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茶色の場合  作者: Kwyt
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西方

――1939年1月14日 テレビ


「外蒙との停戦交渉が成立、満州西方の外蒙部隊は撤退しつつあります。しかしソ軍部隊は未だ満洲西方にあり、満州国民資産の略奪をおこなっています。満州北部深くに侵攻していた部隊は満洲国軍による武装解除が進んでいます。イルクーツク、ウラン・ウデ方面では散発的な戦闘が起きているだけで、大きな動きはみられません。東部ではシベリア鉄道修復に従事させられていた、政治犯、少数民族が解放されていっています。こちらは解放された政治犯のかたです」

「私はボルシェビキだったのですが、大粛清で追放され、ウラジオストーク周辺の収容所で1日12時間休日なしで強制労働をさせられていました。食料も不足し衛生状態はひどいものでした」

「シベリア全域にこの方がいたような収容所が多数あり、過酷な労働に従事させられていたことがわかってきていますが、全容は未だ明らかになっていません」


――1939年3月11日 テレビ


「ソ軍捕虜が、満州里からシベリア鉄道本線への接続路線の修復作業を行っています。これは国際法で認められたものです。働いている捕虜の方々に生活の様子について伺ってみましょう」

「ちょっと変わった食べ物もあるけれど、量は十分にあるし、労働は1日8時間までだし休日もある。なにより仕事終わりにはバーニャに入れるのはありがたい。これでウォッカがあればいうことがないんだが水っぽい酒がちょっともらえるだけなんだ」


――1939年4月24日 参謀本部第一部


「シベリア鉄道によるウラン・ウデまでの補給が可能になりました」

「西方作戦を発動する。ウラン・ウデ近郊まで砲艦、40m級輸送艦を分解して鉄道輸送する。これをバイカル湖に投入。バイカル湖のソ艦隊、イルクーツクを制圧すると同時にアンガラ川を下り、エニセイ川との合流点を押さえる。同時にウルムチよりカザフスタンを縦断、オムスクを目指す」


――1939年5月18日 参謀本部第一部


「エニセイ川作戦は無事終了しました。機雷投入は見られません。遡行も可能です。カザフスタンも抵抗はほぼありません。トラック部隊は500km程度前進、パイプラインはカザフスタンに入りました。ソは西方からチェリヤビンスクに部隊を移動させています」

「学習せんね」


――1939年5月28日 テレビ


「カザフスタンとの停戦交渉が成立。同時にグルジアがソからの独立を宣言、帝国はこれを承認しました。軍はグルジアの保全、収容所の解放のためグルジアに兵を派遣しています。またカザフスタン方面部隊の一部は西方、カスピ海方面に向かっています。ソはモントルー条約違反があったとして非難していますが、トルコは建設機械、工作機械、燃料、食料などを積む非武装の貨物船であるので、問題ないとしています。また米が日の行動は侵略であるとして非難しています。政府は侵略国に対する防衛であると同時に、政治犯や少数民族の解放のための行動であるとしています」


――1939年5月29日 参謀本部第三部


「黒海からグルジアに到着した建設部隊は、飛行場を確保。カシュガルの航空部隊が制空権を確保、一部をグルジアに移動しています。またトラック用武装も空輸しました」

「黒海の40m級輸送艦を順次分解、搭載してあったトラックでカスピ海方面へ陸送を開始しています。カザフスタン方面部隊もカスピ海東岸に近づいています」

「カスピ海西岸、バクーの南では輸送艦の組み立てを開始しました」

「カザフスタン方面部隊もカスピ海東岸に到達、港湾、飛行場などを確保しています。ソの対応は遅く、航空部隊で遅滞可能です」


「海軍は書院造りなどと言っていたが、組み立て分解が簡単なのはなかなか都合がいいですな」


――1939年6月2日 テレビ


「ここグルジアでも陸軍は政治犯、少数民族、共産党員などの解放を進めています。陸軍カスピ海戦隊はバクーへと解放の手を伸ばしています」


――1939年6月5日 参謀本部第一部


「カスピ海作戦第一弾は無事終了し、カスピ海周辺の敵対行動は見られなくなりました。バクー油田の利用ができるまでには1ヶ月程度かかりそうです。現在ヴォルガ川を遡上、スターリングラード、サラトフ、カザンの解放をめざす部隊を編成中です」

「カザフスタン方面部隊航空隊はシベリア鉄道をウラル山脈で切断、イルクーツクからチェリャビンスクまでの約4000kmに存在する部隊200万は孤立しました。一部では反乱が発生しています」


――1939年6月17日 テレビ


「独が東プロイセンからバルト海沿岸東方のメーメルに軍を送り込み、これを併合。また西プロイセンとの接続を図り、ポーランドが支配するダンツィヒ回廊に侵攻しています。メーメルから要衝レニングラードには800km程度の距離しかありません。日米英仏ソはこれを侵略行為として非難しています。独はメーメルおよびポーランド国内の自国民をソの侵略から保護するための活動としていますが、大規模な戦車部隊のメーメルへの移動が確認されています」


――1939年6月17日 参謀本部第一部


「まずいね。もう少し丁寧にしてくれないと干渉をまねく。トルコのご機嫌をそこねると重量物の運搬が大変になる。ソの崩壊が早まるのはいいのだが」


「カスピ海戦隊は、ヴォルガ戦隊を設立、砲艦8隻、輸送船6隻、2個大隊程度の兵力をもって、ヴォルガ川の遡上を開始しました」


――1939年6月25日 参謀本部第三部


「ヴォルガ戦隊はスターリングラード南方東岸に強襲上陸、飛行場を建設しています。ソ軍の主力は西岸スターリングラード側にあり、東岸の抵抗は微弱です」

日本軍がシベリアで使っている砲艦はこんなイメージです。


https://www.reddit.com/r/WarshipPorn/comments/wohvqb/river_gunboat_dingbian_of_the_manchukuo_navy/?show=original


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