21話 お嬢様と冷やし中華
別荘にてダイエット中の私。お嬢様と一緒に運動できるのはいいですが、ハードですねぇ。
よく考えればこの程度のエクササイズ、学生時代は余裕だったのですが……19にもなると体力も落ちるのですね。
お昼はメイド長よりいただいたサンドイッチを食べましたが、夜ご飯は私に一任されています。ただくれぐれもお嬢様の機嫌を損ねるようなご飯を作らないようにと釘を刺されてはいますが。
メイド長もわかっていないですね〜、お嬢様は神の舌を持ちながら駄菓子でも喜べるちょろかわお嬢様だというのに。
私は明日筋肉痛になることが確定している足をキッチンに向かわせ、卵焼きを作り、きゅうり、ハムと一緒に細切りにした。
あとはガキスヤさんの冷やし中華の袋麺を茹でて、ザルに移して冷やせば完成です!
「お嬢様、本日の夕食です」
「ん。……これは?」
やはりお嬢様は冷やし中華をご存知なかったようですね。まぁ高級店で出ることはないでしょうし、シェフが作るとも思えませんしね。
「こちらは冷やし中華です。日本の夏で運動した後はさっぱりした冷やし中華を食べるのが定番なんですよ〜」
「なるほど。確かに身体が求めている気がする」
そのままの勢いで私をお求めになられてもいいのですよ? と念を送るもお嬢様は「?」という顔をなされている。残念ですね〜。
「いただきます」
「はい♪ いただきます」
さっぱりとした柑橘系の風味を感じるタレ、口当たりひんやりとした麺、無駄のない具材。そのバランスは素晴らしいものです。
「ん〜〜! 染み渡りますねぇ!」
「美味しい。この味好き」
お嬢様も気に入っていただけたようですね。なによりです。
「ってあぁ! からしマヨネーズを持ってくるのを忘れてしまいました……」
「……さっぱりしたこれにからしマヨネーズ? ……合うの?」
「みんなやっていますよ! はぁ、これじゃあ冷やし中華始められません」
このうっかりとした性分はいつになったら治るのですかねぇ。早期治療を希望します。
明日はお休みさせていただきます。




