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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
七部・三章 幻獣保護区でのひと騒動

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話し合い

 緊急事態である。どうにかしてこの状況を打開しなければ。

 レナ殿下が提案する。


「出発地点まで戻ったほうがいいようだな」


 その意見に、エルノフィーレ殿下が待ったをかける。


「先ほどのナイフを所持した男は、出発地点のほうに向かったようでした。同じ方向へ行くのは危険かと」


 それを聞いた瞬間、ゾッとしてしまう。

 普通の森でナイフを持ち歩いていても、魔物を警戒しているのだろうで終わる。

 けれどもここは幻獣保護区内。

 魔物と遭遇する可能性はないので、ナイフを鞘から抜いた状態で持ち歩いているのはおかしい。

 男の姿を見ていないアリーセが質問を投げかける。


「薬草を採取していた、という状況ではありませんでしたの?」

「いいや、そういう雰囲気じゃなかった」


 薬草を採ることが目的ならば、もっと下を見て歩いていただろう。

 例の男は明らかに、周囲を警戒した状態で歩いていたのである。

 しばし考え込むようにしていたノアが発言する。


「もしかしたら、幻獣の密猟者とか?」


 だとしたら、ここにいるのは犯罪者である。


「もしかして、今でも幻獣を飼育したい、っていう人がいるってこと?」

「その可能性はおおいにあると思う」


 だとしたら、なんのための幻獣保護区だと密猟者や欲している人に問いかけたい。

 どうすればいいのか。


「魔法巻物が使えないというのが痛手だな」


 レナ殿下の言葉にみんなが頷く。

 私は魔法巻物と聞いてふと思い出した。


「そうだわ。私、保護者ガーディアンのお屋敷に繋がる魔法巻物を持っているの。緊急事態だから、それを使って保護者に助けを求めるのはどうかしら?」


 判断はレナ殿下に任せよう。そう思って提案だけしてみた。


「そうだな。ここにいるよりは、ミシャの保護者に助けを求めて、早急に学校側へ連絡を取ってもらったほうがいい」


 ナイフを所持している男を野放しにしていたら、他の生徒にも危険が及ぶ可能性があるのだ。


「だったら、すぐに移動しましょう」


 ジェムに収納していたレヴィアタン侯爵邸へ繋がる魔法巻物を取りだす。

 一気に破って魔法を展開させようとしたのだが――。

 突然、目の前にこれまで見たことがない警告文が浮かび上がった。


「何これ……」


 〝幻獣保護区では、許可のない高位魔法の使用を禁じる〟


「嘘でしょう……!?」


 どうやら使用許可されていない魔法巻物が使えないようだ。


「ってことは、ホイップ先生から貰った魔法巻物でしか、転移魔法は使えなかったんだ」


 エアが呆然としながら言う。

 ここで選択を迫られる。

 ナイフを所持した男が行った出発地点に戻り、ホイップ先生に助けを求めるか。

 それとも先に進んで宿泊施設で助けを求めるか。

 レナ殿下は私に意見を求める。


「ミシャはどうしたい?」

「私は――先に進んだほうがいいと思うの」


 レナ殿下とエルノフィーレ殿下を危険に晒すわけにはいかない。


「エアはどう思う?」

「俺は、戻ったほうがいいと思う。他のクラスメイトがナイフの男と遭遇するかもしれないし」


 たしかに、あの男の様子は普通ではなかった。

 もしも鉢合わせなんてしたら、危険に晒されるだろう。


「アリーセはどう思う?」

「わたくしはミシャと同じ意見で、先に進んだほうがいいと思いました」


 アリーセはナイフの男を怖がっているように見える。


「ノアの意見を聞かせてほしい」

「エアと同じで、戻ったほうがいいかと」


 宿泊施設までは数時間ほど歩かないといけないが、出発地点ならば一時間もせずに戻ることができる。そんな考えをノアはレナ殿下に伝えた。


「エルノフィーレ殿下はどうだろう?」

「わたくしもみなさんのお話を聞いていたら、多少の危険をおかしても出発地点まで戻ったほうがいいように思いました」


 ナイフの男と同じ方向に進むことに警鐘を鳴らしていたエルノフィーレ殿下も、ホイップ先生に報告するほうが先決させるべきだという。


「私も同じ考えだ。ミシャにアリーセ、いいだろうか?」


 不安げな表情を浮かべるアリーセの背中を摩ってあげる。すると、少しだけアリーセの不安そうな表情が和らいだ。


「わかりました……。わたくしは皆の意見に従います」

「私も」


 もしもナイフの男と遭遇してしまっても、私達全員で戦えばなんとかなるかもしれない。

 みんなが言っていたとおり、今は出発地点まで戻ってホイップ先生に報告することを優先させよう。


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