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登場神物紹介・その4

《 黄泉の国の神々・亡者 》


黄泉軍/ヨモツイクサ

 イザナミが率いる、千五百の黄泉の軍勢。

 頭から「牛」の角が生え、「虎」縞の腰布を身に着けており、我々が御伽話おとぎばなしなどでよく知る「鬼」の姿をしている。

 この事からも分かるように、陰陽道では丑寅ウシトラの方角(北東)を「鬼門」と呼び、鬼が出入りするため万事に於いて忌むべき方角であるとされる。

 ……まあ実際にはもうちょっと深い意味があるんだけど、その辺りは第五章にて詳しく書きます。


八十合神ヤソアワセガミ・影鰐/カゲノワニ

 黒雷クロイカヅチ黄泉軍ヨモツイクサを喰らい、けがれを取り込んだ巨大な黒鮫の怪物。

 古代日本において「ワニ」とは「大きな口を持つ魚」の総称である。

 本作でも外見はサメとして描いているが、日本近海に棲息するサメと言えばシュモクザメ、いわゆるハンマーヘッド・シャークである。

 しかもシュモクザメには単性生殖、要するにメスだけで子供を産んだ例があったりする。


八百合神ヤオアワセガミ・火髑髏/ホノドクロ

 火雷ホノイカヅチ黄泉軍ヨモツイクサを取り込み、巨大な髑髏百足となった怪物。

 火と雷を操るだけでなく、ホームグラウンドである血の池地獄の鉄分を利用して全身を黒い鉄の外格で覆っているため、防御力も高い。

 特にモデルとなった神格・妖怪は存在せず、真の意味で本作のオリジナルキャラと言えなくもない。



《 その他の神々 》


キクリヒメ/菊理媛

 ククリヒメとも。古事記には記述がなく、日本書紀にただ一行、登場するのみの女神。

 イザナギとイザナミを和解させたとして、縁結びの神として知られるものの、何を語ったのかの記述は存在せず謎が多い。

 日本書紀を読む限り、イザナギは単身で黄泉に赴いたのではなく、同行者が何人かいて、キクリヒメもその一柱だったんじゃないかな?

 「秀真伝ホツマツタヱ」なる書物では、アマテラスの伯母にして養育係であり、万事をくくる(まとめる)神だとの記述がある。

 本作においては言葉を語れず、代わりに神や人の「思い出」を映し出す神力を持っていると設定している。

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