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44.フィサルファード・フィルセイス 7

 私は今、笑おうかどうか迷っています。

 何故かって?

 それはね、


 暇を持て余したロロイが、フィーお兄さんに悪戯し始めたからです。


 それがまた滑稽で、私の笑いを引き出そうと誘惑してきます。

 でもここで笑ったら状況を理解していないフィーお兄さんに不審な目で見られるでしょう。

 こういった部類の悪戯は、されている人の理解していない姿も笑いを誘う大きな要因です。

 ここは、ばれない為にも我慢…!


 それはもう、あからさまに億劫そうな、投げ遣りな顔で。

 退屈していますと、言わんばかりに暇潰し。

 暇潰しに利用されているフィーお兄さん本人は、気付いていません。

 だってロロイが直接何かをしている訳じゃないから。

 ロロイが何かをしているのは……

 フィーお兄さんの両耳に張り付いている、『水』です。


 流石、水の竜。

 水流操作はお手の物と言わんばかりの見事な手腕。

 ロロイが節を取る様に指を動かす度、蠢く水は形を変えていきます。

 流動的なその動きに、不思議な変形の数々。

 決まった形を持たない、水だからこそ出来ること。

 フィーお兄さんは気付きません。

 調子に乗って、どうやっているのか水の色まで操作し始めるロロイ。


「わ、キリンさんですの!」


 フィーお兄さんの両耳から突き出すように、水が麒麟の形を作る。

 にゅっと耳から麒麟の上半身が生えているみたい。

 水中の塵を集めて作られたつぶらな瞳が、ぱちぱち。

 瞬きまでするなんて、芸が細かい…。


 ゆらり、ロロイの指が動きます。


 すると今度は、麒麟を形作っていた水がとぽんという音を立てて再び丸まり……

 花が開花するように、ぽんっと。

 今度はナウマンゾウになりました。

 マリエッタちゃんがよく捕食している、あれです。


「でもゾウさんはもっと好きですの~!」


 せっちゃん、大喜び。

 その見事な操作手腕に、せっちゃんが両手を叩いてはしゃぎます。

 私も感心の拍手を度々送ってしまいます。

 いつの間にか男達も、呆気に取られたように見入っています。

 ん? もう不毛な言い争いは良いの?


 長々と待たされ、着々とフィーお兄さんの耳がおかしくなっていく中。

 ロロイの水流大道芸を見ていて熱が冷めたのでしょう。

 いえ、ある意味違う熱が上がったのでしょうか。

 サルファがロロイの腕をそっと取り、うっとりとした恍惚顔で言いました。

「ロロっち……一緒に舞台に立ってみない? その水芸! 子供が絶対喜ぶって!

君なら、他の誰にも真似できないその技でスターになれるよ☆」

「お断り。このまま両手でぎゅってしちゃって良い?」

 軽く握られた指に嫌そうな顔をしながら、ロロ。

 前にも言いましたが、ロロやリリの手指は竜の原型を残したままです。

 即ち、天然凶器。

 前に鼻歌交じりに玉鋼で爪を研ぎ、玉鋼の短冊を作っていた姿は中々に見ものでした。

 …うん、その辺の金属を、平気で引き裂く爪をお持ちです。

 そんな手で、人間の柔らかい肌をギュッとされたら…大惨事ですね?

