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週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~   作者: 出雲大吉
第4章

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172/206

第172話 おおらかなのは一族にだけ


 その後、浅井の家で特上と思われるお寿司とビール、日本酒を堪能させてもらい、夕方にはお暇した。


「大丈夫です?」


 帰りの車内でジュリアさんが心配そうに聞いてくる。


「大丈夫だけど、あんなに日本酒を飲んだのは初めてだよ」


 浅井さん、マジで強い。


「お疲れさまでした」

「うん。でも、挨拶が無事に済んで良かったよ」

「そうですね。あと1週間、仕事も片付けも頑張りましょう」


 あと1週間か。

 すぐだな。


「そうだね。頑張ろっか」


 俺達は家に帰ると、ゆっくりと過ごし、この日を終えた。

 翌日は二日酔いにもならなかったので普通に仕事をこなしていく。

 月曜を終え、火曜、水曜といつもの平日を過ごしていくが、家に帰ったら片付けや掃除ばかりしていた。

 順調に片付けも行っていったし、来週の月曜の有休申請もした。

 そして、金曜になると、あらかた片付き、かなり部屋が綺麗になっていた。


「今日で最後じゃのう」


 風呂も入り終え、布団で肘をついて横になっているサクヤ様がつぶやく。

 明日は火の国の方の別荘に泊まるため、明日からすべてのものを運んでいく予定なのだ。

 だからこの部屋で過ごすのは今日が最後である。


「色々と思い出はありますね」

「一番は何じゃ?」

「やっぱり異世界に行ったことでしょうね。急でびっくりしました」


 ゲームしてたらいきなり草原なんだもん。

 しかも、オークが突撃してきた。


「そうか。我はあんなにグダグダしておったおぬしがジュリアをお持ち帰りしてきたことじゃな」


 お持ち帰りではない。


「サクヤ様のアドバイスのおかげですよ。おかげでジュリアさんと打ち解けることができました」

「ええことじゃ。明日は別荘じゃが、明後日からは一緒に住む。上手くやれよ」

「はい。これからもよろしくお願いします」

「当たり前じゃ」


 俺達は寝ることにし、灯りを落とした。


 翌日、早めに起きると、異世界に行く準備をする。

 今日は本格的な引っ越し作業を始める日でもあるが、シーサーペントの魔石を売却する日でもあるのだ。


「さて、行きますか」

「そうじゃの」


 準備を終えたので集合場所となっている新居に飛ぶ。

 すると、まだジュリアさんは来ていなかったが、代わりにノルン様がリビングでゲームをしていた。


「ノルン様?」

「おぬしは何をしておるんじゃ?」


 サクヤ様が呆れながら聞く。


「引越しの手伝いです。ジュリアの家からテレビ一式とあなたの家からゲーム一式を運んであげました」


 いつの間に……


「ありがとうございます……」


 まあ、感謝だ。


「――お待たせー」

「お待たせしました」


 ノルン様を見ていると、タマヒメ様とジュリアさんがやってきた。


「おはよう」

「はい、おはようございます。あ、やっぱりゲームしてます」


 ジュリアさんがノルン様を見る。


「テレビを運んでもらったんだって?」

「ええ、昨日の夜に持っていきました」


 ということは昨日の夜からゲームをしているわけだ。

 不健康だなー。


「まあ、こやつはいいじゃろ。それよりもさっさと魔石を売って、魔道具を買おう」

「それもそうですね」


 月曜には大家さんと不動屋さんが来て、退去の立ち入りがあるから明日までには終わらせないといけない。


「はい。では、タマヒメ様、ちょっと出てきます」

「いってらっしゃい。私は先にやってるわ」

「ありがとうございます」


 俺達はサクヤ様の転移でマージェリーさんの部屋に飛んだ。

 そして、車に乗り込み、図書館に向かう。

 すると、いつも俺達が止めている図書館の前に黒い車が止まっているのが見えた。


「マージェリーさんかな?」

「どうでしょう?」


 よくわからなかったが、隣に止めると、車から降りる。

 すると、同じタイミングで太ったおじさんと御付きか護衛っぽい男2人が降りてきた。


「君達がシーサーペントの魔石を売ろうとしている者達かね?」


 太ったおじさんが声をかけてくる。


「えーっと、どちら様です?」


 マジで誰?


「私はこの国の議員だ。シーサーペントの魔石の購入権利は私が持っている」


 そうなの?


「すみません。話が見えません。私達はマージェリーさんに調整をお願いし、結果、図書館の館長であるエイブラムさんに売ることになっています」

「それは認められない」


 なんで?


「すみません。何かあったんですか?」

「魔石売却の話は先に私のところに来たんだ。それをエイブラムが横取りした」


 あー、なんか嫌な予感。


「そうだったんですね。ちなみにいくらです?」

「金貨1000枚だ」


 やっぱり……

 多分、マージェリーさんが先にこの人に声をかけたのは事実だろう。

 でも、それはあくまでもいくらで買うかの確認止まりで館長さんの方が高かったから正式な話をそっちに持っていっただけ。


「申し訳ありませんが、こちらは館長さんに売るということで話をつけています。口約束ではありますが、マージェリーさんの立ち合いのもとで決まったことです」


 マージェリーさんという軍のお偉いさんの証人もいる。

 反故にしたら嬉々としてしょっ引かれちゃうよ。


「だからそれは認められない」


 マージェリーさーん、早く来てよー。

 ウチの神様が早くしろって腕を組んで指をトントンし始めているんですけどー。


いつもお読み頂き、ありがとうございます。

9/25(木)に発売される本作の2巻ですが、イラストカバーが公開されたのでお知らせします。

イラストレーターは引き続き、OXさんが務めてくださり、楽しそうな絵を描いていただきました。

ぜひとも見て頂ければと思います。(↓にリンク)


よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
この作品では滅多に出てこない問題児が登場してちょっとウキウキしている自分がいる
議員の権威なぞより真のご神体そのものであらせられるサクヤ様のご機嫌が第一。ヤッておしまいなさい。
魔術バトルで決めたりするお国柄かもしれん
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