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第23話 闘技大会・その伍

久々の投稿……遅れてすいません!

【始まりの街・西部 闘技場】


「ふぅー、間に合った!」


第二回戦から遅刻で不戦敗なんて、グレンとスレイに顔向けできないしな。


さて、あの娘……リルだったかな?固有(ユニーク)スキルをゲットしたいのはやまやまなんだが、あの娘は純粋だな……。ただ、()を知った気になり、正義を気取る……若い子によくあるようなものだ。俺も()()()には入るのかもしれないが……。それはさておき、そんな奴らは他のゲームで散々見てきた。そのまま行ってもどこかで反感を買い、行く先は破滅だ。それに、彼女は裏切られた時反動がとても大きそうだからな。そこのフォローもしないと……。まあ、俺も伊達に組織の長やってないんでね、こんな奴らを散々見てきてる。救えるやつなら救ってきているが、俺の進むルートが悪サイドのものが多いから大抵戦闘になる。


それでも、問題を起こす前に止めてやりたいのが本音だ。


「ってことで、スキル模倣もしつつ、少し考え直させるぞ〜!」




《さあ!第二回戦の初戦を飾るは!リル選手対ラン選手!》


《リル選手は、第一回戦でベル選手を破り第二回戦へ!彼女の美しい剣技と魔法をしかと見よ!》


《相対するはラン選手!第一回戦では、最強の一角を担うグレン選手を圧倒!この第二回戦ではどんな行動を見せてくれるのか!?》


《両者共に準備ができましたので……第二回戦、第一試合開始(スタート)!》



……さて、まずは……


「闘いを始める前に、ちょっとした質問に答えてくれないかい?」

「……え?なんですか、急に?」

「じゃあ、キミにとって()って何?」

「悪、ですか?そんなの、悪い人じゃないんですか?」

「じゃあ、ボクのことはどう見る?」


俺の見立て通りなら……


「……!?」


やっぱりな。彼女、悪性の度合いを何らかの形で見れるんだろう。


「ささ、ボクのことをどう思う?」


「……最低、です」


ま、そう言うと思ったよ。


「でも、その『最低』っていうのは誰から見て?まさか、ステータスじゃないよね?……まあ、ここからは闘いながら話そうか」

「え?」



「それは、スキルから見てでも、世界から見てでもない、キミの単なる決めつけに過ぎないんじゃない?」

(“火槍(ファイアランス)”)

「……ッ!◆◆◆……“陽球(サンボール)“」

「〈暴食〉“解析”……ボクはキミに悪性を聞いたわけじゃない。ボクの人柄を聞いたんだよ?……それに、()ってね?善と悪が共存するんだ。まさに、ボクのスキルと同じだ。その証拠に……今のボクの悪性を見てご覧?」

({正義}〈善と悪を俯瞰せしもの(ニュートラル)〉{美徳})


{正義}で参照カルマ値を誤魔化して……〈善と悪を俯瞰せしもの(ニュートラル)〉で、悪性の及ぼす影響を無効化……と。多分、[善と悪の超越者]で関係なくなってるんだろうけど、念のためってやつだ。そして最後に{美徳}で善性を引き上げる。


「……え?何で……?」

「あははっ!……驚いた〜?この世界じゃこういうこともあるし、モノの見方に気をつけるようにしてね!……じゃ、最後に……」

(“炎烈嵐(ファイアートルネード)” “発動待機”)

「あ……」

「本当に悪い奴らは、いつも善い人を装ってやってくる。悪い奴らが『私は悪い奴です』ってプラカードを提げてくるわけがないからね。ゆめゆめ注意するように。あ、そうだ!今度会ったときは声をかけてあげるよ!それじゃ、またね〜!」

(“発動待機:解除”)


《……炎で何も見えませんが、勝敗が決したようです!勝者は……ラン選手!》


まだ、幾つか格言?的なものは有ったけどこれ以上教えてもあの娘の頭がパンクしそうだったしね。良いところに収められた気がするな。あの娘は大きくなっていきそうだし、今のうちにちょっとでも学ばせておかないと……。


あとは……固有(ユニーク)の解析も出来てるから【ラーニング】で模倣しちゃって貯めてきたSPで取得かな?



【裏設定吐き出しコーナー】

主人公は数々のゲームで暴れていますが、名前は伏せていたりしてるのでセレストという名前はあまり広まってない。カジノで無双していたりして掲示板で話題になったりなどはしてる。あとはやけに強い装備を持った可愛い娘って認識くらい?たまにスレイと一緒にいて怪しまれることもあるが、大抵リアルの話をしているのでリア友という認識(間違ってはない)。

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