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あなたは神を信じますか  作者: 赤木 咲夜
本編 第一章 魔法の世界編
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048話 引越し

久々に投稿しました。


少し文章表現が変わったのはご愛敬という事で許してください。

国立セントラル王都学校


言わずもかな知れる国内最高峰の学校、最低年齢12歳から入学でき、身分制度はそのまま学校内でも適応されるが、授業自体は身分制関係なしに運営されていることで有名だ。


この学校、もう一つ有名な事がある。それは最低所属年数があるものの通常のカルキュラムに従わなくとも、校内の試験さえ受ければ単位がもらえ、通常では有り得ない数の単位を取る事ができるのだ。


そしてその単位でそれぞれの号の卒業資格を得れれば、その号で卒業したという証明、学士号が貰える。


現代風にいえば、大学で好きなように単位が取れ自由に学士号を取れる事ができ、その気になれば学士号(政治学)と学士号(理学)を同時に取れますよ、という事だ。


この世界において、小学校や中学校、高校大学という区別はなく、そもそも学門を積極的に学ぶのは商人と貴族、あと公務や国務に勤めるものくらいだ。たまに魔法ギルド所属など、学を必要とする職もあるが、例外である。


貴族が学を必要とする理由、それはただの威厳保持のためだ。下級貴族のユフィが学校にいる理由もこれである。


王族や上級貴族なら学校の卒業でもらえる学士号を最低限持ってないと身分的にはともかく、上級貴族として相手にされない。中級貴族や下級貴族は学校卒業できなくとも幾つかの単位を持っていれば威厳は保たれる。


ソフィーは魔法学士号を取り国家魔法師を、アランは剣術士号を取って貴族社会に入り、ある程度したところで父の跡を継ぐのが目標であり、夢である。


2人はその目標に向かって毎日努力しているが、ユフィには目標など無かった。


1年目最初こそアランと運動不足解消で出ていた剣術の授業も、半年経てば出なくなっていた。魔法学に至っては先生が癇癪を起こすのが面倒で、あの授業以降出席していない。


ユフィが嫌いなパーティも、1年の最初の歓迎パーティ以外は何も言われないのであれからユフィは参加していない。

ユフィはベットでゴロゴロするのをやめ、興味の魔法実験を繰り返していた。


入学前は学校生活になると自由がなくなるから、学校には行きたくないと切に思っていたが、今では学校にいる方が自由だとさえ思えるユフィだった。


そんな自由を謳歌するユフィの部屋


「ソフィー姉さん、僕は暇じゃないんだよ。数式学のテストが明日あるんだよ。部屋の片付けくらいユフィ姉さん自身にさせたら。」

不機嫌顔をしつつも、ユフィの散らかした大量の研究資料を片付けるアラン。


「数式学のテストって、それ勉強しなくてもアランは合格できるでしょ。それよりもここにある資料の方が優先よ。この魔法とは違う理論に従う化学という学問はきっと世界を変格させるくらいの物なのよ。絶対に失うわけにはいかないわ。それをユフィったら。」

ソフィーは少し怒り気味にユフィの実験資料を丁寧に木箱へ詰めて行く。


「お姉さま、アランの言う通り部屋の片付けくらい自分でできますので、大丈夫ですよ。アラン、ここは大丈夫なので数式学の勉強をしてください。」

私は強引に部屋の片付けを手伝う姉にありがたいと思う反面、少し引いていた。


「ユフィ、ダメよ。あなたは研究資料に触れないで。」

そういうソフィーの顔は真剣だ。


そもそもことの発端は今日の朝た。




「ユフィ、明日アランのテストが終わったら引っ越すわよ。」

「え、明日ですか?」

今日も楽しく実験するつもりだったユフィはソフィーの突然の一言固まった。


「後期からは4人部屋に引越しで、3人暮らしになるのですよね。僕もちゃんと引越しの準備は出来ていますよ。今更ですが男の僕も同室になってよかったのですか?」

アランは嬉しいけど、少し不安そうだ。


「アランがいないと2人部屋になるじゃない。それに異性がいて3人か4人でないとあの部屋は使えないのよ。私たち一応貴族だから異性で同室でも問題ないのは兄か弟くらいしかいないのよ。だからむしろ助かるくらいだわ。やっと広い部屋に住めるわ。」


