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24/50

おしおき合戦

 正座を崩さない俺達の後ろでホノカが現場の指揮を取る。


《さぁ! どんどん送って〜!》


【よしキタァ!】

【全お兄ちゃん出動!!】

【お嬢様、お許し下さい……】


「ヤメロお前らぁああああ!」

《DEATHわぁぁあああ〜!?》


【ホノカさんテンションMAX】

【やり返し感が凄いww】


《フッフッフッ……ユウのせいで一体どれだけ酷い目に遭って来たことか。今がその恨みを晴らす時よ! 絶対に滅茶苦茶恥ずかしいお仕置きを選んでやるんだから!!》


《アナタ日頃どんだけ恨み買ってるんですの!?》


「くっ……覚えてろよ、ホノカ」


 お願い助けて、俺のファン。

 今頼れるのは君達だけなんだよ!


【ユウ早くざまぁされろ】

【羞恥に染まるお嬢様の顔が見たい】


 きさまらぁああああ……っ!!


《……決めた! 今回の命令はコレ!!!》


<< 命令:2人別々に罰ゲームを考えさせて、より恥ずかしかった方が勝ち。敗者は勝者の考えた罰ゲームを食らう >>


《な、何て悪趣味な!?》

「性格最悪じゃねえかっ!!!」


【クッソwww】

【完全にサイコパス】

【提案者やべーやつで草】

【マジで普段どんなこと考えてんの……?】


《ふ。命令は命令よ! さぁふたりとも! お互いに与える罰ゲームを考えなさい!!》


「クソ……まさかこんな事になるなんて」

《私は巻き添えではありませんの!?》


 画面にタイピング用の余白が表示される。

 ここに書き込めと言うことか。


【やべえ面白くなってきた】

【自分たちの罰ゲーム考えさせられるの草】


 この命令の最悪な点は、罰を回避しようとすればするほど相手を陥れる事になる所だ。


 相手を思いやってショボい罰ゲームを考えれば裏切られるかもしれないと疑心暗鬼になり、ヤバめの案を考えざるを得なくなる。


「せ、先輩、提案がある」

《え、ええ……分かってますの。流石に冗談ですまないような罰は考えませんわ》


【おいズルすんなし】

【つまんねぞ】


 ふっ! 

 相手と結託すれば恐るるにたらず!

 これこそがこの罰ゲームの攻略法だ!!

 

《ちょっと〜、反則はなしよ? それじゃ、二人同時にオープン♪》


<カノン>

【"ごめんなさい、ホノカ様"と謝る】


<ユウ>

【"ごめんなさい、お兄ちゃん♡"と謝る】


【普通じゃね?】

【ショボい……】

【こんなのお兄ちゃんは許さんぞ!!】


<<< 結果発表!!! >>>

<<<夜来ユウWIN!!!>>>


《なっ!》

「ふぅ〜……悪く思うなよ、先輩」


《……チッ》


 ちょ、ホノカさん?

 いま舌打ちしなかった?


【ホノカさん?】

【お怒りかな】


《カノン先輩、提案があります……》

《な、何ですの?》

《今から三本勝負にするのはいかがです?》

《え、本当ですの?》


「オイ! そんなのありかぁああ!?!?」


【ありありーーーー!!!】

【賛成ーーー!!】

【YES!!!!】


《あら、みんなも賛成みたい♡ なら仕方ないわよね〜〜♡》


「……ホノカ、ぶっ壊れてね?」

《怖いよぅ》


《さぁ! 2回戦目行くわよ!!!》


「ちくしょう! 覚えてやがれ!」


<ユウ>

【3回まわって"わん"と言う】


<カノン>

【3回まわって"あん♡"と言う】


<<< 結果発表!!! >>>

<<<二条院カノンWIN!!!>>>


「何だと!?」

《ふ〜、これでドローですわ》


【これはお約束】

【次ので決まるな】

【ショボいやつ考えるなよ?】


「カ、カノン先輩……?」

《わ、分かってますわ……お互いにやりすぎた罰ゲームは……》


《さぁ! 泣いても笑ってもこれで最後!》


 オープン!!


 掛け声と共に現れた命令は……?




<カノン>

【ルルミさんに踏まれながら腕立て伏せ】



<ユウ>

【マリモ先輩にくすぐられる。その時は犬の鳴き声と"お兄ちゃん"しか言ってはいけない】




「なっ……先輩、裏切ったな!?」

《あ、あなたこそですわ!?》


【ドラマを垣間見たw】

【人間心理で草】

【罪深い生き物よのう〜】


<<< 結果発表!!! >>>

<<<夜来ユウWIN!!!>>>




<<<二条院カノン、罰ゲーム!!>>>




 ……あっ、勝った。


《そ、そんな……てマリモ? 何で両手をワキワキさせながら近づいて来るんですの?》


《……ごめんなさい、カノン先輩》


「罰ゲームは罰ゲームだからしゃあない」


「すまん先輩……じゃ、そういうことで」


《え?  ……や、やめなさいマリモ、冗談でしょ、ァハハハハハッッ!?》


【おー珍しい】

【カノンお嬢様の悶える声や】


《ちょ、ちょっとシャレにならなぁあああああ〜〜〜ッッ♡ やらぁあああッ……!!》


【やべえまたセンシティブ食らう】

【"お兄ちゃん"て言え】

【犬の鳴き声! 犬の鳴き声!】


《お、お兄ちゃんっ……♡ ワンッ!! ワン!! ワン!! ワ……わぁんんッ!? あぁん!! あぁッ……!? あぁあッ♡ アァァ〜〜〜ンンンッッ!?………♡♡♡》


【あっ】

【駄目みたい……】

【センシティブ不可避。】


《なっ、先輩たち落ち着いて!?!?》


《やめっ……やめなさい、マリモ!? もう止まっ……アァンッ!? お兄…………ちゃんッッ♡》


「……終わったな」


「またセンシティブ!?」


 いつになったら解除されんの?

 俺まだ運営に許されてないんだよ……!?




「のぉおおおおおん!!!」

《アぁぁああああンッ!!!……♡》


◇◇◇


 その夜、俺の元へ2件の通知が届いた。

 一件は吉田さんから。


 もう一件は、マリ先輩からだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] これはやらしすぎる笑 一瞬でファンになるわ
[一言] 業が深いな
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