22話 日菜ちゃんと給食のカレー
学校。お昼。今日はみんないつもと違うテンションでお昼を迎えていた。
そう、今日はお昼ご飯と一般教育を兼ねて給食というものをみんなでいただくのだ。普通の小学校ではお弁当じゃなくて給食というものを食べるらしいから。この学校では年に1回、お弁当ではなく給食を食べる日が設けられている。
でも、私は違う。お父様から学校に力がかけられて、いつも通り、シェフによる料理が振る舞われる。
「「「いただきまーーす」」」
みんな新鮮なものを珍しそうに食べている。それを見て私は「いいな」と思ってしまった。
「あら? 神舌さんは給食食べないの?」
「うん……お父様の言いつけだから」
「そう……」
日菜ちゃんが一人シェフの用意した鮭のハーブ焼きを食べる私を心配してか声をかけてくれた。
諦めて食べ進めていると、私が食べ終わった小鉢にお米と、カレーがかけられた。
「……えっ?」
「お裾分け。ちょっとくらいならバレないわよ」
へへっ、と日菜ちゃんはいたずらっ子のように笑いかけてきた。
小鉢に盛られた少ない貴重なお米とカレー。私は鮭のハーブ焼きを一度放置して、一心不乱にそれをかき込んだ。
「……美味しい」
「美味しいわよね! 私も給食のカレー大好き!」
シェフが作るカレーと比べたからかなり甘いけど、それもまた良し。今だけは子供でいることを許してくれているようだ。
「日菜ちゃん」
「ん? どうしたの?」
「……ありがとう」
恥ずかしいけど、しっかり目を見てお礼を言えることができた。
「……ふふっ、どういたしまして♪」
日菜ちゃんもまた、少し恥ずかしそうだ。
カレーの甘さがほんのり口に残ったまま、幸せな午後の授業を迎えるのでした。