 あからさまな拒絶に、サルファは不満顔。

「えー…! 絶対、人気が出るのに!」

「それよりサルファ、てめぇ、なんでそんなナチュラルに芸人目線で物語ってんの?」

「んなの、俺が芸人だからに決まってんじゃん☆ やっだなぁ旦那、忘れちゃいやん☆」

「よし、殺そう」

「まぁ殿、まぁ殿、抑えて抑えて! 流石に他国の貴族をその身内の前で半殺しなんて勘弁してくれ! 方々を調整して回って苦労するのは俺なんだから」

「…半?」

「全殺しするつもりか!?」

「いや、八.五くらい?」

「それ殆ど殺しているじゃないか!」

「かろうじて虫の息くらいは残してやるよ」

「どっちにしろ、実の叔父の前でする事じゃないだろう!」

「ああ、流石にショッキング過ぎるか……じゃ、見てねぇところなら問題ないな?」

「大ありだ!!」

 サルファに全力でいらっと来たらしく、殺意漲るまぁちゃん。

 泡を食って慌てて止める勇者様。

 まあ、まぁちゃんも流石に本気ではないと思いますけれど…

 しかしさっきの勇者様の発言、穿った見方をすれば証拠を隠滅出来る状況だったら殺って良いって言っているようにも聞こえるんですけど………勇者様がそんなことを言う筈がないでしょうし、気のせいでしょう。

 もしくは心の奥底でサルファを軽んじている気持ちが無意識に出ているのかもしれません。

 どっちにしろ、慮っている相手はサルファではなくフィーお兄さんっぽいですけどね。

「も~…旦那も兄さんも、人をネタに盛り上がってずるくない?

