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第百六十三話 剣舞/魔蠍

 早朝――早めの朝食を取り、宿舎を出る準備をしていたところで、ギルドセイバー本部からの連絡がセラフィナさんに入った。


 五番区でのスタンピードが、想定より早く始まってしまった。すでに五番区のギルドセイバー部隊と、招集された称号持ちの探索者、そして五番区の探索者たちが対応に当たっているという。


 『緑の館』に入り、ギルドセイバー本部に行くと、クーゼルカさんとホスロウさん、そしてギルドセイバー部隊の隊員たちが待っていた。


「招集に応じていただき、感謝します。すでに五番区の市街で戦闘が行われていますので、状況を説明します」

「今回スタンピードを起こしたのは『凪の砂海(さかい)』……数ヶ月に一度の単位ではあるが、この迷宮は魔物の生態が理由で個体数の増加が避けられん傾向にある。街に出てきたときは総出で対応するが、平均レベル10以下のパーティでは一体討伐するだけでやっとといったところだ」


 クーゼルカさんの補佐であるホスロウさんが、代わりに説明してくれる。平均レベル10――レベルだけ見れば俺たちよりも確実に強いパーティで、一体を相手にしても苦戦するような魔物。


 それも、スタンピードということは街の至るところに魔物が移動してくるということになる。防衛する側も戦力を分散しなくてはならず、常に有利な状況で応戦することは難しいだろう。


「しかし、一体ずつでも確実に有効な戦果になる。敵の『名前つき』を撃破すればスタンピードは止まるが、『名前つき』が取り巻きと一緒に行動すると苦戦は必至だ。厳しい戦いになるとは思うが、なるべく魔物を分断するように意識し、他のパーティが苦戦しているようなら、加勢をすることも考えてもらいたい」

「分かりました、周囲の動向に注意して動くようにします」

「……俺は上司でもなんでもないから、そう素直に返事をされるとその……なんだ」

「ホスロウ、照れている場合ではありませんよ。緊張感を維持しなさい」

「はっ、了解であります」


 普通に返事をしたつもりが、ホスロウさんの反応は好意的だ。他の区から呼ばれた探索者は緊張していたりして、返事が硬かったりするのだろうか。


「……後部くんのそこがいいところなんだけど、私が言うのはおこがましいというか」

「五十嵐さん、どうしました?」

「い、いえ……こほん。せっかく呼ばれたからベストを尽くしましょう、っていうことをね、言おうとしたの」

「わー、私には全然違うことが聞こえましたよ?」

「ミ、ミサキちゃん……あまり、そうやって煽るようなことは……」

「私も好ましいところかと思いますが……ホスロウ殿がアトベ殿に好感をお持ちになるのも頷けます」


 セラフィナさんはそういったことを言うのに全く迷いがなく、真顔で言う――こういう場合の方が照れてしまう。ホスロウさんも歩きながら頬を掻いていた。


「アトベ殿たちのパーティには非戦闘要員の方もいらっしゃいますね。転移した後は、そのまま五番区のギルドセイバー本部内で待機していただきます」

「仲間に配慮していただき、ありがとうございます。俺たちは、最初は指示通りに戦えばいいということでしょうか」

「ああ……もし討伐が難しくても、無理はしなくていい。探索者にはスタンピードを鎮圧する義務はないが、中には進んで魔物と戦ってくれるパーティもいる。必ずしも、戦力的には不利ということはない」


 八番区でスタンピードが起きたときと同じだ――迷宮の中で魔物と戦うことに覚悟ができていても、街に出てきた魔物とは進んで戦うことはしない、そんな人も多い。それは絶対に鎮圧に参加しなければならないわけではなく、待っていても解決するというのが慣例になっているからだろう。


