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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
七部・三章 幻獣保護区でのひと騒動

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リザードが伝えたいこと

『ぎゃ、ぎゃうぎゃう!!』


 リザードは依然として、一生懸命に何かを訴えていた。

 エアは困った顔をしながら、私達を見つめている。


「俺さ、これまでリザードが腹減った! とか嬉しい! とかこれは嫌い! とか、そういう単純な感情だけわかっていたんだ」


 それでこれまで困ったことはなかったという。


「みんな、使い魔の言葉ってわかってたのか?」

「わたくしも、それとなく理解している感じでした」


 他の人達も同じだという。


「ミシャは、けっこうジェムの感情を読み取っていたように思えたけど」

「あの子はわかりやすいから」


 光ったり、点滅したり、表情にはっきりでたり、とジェムは非常に感情を読み取りやすいのである。

 たまに喋ることもあったが、どれも意味のない内容だった。

 対話なんてした覚えはない。


 リザードはエアに伝わっていないことを理解しているようで、焦っている様子を見せていた。


「これまでリザードが、こんなふうに何かを俺に訴えてくるってこともなかった」


 リザードはエアに何を教えようとしているのだろうか?

 困り果てていたら、これまでやる気がない様子で地面の上で薄く伸びていたジェムが球体に戻る。

 リザードのほうへ転がっていき、まさかの行動にでた。


『ギャウ、ギャウ?』

「え? ジェム、あなたそれ、竜語!?」


 驚くべきことに、ジェムがリザードに話しかけ始めた。


『ぎゃっ、ぎゃう、ぎゃぎゃ!!』

『ギャーウ』


 会話を終えたジェムが振り返る。

 もしや、人語を使ってリザードの言葉を伝えてくれるのか。


「ねえ、ジェム、リザードはなんて言っていたの!?」


 皆の期待が集まる中、ジェムは再度薄くなって、地面に伸び始めた。


「……え?」


 私に何か伝えることもなく、眠りはじめてしまった。


「嘘でしょう?」


 ただ単に、好奇心から話を聞きたかっただけだというのか。

 思わず頭を抱えてしまう。


「ごめんなさい、ジェムが思わせぶりな行動を取って」

「いや、まあ、仕方ないことだろう」


 レナ殿下が励ましてくれた。

 ここでノアがエアに助言する。


「簡単な意思の疎通ができるんだったら、エアのほうから質問してみたら?」

「あ、ああ、そうだな!」


 藁にも縋るような気持ちで、エアはリザードに問いかける。


「なあ、リザード、お前はこの竜から何か大変な話を聞いたのか?」

『ぎゃう!!』


 肯定したようだ。

 この緑竜は私達に何か忠告をしにきたらしい。


「それって、幻獣保護区内で何か大変なことが起きているのか?」

『ぎゃう!!』


 これも肯定する。


「俺達の身に、危険が迫っているってことなんだろうか?」

『ぎ、ぎゃう……』


 微妙な反応らしい。間違ってはいないが、少しずれているのだろうか?


「だったら、えーーっと、なんて聞けばいいんだ!」


 混乱しかけるエアに、エルノフィーレ殿下がエアに助け船をだした。


「幻獣に危険が迫っている、ということでは?」

「そうだ、それだ! リザード、どうなんだ?」

『ぎゃう!!』


 私達ではなくて、幻獣側に危険が迫っていると。

 ノアがぽつりと零す。


「それって、ナイフを所持した男関連なんだろうか?」

「リザード、そうなのか?」

『ぎゃう!!』


 どうやら正解らしい。


「それを知らせにきてくれたんだな。いい奴だ……!」


 エアが緑竜に「ありがとうな!」と言うと、『グオオ』と短く返事をするように鳴いた。


「お前も一緒に避難するか?」


 エアが緑竜にそう問いかけた瞬間、異変が発生する。

 地面が怪しい赤色に光り始めたのだ。


「え、何!?」


 アリーセが叫ぶ。


「巨大な魔法陣ですわ!!」

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