しかもネタにするだけネタにして放置だなんてさぁ」

「だっててめぇ、うざいんだもん」

「まぁ殿、だってじゃない!」

「ああ、ほら。そうやって自分達だけ盛り上がる~…

まぁの旦那ー、何か俺に言いたかったんじゃないの?」

「んあ? あー…そうそう。氏素性が明らかになってんのに、お前、芸人装う必要あんの?」

「ん? 装う?」

「態度を見るに、どうせ家出人かなんかなんだろ」

「あれ? もしかしてこれ、世を忍ぶ仮の姿~みたいななんかだと思っちゃってる?」

「あ?」

「やっだなぁ! 俺、いつだって全力☆本気☆よ?」

「………」

「べっつに演技でもなんでもないって! 俺本当に旅芸人だし」

「よーし。お前の認識は下方修正決定だ」

「まぁ殿、今までより更に下があるのか…?」

「ん? 駄竜に比べりゃ、今までも随分マシな扱いしてただろ」

「うえ! 俺、あの駄犬(ロリコン)と同列扱い!?」

「安心しな。まだ辛うじて、てめぇの方が扱いは上だ」

「うえ~…これ以上評価下げないでよ」

「そこも安心しとけ。元から底辺に近い」

「まぁの旦那ひど~い☆」

「うざい」

 調子よくへらへらと笑うサルファに、心底嫌そうなまぁちゃんの顔。

 勇者様は溜息をついて、呆れ顔。

 放置していても話は進まないと悟ったのでしょう。

 自分が話の舵を取るべく、仕方なさそうに質問を開始します。

「サルファ、さっきフィルセイス殿が言っていた内容に間違いはないんだな?」

「んー? どの話?」

「いや、まだ君の素情と二人の関係くらいしか聞いてないんだけど」

「ああ、俺がシフィ君の甥っ子だって話? マジマジホント。冗談じゃないよん?」

「その言い方がこの上なく嘘臭く感じるのは俺だけだろうか…」

「んー…ホントなんだけどなー?」

 ひょいっと肩を竦めるサルファ。

 そんな奴に、ちょっと気になったことを聞いてみましょう。

「はい質問!」

「はい、リアンカちゃん☆」

「フィーお兄さんの方がサルファより年下に見えるんですけど!」

「だって俺の方が年上だし。シフィ君とは二歳差だから、僅かなもんだけどね~」

「何歳なの兄弟差」

「親父殿とシフィ君? んーと、二十四歳差?」

「ほとんど親子じゃない!」

「うちの祖父さんも年考えないよね~…シフィ君も恥ずかしいってよく言ってたよー?」

「そりゃ恥ずかしいよ!」

 ちなみにフィーお兄さんのお母さんは、年若い後妻さんだそうです。

 自分の息子より若い後妻さんをもらうなんて、とんだ因業爺ですね。

「………リアンカちゃん、人のじい様になんか失礼な想像してない?」

「本当に失礼なの?」

「うーん…いや、たぶんリアンカちゃんの感想に同意できると思うな、俺」

 サルファの祖父は因業爺、これ決定ですね。

「それでサルファは、年甲斐もない因業爺さんの孫が嫌で家出したの?」

「えぇ? 違うけど? ってか、それで家出って思春期の坊やみたいじゃん。

それやったのは俺じゃなくってシフィ君だし!」

「ほほう? フィーお兄さんが…意外です」 

「そーそー、十歳の時だった。意気地なくって一晩で帰ってきたけどさ」

「それでも意外に思いきり良いんですね。家出するタイプに見えなかったのに。

もっとガチガチのお家に誇りを持ってるタイプかと思ってました」

「それはそーだけど、まあ祖父さんはとっくに引退してたし?

シフィ君に取っちゃ、当主で兄貴の親父殿の方が『父親』って感じだったんじゃない?

実際、俺と一緒に親父殿に育てられたよーなもんだし」

「フィーお兄さんも色々複雑なんですねぇ…」

「祖父さんも田舎に引っ込んで出てこなかったから、シフィ君も六歳くらいまで俺と兄弟だと思ってたらしーしねー。実際、祖父さんと会うのは年二回くらいじゃね?」

 兄弟と信じて育ったちゃらんぽらん男。

 親子ほども年の離れた腹違いの兄。

 そして滅多に合わない因業爺な実の父親。

 うん、フィーお兄さん大変ですね。

 複雑で微妙に家族関係に恵まれていない気がします。

 まあ、その辺のことは本人の考え方次第だし。

 フィーお兄さんがどう思っているかはわかりませんけれど。

「勇者と同類の匂いがするな」

「まぁ殿………それは、どういう意味で…?」

「なあ勇者。人間は何かしら可哀想な背景を持っていることが強さの条件かなんかなのか?

だったら勇者が人間の中で他の追随を許さない強さを持つってのも仕方ねーよな」

「まぁ殿…! それ本気で言っているんだったら、俺にも考えがあるからな!?」

「例えば?」

「まぁ殿の部屋に百足の絵を飾る」

「!? 止めろよ? それ絶対に止めろよ!?」

「実物を前にすると反射的に殲滅してしまっても……絵のような偽物が相手だと、そこまで思いきれないんだって…? だから意識的に向き合う羽目になるんだって聞いたけど?」

「くそっ…喋ったな、リアンカ!」

「あ、ごめーん。ベリータルトが美味しそうだったから♪」

「てめぇタルト一切れで俺を売りやがったな!?」

「ううん、違うよ。一ホール☆」

「俺の値段はタルト十二ピース分か!」

「情報と引換にしたタルトは、皆で美味しく頂かせて頂きました。――まぁちゃん含む」

「はっ… あのタルトか!」

「ふふふ………まぁちゃん自身、報酬を受け取ったからには共犯よ」

「くっ………自分で己を売ってしまうとは…!」

「………リアンカもまぁ殿も、本当に楽しそうだな」

 いつの間にか、しみじみとした目で勇者様に見られていました。

 