 だが、探索者が少しでも安全を確保して迷宮に潜るように、ギルドセイバーも少しでも多くの戦力を求めている。だから、俺たちに声がかかった。


「……アトベ殿たちにもお伝えしておきます。五番区は強力な魔物が街に出てきてしまったときのために、魔物を追い詰めるための回廊が形成されている地区があります」

「クーゼルカ三等竜尉、それは彼らにはまだ……」

「早くはありません。『回廊』に追い詰めた魔物は、『衝角車』などの車両兵器を用いたり、街自体に仕掛けられた特殊兵器を使って攻撃することがあります。もしこれらを使用することになったときは、可能であれば付近のギルドセイバー隊員に助言を受けてください。ギルドセイバーが兵器を使う場合は、巻き込まれないように退避してください」

「『回廊』に『名前つき』を追い込む役割は、俺たちギルドセイバーに任せておけばいい。だが、もしお前たちの力が必要になったら……その時は、よろしく頼む」


 ホスロウさんが頭を下げる――俺たちのことを称号を持っているからとお飾りで呼んでいるわけじゃないというのは、それで良く分かった。


「今回は、鎮圧に参加するパーティに『毒耐性3』の付与されるチャームが二つまで支給されます。装備するメンバーは相談して決めてください」

「砂地で毒と言えば、あれだ……サソリだ。まあ、迷宮のサソリは人間の数倍のでかさがある化け物だがな」

「ひぃっ……サ、サソリって、そんなのがいっぱい街に出てきてるんですか……!?」

「砂地に隠れて生息することから、個体数を減らすことが難しいのです。空を飛ぶ魔物についても同じことが言えます」


 サソリの魔物で、強力な毒を使ってくる――遠距離攻撃を使ってくる可能性もあるが、優先すべきは前衛の毒対策だ。セラフィナさんにチャームを一つ渡し、もう一つは相談して、シオンに身につけておいてもらう。護衛犬のシオンは自分の意志で『カバーリング』に出ることがあるからだ。


「では……五番区のギルドセイバー本部に転移します。総員、私に続きなさい」

「「「はっ!」」」


 クーゼルカさんが部屋の外に出ると、ホスロウさんと部隊員たちも後に続く。アデリーヌさんたちは後で後方支援に来ると言っていたが、既に武装を整えて、先発する俺たちを整列して見送ってくれる。


 廊下の突き当たりにあるホールに、幾つかの扉がある。そのうち一つにクーゼルカさんが手をかざすと、扉の脇の壁に埋め込まれた水晶に迷宮国の表記で『5』と表示され、扉が開いた。


 ギルドセイバー本部は全ての地区と繋がっているのか――だとしたら、クーゼルカさんたちは四番区以上にも赴くことがあるのか。


 転移扉の中に入ってしばらく歩いたところで、空気が変化する――先導してくれているクーゼルカさんが扉を開け、七番区の本部と似ているが、違う場所に出る。そして、待っていたギルドセイバー隊員が駆け寄ってきた。


「クーゼルカ三等竜尉殿、通達いたしましたとおり本日未明にスタンピードが発生しました! 魔物の出現数は現在までで134体、現在の討伐数は13! 戦線は『凪の砂海』入り口から、五番区全域に広がりつつあります!」

「了解。戦況はこちらで確認し、戦線に加わります。私たちの部隊、そして奨励探索者の1パーティが参戦し、後からもう一部隊が現着次第、後方支援を行います」

「了解いたしました! ただちにフューレ三等竜佐に報告を……」

「――本部に報告申し上げます、東部地区に魔物が数体高速で移動しています! 非戦闘員を待避場所に誘導しておりますが、まだ避難が終了しておりません!」


 五番区にも多くの探索者がいるはずだが、134体中倒せたのは13体――スタンピード発生から数時間経過してそれなら、一体討伐するだけでもかなりの時間がかかっている。


「五番区の東……支援者の住居が多い区域ですね。クーゼルカ隊長、どうします?」

「急行しましょう。アトベ殿、地図を共有しておきます。事前にお渡ししておくべきでしたが、制度上五番区に来てからしか開示できないことになっています……申し訳ありません」

