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童話集

白いふくろう

掲載日:2022/07/05



 まっくらやみ。



 ぽちゃん…



 ぽちゃん…



 雫が水たまりに落ちる音が響く。



 なにも見えない、まっくらななか。



 自分自身さえ見えなくて。



 不安と恐怖だけが肌で感じる…場所。



 すると。



 バサリ。



 大きな羽音のようなものが、後方から聞こえてきた。



 ぶわり!



 突然突風が私の頭の上から通りすぎた。



 思わず目を瞑る。



 バサリ。



 バサリ。



 私の頭のすぐ上で大きな羽音のようなものが聞こえる。



 恐る恐る目を開くと。



 そこには、闇のまんなかに白く光るおおきいもの。



 ふくろうだ。



 白く神々しく光るふくろう。



 ふくろうは私のことをじっと見つめ。



 バサリ。



 振り向き、飛んでいった。



 光る羽をひとつひとつ落としながら。



 バサリ。



 バサリ。



 飛んでゆくふくろう。



 ふくろうの落としていった羽。



 ゆらゆらと波紋をつくる。



 どうやら、私の目の前には池か湖があるようだ。



 私は恐る恐る、その光る羽につま先を乗せる。

 


 …ぽちゃん。



 つま先立ちで、白く光る羽に全身を乗せてみる。



 沈まない。



 私は恐る恐る、少し前に浮かぶ光る羽につま先で移る。



 沈まない。



 恐る恐る、水に浮かぶ羽の上をぴょんぴょんと進んでゆく。



 水に浮かぶ白く光る羽しか見えない、まっくらやみを。



 ぴょんぴょん。



 ぴょんぴょん。



 恐る恐るだった足取りは、だんだんスキップになる。



 まっくらでよく見えないけど、なんだか楽しくなってきた。



 ぴょんぴょん。



 ぴょんぴょん。



 ふくろうの羽を辿って水の上を進んでいくと。



 最後の羽のところの傍に、さっきのふくろうがいた。



 最後のひとつの羽に飛び乗ると。





 ──もうここには迷いこまぬようにな。





 優しいおじいさんのような声が、ふくろうの方からすると。



 バサリ、バサササ!



 ふくろうは白く光る羽をたくさん散らし、そして。



 パアアアアア………



 まっくらやみだった世界が、白く晴れ渡って行く。



 …ありがとう、ふくろうさん。



 きっと二度と出会わないであろうふくろうに。



 私は心から感謝するのだった─────




 




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― 新着の感想 ―
[良い点] 明るい詩ですね! [一言] 割烹を拝見しました。 公式さまの感想、いただけるなんてすごいですね(^o^)/
[良い点] 迷っている人を導いてくれるふくろうですか。 かっこいいですね。 [気になる点] 通常のふくろうの翼は羽音が立たない構造になっていて、森のハンターという異名が……ということは気にしてはいけな…
[良い点] ふくろう、好きです♪("⌒∇⌒") [一言] ふくろうのことを森の賢者と言ったりしますが、 この物語の白いふくろうは、森守、 森の守護者、守り手ですね(^ω^) 素敵な物語を詠ませていた…
感想一覧
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