝儀の集計やお返しを決めると、夕方になったのでジュリアさんが作ってくれた夕食を食べる。
そして、洗い物もし、一息つくと、ジュリアさんと今後のことを話し合うことにした。
「東京はいつがいい?」
「そうですねー……もう8月も終わって9月になりますしね。3連休が2つあります」
この月は後半に連続で3連休がある。
「そのどっちかに休みを交える?」
「どうでしょう? 連休はホテルが高くなるイメージがありますけど……」
ジュリアさんにそう言われたのでスマホで確認してみる。
「うん……高いね」
最近、ホテル代が高くなったよなー。
「ですよね。あのー、これって新婚旅行的なものになるんですかね?」
「そうだね」
結婚してすぐの旅行は新婚旅行だろう。
「私、思うんですけど、新婚旅行ってもう行ってるようなものじゃありません?」
うん。
「異世界に行ってるもんね。しかも、ほぼ遊び」
「ええ。だから新婚旅行って言われてもピンと来ないものがあります」
それはそう。
だって、異世界の方がワクワクするもん。
「でも、東京に行きたいんでしょ?」
「それは行きたいです。ただ、何泊もしますかね?」
しないかなー……
「2泊くらいかな?」
それでも十分な気がする。
「でしたらわざわざ高い連休時期ではなく、普通の土日に休みを交える感じでいいのでは? ウチの会社は結婚時に数日ですけど、休暇がもらえます」
「それはウチもそうだね。じゃあ、そうしよっか。となると、来週はちょっと無理だし、10月の頭くらい?」
「良いと思います。ちょうど涼しくなってくるあたりですし」
まだ暑いとは思うが、さすがに過ごしやすくなっているだろう。
「じゃあ、その辺りで組合と会社に申請してみるよ」
「お願いします。私も会社に申請しますので」
東京で何を見るのかも決めないとな。
スカイツリーに行きたいって言ってたし、そこは確定かな?
「サクヤ様は行かれます?」
「行くわけないじゃろ」
まあね。
「聞いてみただけです」
拗ねたら嫌だし。
「さすがに旅行はあんたら2人で行きなさいよ。私らは留守番してるから」
洗い物をしていた時にやってきて、ノルン様とゲームをしているタマヒメ様が振り向く。
「では、お願いします」
「うん。それでさー、私は今、何してんの?」
タマヒメ様はゲームを眺めながら首を傾げた。
なんか戦争系のゲームをしているのだが、まったくわかっていないようだ。
「人気なゲームです。撃ちなさい」
ノルン様がタマヒメ様を促す。
「何を? え? どうやるの?」
タマヒメ様はパニックだ。
まあ、それも仕方がない気がする。
そのゲームはノルン様が結婚祝いに買ってくれた最新ゲーム機だからこれまでやっていたシンプルなものではなく、難しいのだ。
正直、俺やジュリアさんも同じ感じになると思う。
「ノルン様、それはタマヒメ様に厳しいかと」
というか、説明もなく、いきなりコントローラーを渡されても無理でしょ。
「仕方がありませんね。こっちのわかりやすいのにしましょう」
ノルン様がソフトを替え、別のゲームをやりだした。
「ハルトさん、異世界の方はどうしますか?」
ジュリアさんが聞いてくる。
「魔導帝国の用は済んだよね?」
「ええ。買いたいものは買えましたしね。今日も電気代がかからずに涼しいです」
コタツ机の上には青い水晶玉が置いてある。
こいつのおかげでかなり快適だ。
「ホントにねー。今後も買い物をしたり、図書館に行くことはあると思うけど、もうあそこはいいかな……火の国や水の国と違って滞在するところじゃないし」
美味しいものがあるわけでもないし、快適な別荘があるわけでもない。
それに何より、どうもあの差別的な雰囲気が馴染まないのだ。
「そう思います。そうなると次の国に行きますか?」
「土の国ね。ちょっと待ってね」
立ち上がると、棚から世界地図を取り、コタツ机に拡げる。
「土の国はちょっと遠いんですよね……」
ジュリアさんが土の国を指差す。
土の国はフロック王国から西に行ったダルト王国からさらに南に行った位置にある。
なお、風の国はダルト王国から北。
「どれくらいかな?」
「さあ? カーティスさんに聞いてみた方が良いでしょうね」
まあ、そうなるか。
頼るべきはカーティスさんだ。
「そうしよっか。今週末に魔導帝国のギルドで配達の依頼を受け、来週末に王都に戻ろう」
「はい。そうしましょう」
ジュリアさんが頷いた。
「ハルト、週末に魔導帝国に行くのはいいが、あの何とかって議員がどうなったかをマージェリーに確認せよ。面倒事はごめんじゃ」
サクヤ様が忠告してくる。
「ナイジェル議員ですね。わかりました」
強盗でしょっ引かれたようだけど、どうなったんだろう?
「これからも図書館には行きたいですし、確かに気になりますよね」
ちょっと時間を置いた方がいいかもしれない。
「ホントにね。じゃあ、週末はそんな感じで。サクヤ様、先にお風呂に入ってください」
「あ、準備してきます」
ジュリアさんが立ち上がり、風呂場に行った。
「働き者の嫁じゃのー」
「自慢の子だから」
「ハルトさんがどんどん堕落していく未来が見えますね」
神様方、やめてー。
あなた方が言うと真実になりそうです。
「明日は俺が料理を作りますから大丈夫ですよ」
「冷凍か?」
なんでだよ。
「サクヤ様が好きな生姜焼き定食です」
「ああ、チンするやつ」
焼いた肉にかけるやつ!
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さると執筆の励みになります。
よろしくお願いします!