「いえ、今からでも教えてもらえれば十分に助かります」

「割り切りの良い奴は好きだぜ、俺は。アトベ君、俺たちと一緒に来てくれるか。町で暮らしてる支援者や、戦えない住民が避難する時間を稼ぎたい」

「分かりました。マドカはここで待機していてくれ、鎮圧が終わったらすぐに迎えに来る」

「はい……っ、お兄さん、皆さん、お気をつけて……!」


 五番区のギルドセイバー本部もまた、七番区と同じように地下に造られているようだった。廊下を走り抜け、階段を上がる――途中で転移する感覚があって、地上の建物に飛んだ。


「――アトベ殿、皆さん、止まってください!」


 ギルドの建物内部に出たはずだった――ここではまだ魔物の攻撃を警戒する必要はないと思ったが、その考えは甘かった。


 ◆現在の状況◆

 ・『デスストーカーG』が『ポイズンブラスター』を発動


 階段を上がりきって廊下に出ようというところで、クーゼルカさんが足を止めた――廊下を猛烈な勢いで何かが通り過ぎる。


「流れ弾がギルドの中に飛んでくるたあ……気をつけろ、あれは毒でもあるが溶解液でもある。装備をオシャカにしたくねえなら、奴らが吐くものには触れるな」

「ホスロウ、私が出ます。敵の攻撃を引きつけている間に、あなた達も出てきてください」

「っと……隊長殿だけを行かせるわけにはいきません。荒事は部下にお任せを……って、聞いてねぇ!」


 ◆現在の状況◆

 ・『クーゼルカ』が『ガルムドライブ』を発動 →速度、回避率が大幅に上昇

 ・『ホスロウ』が『バトルクライ』を発動 →パーティの攻撃力・防御力が上昇

 ・『ホスロウ』が『バーストダッシュ』を発動


(速い……クーゼルカさんだけでなく、重量のあるホスロウさんまで高速移動の技能を……いや、ただ見てる場合じゃない……!)


「――クーゼルカさん、ホスロウさん、『支援します』!」


 通路に飛び出し、先行するクーゼルカさんとホスロウさん、そして建物の入り口まで侵入してきた魔物の姿を見る。


 ◆遭遇した魔物◆

 デスストーカーG レベル11 敵対 毒無効 属性軽減 ドロップ:???


 大人の三倍ほどの体躯がある、全身を鎧のような装甲で覆われた巨大なサソリ――その尻尾が、高速で疾走するクーゼルカさんに狙いを定めようとする。


 ◆現在の状況◆

 ・『アリヒト』が『アザーアシスト』を発動 →対象:『クーゼルカ』『ホスロウ』

 ・『アリヒト』が『支援防御1』を発動 →対象:『クーゼルカ』『ホスロウ』

 ・『アリヒト』が『支援攻撃2』を発動 →支援内容:『フォースシュート・スタン』

 ・『デスストーカーG』が『ポイズンブラスター』を発動 →対象:『クーゼルカ』

 ・『クーゼルカ』が『スピンディフェンド』を発動 →『ポイズンブラスター』を無効化


「はぁっ……!」


 クーゼルカさんは剣を回転させて、サソリの尾からジェット水流のように放たれた毒液を霧散させる――ただ剣で受けただけではない、魔力を消費する防御技能だ。


「――ホスロウッ!」


 ◆現在の状況◆


 ・『ホスロウ』が『パワーチャージ』を発動 →『デスストーカーG』に命中 混乱 ノックバック中 スタン


「おぉぉぉらぁぁぁっ!」

「――ギィィィッ!」


 クーゼルカさんが横に飛ぶと同時にホスロウさんが猛烈なタックルを仕掛け、巨大サソリを大きく吹き飛ばす。


「この追加効果は……アトベ君の技能か……!」

「――一気に外に押し出すわよ……!」

「っ……!」


 エリーティアとテレジアが飛び出し、『スラッシュリッパー』と『アズールスラッシュ』を繰り出す――『アズールスラッシュ』では属性がついているため、攻撃はほとんど通らないが、ノックバックを狙って建物外に敵を出す狙いだ。