 その後、話が脱線していることにはっと我に返ったり。

 フィーお兄さんが耳を抑えて蹲ってしまい、ロロイに耳の水を回収してもらったり。

 せっちゃんがフィーお兄さんの肩を超す髪にこっそりリボンをつけたり。

 サルファが対抗してまぁちゃんの髪の毛を縦ロールにしたり。

 細々ありまして。

 気付いてみれば、結構な時間が経っています。

 もう、舞踏会は半分が終わってしまったそうです。

 勇者様は義務として舞踏会の終わりには戻っていないといけないそうです。

 なので、話し合いをさっさと終わらせましょう。


「話が、大分脱線したが」

「本当に脱線していましたね」

「………他人事のように言うけれど、いくらかはリアンカの仕業だからな?」

「さーて、それじゃあさくさくサルファに吐かせましょうか♪」

「誤魔化した!」

「サルファはなんで消息不明扱いになってたの? ここ数ヶ月はマルエル婆さんのところにいたのに。それともフィーお兄さんだけが知らなかったの?」

「………それは、どういう意味でしょうか」

 聞き捨てならない、と。

 そんな顔で身を乗り出してくるフィーお兄さん。

 そんな様子に更に首を傾げる私。

 脳裏に思い出されるのは、肉感的で魅惑的な女性の姿。

「だってサルファ、マルエル婆のところに押し付けられたんでしょ。お母さんに」

「あはは。預けられたじゃなくて押し付けって言うあたりがリアンカちゃんだよね!」

 そう言ってからからと笑う、サルファは放っておいて。

 驚愕の顔で固まってしまったのは、フィーお兄さんです。

「な、なんですって…? 預け………?」

 寝耳に水と言わんばかりの、その形相。

 本気で知らなかったらしい様子に、私達も不思議を感じます。

「……僕は元より、長兄も跡取りであるフィサルの行方は知りませんでした。

だからこそ、兄の指示で探していた…ん、です、が………義姉が、何と…?」

「いえ、ですから。サルファは魔境のマルエル婆のところにお母さんが預けたらしいんですけど。知らなかったんですか?」

「そーそー、旅芸人一座からも離れてふらふらしてたら、母親の手の物に捕まってさぁ。

そのまま強制連行☆ 意識刈られて目が覚めたら魔境だったってね」

「――と、本人も証言していますけど」

「あ、義姉上が…」

 …あ、がっくりと肩落としちゃった。

 サルファはその隣で気まずそうな顔してるし、なんで?

 うん、というか情報の共有していないの、この家。

 なんか複雑なお家事情でも抱えてるんですか?

 息子(サルファ)の教育方針とか話し合わないのかな。

 まあ、今更話し合ったところでどうにもならないでしょうけど。

 それくらい、武家の息子としては育ち方に失敗してそう。

 成功していたら、とてもじゃないけど、こんなふらふらはしていないでしょう。

「何か情報の行き違いがあったみたいだけど、どういうこと?」

「ん~……うちの母親の困った癖、かな」

「癖? 困ったって、なにが?」

「うちの母親、基本的には大らかで親切なんだけどさ~…

……なんでか親父殿に対してだけ、様子がおかしーんだよ」

「夫婦だからじゃないの?」

「三度の飯より親父殿の困った顔が好き☆ 親父殿が困惑した大型犬みたいに黙り込んで困っていると、どうしようもなく興奮するって公言してんだけど?」

「……………特殊なお母さんだね」

「なんでか親父殿限定で時々いじめっ子スイッチ入るんだよね~…親父殿、厳ついのに」


 どうやらサルファの所在は、お母さんの個人的な趣向によって隠蔽されていたようです。

 息子を探して右往左往するお父さんの姿に、身悶えするほど上機嫌だったらしいと聞いたのは、また後のことでした。



 結局、サルファは所在が知れないから探されていて。

 家を継ぐべき跡取りだからこそ、ふらふらはさせていられない。

 連れ戻して教育し直す(もう手遅れだと思う)為に探されていて。

 だけどその実、所在は母親の要請で曽祖母に預けられていたというもので。

 所在が明らかとなった今、一体どうするんだろう?

「当然、連れ戻します」

「でもサルファを預けてるのはサルファ母の意志なんじゃないの?」

「意向は当主のものこそ絶対。義姉上一人で子の育成を決めていいものじゃない筈です」

 両親二人の話し合いと、一貫して確固たる教育方針が重要だとフィーお兄さん。

 とてもじゃないけど、十代の男の子の言う言葉じゃありませんね。

 でもそうですか。

 サルファに情緒面での教育………もとい、洗脳が必要なんですね。

 きっとそれは遠い道のりだと思うんですけど…ファイト!

 内心でちょっと応援してしまう私がいます。

 そんな私達をちょっと遠巻きにしながら、サルファが若干複雑な顔をしていました。

「あ~の~? 俺もう、とっくに成人してんだけど~? 成長期終わってるし!

