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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
幕間 楽しいホリデーを!

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リンデンブルク大公と着ぐるみ風パジャマ

 なぜ、ここに!?

 どうして着ぐるみ風パジャマを?

 子ども達のパジャマパーティーに参加するおつもりですか!?

 さまざまな疑問が押し寄せるも、なんだか聞いてはいけないような空気感がある。

 ノアはパジャマパーティーの開催が嬉しいのか、リンデンブルク大公がいる違和感を覚えていないのだろう。

 内心動揺していたら、リンデンブルク大公が話しかけてくる。


「ミシャ・フォン・リチュオル、どうした?」


 それは私が聞きたい!!!!

 心の奥底から思う。


「いえ、その、リンデンブルク大公がいらっしゃるとは思わなかったものですから、少し驚きまして」

「皆の格好を見るだけだ。時間になれば去る」

「さ、さようでございましたか」


 パジャマパーティーに参加するつもりはないようで、ひとまず安堵した。

 そんな会話をしているうちに、エアとアリーセが転移してくる。

 使い魔であるキティと、リザードも一緒に登場した。


「お、ミシャ、似合っているじゃないか!」

「ノアも素敵ですわ」


 口々に褒めたあと、リンデンブルク大公の存在に気付いてギョッとしていた。

 本人の代わりに説明する。


「リンデンブルク大公は皆の格好を見たいみたい」

「そ、そうでしたのね」


 空気を読んだエアが、リンデンブルク大公の着ぐるみ風パジャマ姿に言及する。


「リンデンブルク大公の竜パジャマ、かっこいいですね」

「そうだろう、そうだろう」


 リンデンブルク大公は誇らしげな様子でいる。

 もしかしたら褒められ待ちしていたのかもしれない。

 ひたすら動揺するばかりで、私はそれどころではなかったのだ。

 さすがエアである。心の中で感謝したのは言うまでもない。

 最後に登場したのはレナ殿下だった。

 いつもは堂々としている彼女も、さすがに着ぐるみ風パジャマ姿は恥ずかしいのか。

 少し照れた様子でいた。


「レナハルト様、素敵です!」

「そうだろうか?」

「ええ」


 レナ殿下の一角馬ユニコーンの着ぐるみ風パジャマは、角部分がしっかり突き出ていてかっこいい。


「皆、使い魔を連れてきたのか」


 レナ殿下の一角馬ユニコーンは中型獣だが、室内は十分な広さがある。

 リンデンブルク大公に許可を取ってから、レナ殿下も使い魔を召喚する。

 久しぶりに見た一角馬ユニコーンは、室内で見ると大きく見える。

 かなりの迫力と言えよう。

 一角馬ユニコーンは私達を見るなり、呆れた様子でふん! と鼻息を吐いていた。


「さすがに、紅竜は呼べないがな」


 リンデンブルク大公は使い魔が部屋に入るサイズだったら召喚するつもりだったのか。

 どういう反応をしていいのかわからないでいたら、エアだけは「見てみたかったー!」なんて言ってくれた。


「メンバーは揃ったか。皆、健全に楽しむように」


 リンデンブルク大公はそう宣言したあと、退室していく。

 部屋の空気が和らいだので、ホッと息を吐いた。


「まさかリンデンブルク大公がいらっしゃるなんて、驚きましたわ」

「参加するかと思った!」


 アリーセとエアの発言を聞いたレナ殿下もこくこく頷く。


「ミシャさんの言うとおり、お父様の分も用意していてよかった」

「もしかしたらお気に召すかもしれない、って思ったんだけれど、着た姿をお披露目したのは想定外だったわ」


 と、リンデンブルク大公の話題はここまでにして。

 パジャマパーティーを始めよう。

 

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