「エリーティア、テレジア、『支援する』!」


 ◆現在の状況◆

 ・『アリヒト』が『支援攻撃1』を発動 

 ・『エリーティア』が『スラッシュリッパー』を発動 →対象:『デスストーカーG』

 ・『テレジア』が『アズールスラッシュ』を発動 対象:『デスストーカーG』

 ・『デスストーカーG』が『魔蠍(まかつ)の構え』に変化 混乱、スタンを解除 正面に対する防御力が上昇 後方に対する防御力が低下

 ・『デスストーカーG』のカウンターが発動


(――何をした……このまま攻撃したら……!)


「――五番区以上では、『確実に攻撃できるとき』に攻撃しなさい」


 ◆現在の状況◆

 ・『クーゼルカ』が『アクティブフェイント』を発動 →対象:『デスストーカーG』

 ・『デスストーカーG』のカウンター →対象:『クーゼルカ』

 ・『クーゼルカ』が『流撃の狼煙』を発動 →『デスストーカーG』のカウンターを回避 反撃時攻撃力2倍


「なっ……!?」

「――!!」


 エリーティアとテレジアに対して反撃しようとしていた『デスストーカー』が、クーゼルカさんに標的を変えて尻尾の針を繰り出した――あのタイミングで敵の狙いを自分に引き寄せ、それを回避してみせたのだ。


「隊長、自分の分も残しといてくださいよ……っ!」

「――彼女たちの後に続きなさい、ホスロウ」


 ◆現在の状況◆

 ・『アリヒト』が『アザーアシスト』『支援攻撃1』を発動 →対象:『クーゼルカ』『ホスロウ』

 ・『クーゼルカ』が『ソードレイン』を発動 →『デスストーカーG』に12段命中 2倍打撃 支援ダメージ156

 ・『スラッシュリッパー』が『デスストーカーG』に命中 支援ダメージ13

 ・『エリーティア』の追加攻撃が発動 →『デスストーカーG』に命中 支援ダメージ13

 ・『アズールスラッシュ』が『デスストーカーG』に命中 ノックバック小 魔力燃焼

 ・『ホスロウ』が『バーストショルダー』を発動 →『デスストーカーG』に命中 戦域離脱 支援ダメージ13


 クーゼルカさんの技の速さは、まさに流れるようだった――銀の剣で降り注がせた斬撃は、雨のように『デスストーカー』に突き刺さり、その装甲を削る。


 後に続いたエリーティアとテレジアの攻撃で体勢が崩れたところを、ホスロウさんは発動が遅く、しかし絶大な威力を持つ肩からのぶちかましで大きく吹き飛ばした。ノックバックという次元ではない、この戦いの場から一時退場させてしまう。


「――アトベ君、まだ奴は仕留めきれていない! ここは俺たちに任せて、東地区に向かってくれ!」

「私たちもすぐに駆けつけます! もし『名前つき』に遭遇しても、無理に仕掛けずにおいてください!」

「状況によってはそうは言っていられないかもしれません……俺たちなりにやってみます! 行くぞ、みんな!」

『はいっ!!』


 ギルドの入り口から走り出て、東に向かう。探索者とギルドセイバーが入り乱れて交戦している――『ポイズンブラスター』で建物の壁が溶かされ、サソリの尾針が突き立てられて石畳がめくれあがっている。


 サソリが『魔蠍の構え』を取ったことに気づかず、カウンターを浴びて吹き飛ばされる者もいたが、直後に『デスストーカー』が遠距離からの集中砲火を浴びて煙幕が上がる。しかし属性軽減によって有効打とはならず、煙の中から飛び出したサソリは再び猛威を振るい始める。


