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女の子に触れるようになったぞ!
そして色々やりたかった事も実装したぞ!
さぁ、テストプレイだ!
まずは手始めに陽菜の覗きだ!
陽菜が露天風呂に行ってから30分。
急いで向かえば覗くことができるはずだ。
俺はテストプレイを実行してゲームプレイヤーとして全速力でとあるポイントにいる衛兵の居る所へダッシュする。
衛兵は仮面を被って全身真っ赤な鎧を着ているからすぐ分かる。
そしてその衛兵に賄賂を渡すと覗きスポットに案内してくれて、しかも覗き行為の黙認をしてくれるイベントを実装したのだ。
急がねば!
「・・・あれ?」
だが、配置してたと思う場所に衛兵はいなかった。
なんでやねん!?なんでやねん!?
近くを走って探し回るが見つけることができない!
「君、フロ・ノゾイタルを探しているのかい?」
「・・・え~っと、そうそう。フロ・ノゾイタルを探しているです」
他のプランに変更しようかと悩んでいると、見たことない青年が話しかけてきた。
初対面だったので思わず敬語を使ってしまったが恐らく街の住人NPCだろう。
そしてフロ・ノゾイタルとは俺が探している衛兵の名前だ。
「彼はさっき退職したよ」
「・・・は?」
おいおいおい!
いくら人工知能搭載のNPCと言っても自由すぎるだろう!?
確かに表向きのメインストーリーには関係ないNPCだからいなくてもゲーム進行には問題ないけど、ゲーム開始早々速攻で辞めてんじゃねーよ!
「何で彼は退職したんですか・・・?」
「確か、24時間立ちっぱなしの労働条件が嫌だったんだよ」
労働条件なんて何も気にせずに配置したけど、そこは臨機応変になんとかしろよ!
「でも彼を責めないでやってくれ・・・」
「えっ?」
「だって24時間365日連続勤務なんて常識で考えてありえないだろう?」
「ま・・・まぁ・・・そうですよね」
「だから悪いのは彼を配置した人間・・・このゲームの製作者なんだよ」
「えっ・・・あ・・・はい」
「本当に糞ブラックゲーム製作者だとは思いませんかぁ~?マジファックだと思いますよねぇ~?」
NPCはニヤニヤしながら俺の方を見下ろしてくる。
NPCとの顔の距離は30cmまで迫っていた。
「だからぁ~もしゲーム製作者に会ったらこの事、伝えといてくれませんかぁ~?」
「・・・はい」
「では復唱お願いします。ブラック製作者マジ害悪!さん、はい☆」
「・・・ブラック製作者マジ害悪」
「じゃあ、よろしく!」
NPCは満足した様子で立ち去ろうとした。
あいつ絶対俺がゲーム製作者だって分かってて言ってただろう・・・
自分の作ったゲームのNPCに罵倒されまくって複雑な気分になった。
「あの、一応聞いておきたいことがあるんですが・・・」
「ん、なんだい?」
「フロ・ノゾイタルはどこに行ったんですか?」
「ああ・・・彼は陽菜ちゃんの風呂を覗きに行ったよ」
「はぁ!?」




