表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/50

垣間見える真相

 "カイトとコラボを企画したい"と計画を伝えると、カノン先輩に引き止められた。


《お待ちなさい、アナタは瑠美さんの件についてどう聞き出すつもりですの?》


「どうって……?」


《そこはかとなく嫌な予感がしますの。私達は今、いろんな事にてんてこ舞いで周りが見えてない状況でしてよ。冷静さを欠いて思わぬ失敗をしては取り返しのつかない事態になりかねませんわ》


「……確かに」


《ここは一つ、作戦を立てましょう。瑠美さんの件については私が調べて参ります。その代わり貴方はマリの件についていろいろ調べてきて欲しいんですの。貴方も私も、残念ながら自分で思っているよりマナーの良い人間ではなくってよ》


「ぐぎぎぎぎ……教習所の教官と同じ事を言われた」


《あ、あら、そうだったんですの?》


「うん……」


 技能はともかく性格診断はみそっカスだった。子供っぽい性格で事故を多発させるタイプとのこと。


「……分かりました。今回は先輩の言うことにも一理ある気がする。カイトとのコラボは先輩に任せます」


《承りました。マリの方はよろしく頼みますわね!》


 かくして先輩はカイトとのコラボを引き受けてくれた。


◇◇◇


《みな様こんにちは、二条院カノンですの。今日はカイトくんのチャンネルにお邪魔させていただいていますわ〜!》


《ということでカノンお嬢様に来てもらいました〜!》


《よろしくお願いしますのー!》


【はじめまして】

【よろしく〜】

【よろー!】


 普段とは異なり、視聴者の層も女性の方が多い。慣れない環境で大丈夫だろうか。


《今日は初コラボということで、雑談しつつ質問に答えていきま〜す!》


 今回のコラボで何か緒だけでも掴めたら成功だ。どうにか先輩には頑張って貰いたい。


<< 質問 : お互いの好きなタイプは? >>


 よし、バレンタインらしい良い質問だ。


《そうですわね……強いて言えば私の話を聞いて下さる方でしょうか。ちょっとおっとりしていて、可愛い方だとなお良しですわね》


《それって……》


【マリモちゃんじゃん?(笑)】

【これは百合だな】


《なっ……!? あ、あと今朝の星座占いで水瓶座の方と恋に落ちると言ってましたわ》


【マリモちゃんって何座?】

【前の動画で水瓶って言ってたような……】

【マジかよ】

【運命的だな】


《ななっ……!?》


 なんか外堀を埋められている。

 恋敵同士だなんて誰も思わないだろうな。


【でも最近調子乗ってね?】

【コラボとか連発しすぎ】

【意外と出しゃばりだよな】


《……》


 思わぬ方向からの批判に先輩は黙り込む。

 急な躍進の弊害による嫉妬か。


 普段の先輩ならすぐに怒って炎上している所だけど、一体どうなる?


《……ぐぎぎぎぎ!》


 耐えた!

 あのカノン先輩が耐えてる。


 マリ先輩がいない時はすぐに炎上していたあの先輩が……ちょっとだけ成長を感じた。


《俺のタイプは……割とクールな感じの人が好みかな》


【誰だろう】

【夜来ルルミとか?】


 !?!?


《いや、あの子はもう……っと、次行こう》


 やっぱり瑠美に彼氏はいたのか。ともかく収穫はあった。こっちもこっちでマリ先輩の件について調べなくては。


 そう思った時に電話が鳴った。

 かかってきた相手は……。


「吉田さん……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