「「ギィィィィッ……!!」」

「こ、こんなの……っ、本当に皆、無事でいられるんですか……?」


 走りながら息を切らせて聞いてくるミサキの問いかけに、俺はすぐに答えられなかった。


 八番区の『スタンピード』も壮絶な局面はあったが、あまりに次元が違っている。巨大なサソリの一体一体が高い突破力と防御力を持ち、近距離と遠距離に対応する攻撃を備え、8人構成のパーティの総攻撃でも容易に沈まない。


「――あんたたちは向こうの通りに向かってくれ! このままじゃ、非戦闘員が多い地区に侵入される!」

「っ……分かりました! 皆さんも頑張ってください!」

「おおっ……喰らいやがれぇっ!」


 この位置関係なら、通りすがりでも支援ができる――『アザーアシスト』で。


(あの男性二人と、女性一人……上手く行くか……!?)


 ◆現在の状況◆

 ・『アリヒト』が『アザーアシスト』を発動 →対象:『マーカス』『ゲンジ』『リィズ』

 ・『アリヒト』が『支援攻撃2』を発動 →支援内容:『フォースシュート・スタン』

 ・『アリヒト』が『支援連携1』を発動

 ・『マーカス』が『ハンマースイング』を発動 →『デスストーカー22』に命中 スタン 脳震盪付加 連携技一段目

 ・『ゲンジ』が『片手平突き・二連』を発動 →『デスストーカー22』に2段命中 硬直時間延長 連携技二段目

 ・『リィズ』が『ディレイスナイプ』を発動 →『デスストーカー22』に命中 ディレイ無効 硬直時間延長 連携技三段目

 ・連携技『ハンマー平突きディレイ』 硬直時間延長 脳震盪強化


「ギシャァァァァっ……!!」


 スキンヘッドのギルドセイバーが戦槌(ウォーハンマー)を振るってサソリのハサミをかち上げ、直剣を持った剣士が二連の突きを叩き込み、さらにクロスボウのボルトが突き刺さる。たまらずにサソリは口から毒液をこぼしながらたたらを踏んだ。


「おわっ!? な、何だか分からんが必殺技みたいなことに……すげえ……!」

「誰かが通りすがりで支援してくれたの……!? ありがとう!」

「と、とにかくチャンスだ……ここで畳み掛けるぞっ!」


 ダメージも増やすことはできたと思うが、スタン効果が延長されて『デスストーカー』の動きが止まっている。さらにマーカスたち三人以外のパーティメンバーも攻撃して状態異常を付与していき、彼らの勝ちは見え始めていた。


「アトベ殿、お見事でした。この短時間で支援を成功させられるとは……」

「ええ、スタンが有効なのは分かっていましたから」


 しかし『アザーアシスト』は魔力の消費が大きい――走りながらポーションを飲むのもなかなか大変だ。今後、場合によっては『バックオーダー』の技能を取得し、仲間から魔力を分けてもらう必要があるかもしれない。


 ライセンスに表示した五番区の地図に目を落とす――前方に赤い点が見えるが、これが非戦闘員の地区に向かっている魔物か。目を疑うほどに高速で移動しているが、時々止まっているのは交戦しているからか、住民を襲っているからか。


「もうすぐ我々も接敵しますが、作戦はどのように?」

「遠距離から目視できた場合は『ポイズンブラスター』が飛んでくる前に、何とか俺かスズナの攻撃でスタンさせます。その後は前衛がいつも通りに攻撃しますが、敵が『魔蠍の構え』を取ったら、セラフィナさんは盾で攻撃してください。そうすればカウンターを防ぎながら裏に回れる。あの構えは前方の防御を固めますが、背面の防御は手薄になるようです」

「了解しました……っ!」


 まだ『デスストーカー』という魔物の攻撃手段全てを見たわけではない。有効な戦術を見いだせても全く油断はできない――五番区で成果を出すだけでなく、全員が無事でいなければならないのだから。

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― 新着の感想 ―
なんかドラクエ3でロマリアからカザーブに行かずにいきなりアッサラームに進んだ感がある それはそうと、ゲンジさんの技「片手平突き」って、あの新撰組三番隊組長の必殺技!? 悪即斬!?
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