今更育てられても、これ以上育たないからねー?」

「フィサル…実際問題育ってないんだから、育てないといけません」

「何を?」

「義の心と、武の魂です」


「パス」


 サルファは、即答でした。

 真顔で述べたフィーお兄さんに、すぱっと今までにないくらい鮮やかな即答でした。

 うん、わかるよ。

 無理だろ、それ。

「そーいう暑苦しいの、俺のカラーじゃないんだよねー。

植え付けても育たないって、それ。体育会系とか本気で勘弁」

 心底嫌そうな顔で、うんざりという感情丸出しです。

 まあ、聞いているこっちも、似合わないと思いましたよ?

 絶対に無理だとも思いました。

 だって義の心と武の魂って………そんな、サルファと対極にあるような言葉!

「シフィ君だって知ってんだろー? 俺そういうの性に合わないしーい。無理」

「それで許されると? まさかそれで許されると思っていないでしょうね?」

「思ってないって。だから出奔したんじゃん!

………まあ、美人なおねーさんと楽しく遊ぶ方が主目的だったけどね☆」

「うわ、サルファ、サイテー」

「兄上に聞かれたら顎が砕ける勢いでぶっ飛ばされますよ」

「ふっ…親父殿の拳の餌食にならなくって済むように、必死で素早さ鍛えたぜ☆」

「それだけの為に!?」

「その努力、他に回せよ!」

「回してる、回してるって」

「回した結果が今のお前か!?」

「うん。ちょーっと人生の役には立たないけれど刺激的な味付けをしてくれるピリリ☆と辛いスパイス的な方面での努力はちょっと頑張ったよ!」

「頑張るなよ、そんなものに!」

「えー…でも、それで役立ったじゃん。声帯模写とかすっごいお役立ちだったじゃんー」

「そういう器用に使いどころが限られるものばかり鍛えたとか言わないよな!?」

「ぶーい★」

「駄目だこいつ!!」


 おやおや…。

 他人事に過ぎないのに、勇者様は心配せずにいられないのでしょうか。

 先刻は他国の貴族相手に、侮辱できないとか言っていたのはどのお口でしょうねー。

 激昂している訳でもないでしょうに、うっかり口が滑りまくりですよー?

 ツッコミになると、口が緩むんでしょーか。

 楽しそうだから、良いんですけど。

 まあ、叱らずにいられない感じの男ですからね、サルファが。


 

 この日は結局、お話も平行線。

 サルファが自分は武家の棟梁に向かないから帰らないと主張して逃亡を図り。

 フィーお兄さんがそれでも帰って義務を果たすべく鍛えなおすと強固に訴え。

 帰る帰らないで大いに揉めに揉め。


 気が付いてみれば、制限時間ぎりのぎりぎり。

 舞踏会が終わるより早く会場に戻り、最低限の義務を勇者様に果たさせてあげないと!

 そう、ナターシャ姐さん(雄)と一緒に!


「まぁ殿! 時間はあったのに、なんで着替えなかったんだ!」

「死なば諸共(笑)」

「くっ…(笑)がいらっとする!」


 強引に引きずられるような、腕力に訴えた移動の末。

 今夜も華々しく、ちょー素敵に。

 勇者様と、エスコートされるナターシャ姐さん(雄)の色んな意味で目の離せない舞踏会は終わりに向けて加速していきました。

 その、視覚的災害ぶりを。


 手慰みに、サルファが会話の合間合間にまぁちゃんを弄ってたから…

 舞踏会の途中で抜けて、戻ってきた勇者様とナターシャ姐さん(雄)。

 その絢爛豪華な様子を、何と言い表わしましょう。

 いいえ、言葉になど出来る筈がございません!

 キラキラと輝く勇者様。

 ギラギラと焼けつくようなナターシャ姐さん(ver.2)。

 その視覚の暴力は、舞踏会に参加した皆々様の脳みそに凄まじくクリーンヒット!

 最早目撃した皆々様から、その記憶を吹っ飛ばす勢いでした。




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