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茶色の場合  作者: Kwyt
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干渉

――1939年7月25日12時 テレビ


「ソ共産党指導部との連絡途絶を受け、各地の部隊との停戦が進んでいます。ここモスクワでも、多くの部隊が戦闘を停止しています。ロシア解放共同戦線各国は避難民の支援をすすめています」


――1939年8月15日 テレビ


「本日、ロシア共和国 極東ロシア共和国、ウクライナが建国されました。シベリアを中心に未だ戦闘を続ける旧ソ軍もありますが、ヨーロッパロシアでは、ほとんどの部隊が、武装解除あるいは、ロシア共和国軍に再編されています。ロシア解放共同戦線各国は避難民の支援をすすめています。米国は日が傀儡国家を増やし、ユーラシア全域へと版図を広げているとして非難しています。政府は人道支援の枠を超えてロシア各国の統治に介入する意図はなく、今後新たな部隊の派遣を行う予定はないと説明しています」


――1939年8月25日 参謀本部


「ヨーロッパロシアからの撤兵は人道支援部隊をのぞきほぼ終了したし、満州西部の部隊はある程度武装解除できたが、イルクーツク、チェリャビンスクの各100万が手つかずなのをどうにかせんとな」

「今更交戦でもないですし、放置するしかないでしょう」

「エニセイ川凍結前に燃料食料援助の必要があります」

「バルト海の部隊にエニセイ川に回ってもらうか」

「あの船で北極海は無理です。それにレニングラード、モスクワ近郊の支援に必要です」

「シベリア鉄道は」

「東側は満州北部から先のめどがたっていません」

「そうするとイルクーツクは蒙経由での支援、チェリャビンスクはサマラまでヴォルガ、そこから先は鉄道か」

「ヴォルガ戦隊にはがんばってもらわんとな」


――1939年9月1日 参謀本部


「輸送艦が逼迫しており、撤兵が進みません。グルジア、カザフはまだ始められる状況にありません。カムチャッカの兵力も残っています。こちらもまだ治安は不安定で簡単には撤兵できません」

「撤兵は基本的に遠いところからだな」


「独がロシア共和国と中立条約を結び、ポーランドに侵攻しました」


「英仏が宣戦布告の予定で参戦を要請してきています」


「今参戦したら独とポーランドロシア国境で対峙することになるだろう。ヨーロッパには5個師団しかいないのに、いくらなんでも無理だ。日英仏相互援助条約ぐらいなら相談にのるし、宣戦布告前ならバルト海にいる旧型輸送艦を売ってやるといえ。ただしレニングラード支援の責任と秘密条項つきだ」


――1939年9月5日 参謀本部


「米がカムチャッカの部隊は安全保障上の脅威であるとして、1ヶ月以内の撤兵を要求してきました」

「え、正気か? まあ大した数ではないし千島に撤兵するだけならどうにでもなるか」


――1939年10月8日 テレビ


「米はまだ日の部隊がカムチャッカに残っているとして、証拠の写真を挙げて抗議しています。日政府は、その建物は戦前からある缶詰工場で、必要なら査察してもらってかまわないとしています」


――1939年10月12日 テレビ


「米は缶詰工場の査察の結果、軍隊経験者が多数在籍し、また銃器が発見されたとしています。政府は軍隊経験は徴兵制の当然の結果で、銃はクマ駆除用であるとしています」


――1939年12月26日 テレビ


「トルコ東部エルジンジャンで、10万軒が倒壊する大地震が発生しました。現地は零下30度になる極寒が予想され、早急の支援が必要となっています。黒海周辺の陸軍部隊は救援活動を始めており、カスピ海、ヴォルガ、カザフなどの部隊もさらなる支援を準備しています。本土からも支援部隊の派遣を予定しており、民間からの支援物資も募集を始めました」


――1939年12月28日 テレビ


「米は日が黒海方面へ地震被害目的で派遣した部隊は重武装しており、さらなる介入のためのものであるとし、安全保障上の脅威であるとして抗議をしました。政府は、黒海方面のすべての部隊は地震被害支援とウクライナ、ロシア人道支援を行っているものであり、武装は輸送艦などの標準装備に限られるとしています。英仏土は米国に抗議しています」


――1939年12月30日 テレビ


「米は黒海方面の部隊すべての即時撤収をもとめました。政府は現在現地の人々は吹雪にさらされており、救援を中断することはできず、撤収はしないとしています」


――1939年12月31日 テレビ


「米はロシア共和国、極東ロシア共和国、ウクライナ、満、蒙、カザフ、グルジアの非承認と、満洲国以西の部隊すべての即時撤収、20ノット以上発揮可能なすべての艦船のトン数制限をもとめ最後通牒を発しました。政府はこのような無法な要求には到底応じることはできないとしています」


――1939年12月31日 軍令部


「期限なしの最後通牒ですので、実質宣戦布告です。航空部隊は千島、南鳥島、マーシャル、台湾の線で防衛線を展開、千島南東の空白域には潜水艦、駆逐艦で警戒線をはっています。黒海の陸軍部隊を早期に回収するにはボスポラス、スエズの通過がほぼ必須ですが、これが通らないとほぼ海軍のみで米海軍を相手にすることになります」

「流石にボスポラスは大丈夫だろうが、スエズはなあ。海底ケーブル警戒線も計画が止まったままだし陸軍はどういうつもりなんだ」

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