第10話 ログイン~輝かしい過去の一部~
主人公達の過去について言及します!
【放課後 帰り道にて】
今日はいつも通りの学校だった。
「なあなあ、昨日は何かあったか?元気ないぞ~?」
……海斗が絡んでくることも含めて。
「……ん?どうした?こっちを見て笑って?」
「いーや、何でもない。それより昨日がなんだって?」
「いや、お前の話だよ。昨日、なんかあったのかな~って」
「ああ、ひどかったよ。まず……」
そして海斗に昨日の顛末を話した。
「って事があってな……。」
勿論ヤバそうな部分はある程度隠してだが。
「へー、いや、お前がそれだけで終わるわけないだろ!何年友達やってると思ってんだ?」
まあ、誤魔化しても、こんな風に何故かばれるが。おかしい、昨日のアバターが女だった事件をそれだけとは……。俺にとっては結構ショックだったんだがな。
「いや、そんなことないぞ。」
「嘘乙!」
「……はぁ、分かったよ。ってか何でそんなに分かるんだ?」
「勘だよ、勘」
「あっそ、お前に理論があるはずないか。……で昨日何があったのかだが、他言無用だぞ?」
「分かってるって。お前が念入りにそんなこと言うって事は爆弾案件だな?」
「……ああ、そんなもんだ。」
「いや、ヤバイな……いつもヤバイが、そんなもんとは比にならないぐらいの。だが、いつも他のプレイヤーに新情報渡してるお前らしくないとは思ったが……こんなことだったなんてな」
これが[混沌種]の事まで話された海斗の第一声だ。こいつは約束だけはしっかりと守るし、俺の中でも最も信頼している奴の一人だ。だがな、俺らしくないって何だよ?
「そんなことを大っぴらにいってると女のアバターでお前にベタつくぞ?いやー、数々のゲームでトッププレイヤーの内の一人で今回のゲームでは『騎士様』と名高いあの『スレイ』様が!女の噂でバッシングの嵐!いやー、とても悲しいですね」
「ちょっ!?お前なんで『騎士様』呼びを知ってるんだ!?」
「掲示板で『スレイ』の名前で調べたら一発だったぞ。お前二つ名付くの早くないか?」
「それは、名前が売れてるからじゃないのか?」
「お前、『騎士様』って柄じゃないしな。どうせ格好だけ騎士装束の『騎士様(笑)』なんだろ?」
「は?」
海斗はゲームでは『スレイ』の名を使ってプレイしている。まあ、皆で遊んでたときからその名前だし、売れるだろうな~。俺か?俺は名前を隠してプレイしてたし、特殊NPC的な立ち回りで表に出てたからな。名が売れるわけない。まあ、今回のプレイではちょっと表に出てみようかな、って思ってるけどね、勿論名前は隠すけど。俺は『ゲームを楽しむこと』をモットーにしてるからな。束縛されるのは好きじゃないんだ。俺のクランも実質的には『自由に活動!ただしなにか見つけたらクランに報告』っていう少数精鋭の推薦型だったしな。
「ってことで俺はとっとと帰るから、じゃあな!」
「っておい!奏、待て!」
無視無視、家に帰ったらレベリング……その前に種族進化だな!やることが多くて楽しいな!