この国立セントラル王都学校の寮には何種類かあるが、入学半年は個室か4人部屋しか選べないのだ。その4人部屋は学校にいる間は無料だが、最初の半年は学校側がランダムに決めた同性で住むことになり、2段ベットと私物をおけるロッカーしかない狭い部屋だ。王族が4人部屋を選ぶ事があるので、4人部屋を選ぶ貴族も少なくはないが、半分の貴族は個室を選ぶ。ユフィたちも個室を選んだ。


「あの、別に明日引っ越さなくてもいいのでは。夏季休暇は十分にあるので。」

しまった、引越しの事を忘れてた。全く片付けてないよ。


今のユフィの部屋は半年間引きこもって実験しまくっていたので、カオス状態だ。


「ダメよユフィ、明後日お父様と領地に帰るのでしょ。明日中に引越しで夕方にはお父様がいる王都の家に行くわよ。だから今日までに引越しの準備を終わらせて。」


どうやら選択肢はないらしい。

まぁ、しかしワンルームから4LDKの部屋に引っ越せるのだから悪くない。

部屋の争奪戦に参加したソフィーの苦労を知らない、のんきなユフィだった。


こうしてカオスな自分の部屋を片付けることになったのだが、めんどくさがりのユフィ。部屋に入り、自分の実験資料を整理し始めて5分。


「うーん、実験資料ってよく考えたら全部データ化してるから紙の資料なんていらないよね。よく考えたら別に他の人に見せる事もないし。それに今から整理しても終わらないよね」

と独り言。


整理をするのをやめて紙束を適当に縛って廊下に出す。その作業をし始めて5分後。


「どうせならここで燃やしますか。ゴミ捨て場に持っていくのも面倒だし。」


ユフィはこの場で焼却処分する事にした。


とりあえず、廊下に出した大量のゴミを燃やすか。


ユフィは紙束を持ち上げ燃やす。授業で初級の火属性を練習する時にこうして紙を燃やすので、校内では手紙の処分など手軽にできる紙の処分法として使われている。


そこに

「ユフィ、今から片付けですか。」

どこかに行くのか、ちょっとご機嫌な姉、ソフィーがやってきた。


「はい、ソフィお姉さま。実は引越しの事を忘れてて慌てて片付けてるんです。」

ちょっとテンションが下がってる風にユフィは言った。でも実はちょっと燃やす作業が楽しくなってきていたユフィである。


「うーん、領地に帰るし、ユフィと一緒に買い物に行こうと思ったのだけど。無理そうね。」

少し残念そうなソフィー。ちなみに残念の内容は「自分の服を買うための着せ替え人形がいない」である。


なんとなく察するユフィ。


「ソフィーお姉さま。服なら帰る途中のあの港町で買えばいいのでは?あの町の方が異国の服があって、品揃えはいいですよ。」


「そうね。」と言いながら少し考えるソフィー。

「そうですね、ユフィがいないと服選びもはかどらないし、今日は別のことをするわ。」


あ、それ言ってしまうんだ。


「ユフィ、その紙全部処分するのですか?手伝いますよ。」

そのかわり港町で買い物につきあってと口に出さない交換条件をユフィには聞いた気がした。


「お願いします、お姉さま。」

ユフィは条件を飲んだ。


ソフィーは燃やそうと廊下に積んである紙束を持ち上げた。


そして目に入る内容。明らかな研究資料に見たこともない数式と魔法だけでは説明できない理論。


若干走り書きで読みにくいが、それが未発見かつ高度な内容であるのは魔法を学ぶソフィーにも一瞬でわかった。


だらだらと部屋に引きこもるユフィだったけど、こんなにも進んだ研究をしていたのかと感心半分。私ももっと頑張らないとなと思うソフィー。


「ユフィ、この資料は何処におけばいいので?」


「あ、それは要らないので燃やしてください。」


ん?

心の中で疑問の擬音語を発するソフィー。


「本当に燃やしていいの?」

念のために聞いてみる。


「はい、誰かに見せるわけでもないので。もう捨てても構いません。」


ユフィの返事に何かズレている気がしたソフィーは一応状況を確認する事にした。


「ユフィ、これあなたが書いたのよね。どこかに書き写して整理したから要らないという意味よね。」


嫌な予感がする。


「いえ、そんな素人研究をまとめたところで誰も見ませんよ。個人的興味でした研究ですよ。気にせず燃やしてください。」


そう言いながらユフィはもう1束燃やそうと紙束を持ち上げる。


ソフィーはこう言わずにはいれなかった。

「ユフィ、ダメーー。燃やしちゃダメよ。」


「え?」

ユフィは疑問の声とともに、手に持つ資料(紙束)に火を付けた。

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