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闘神の御娘(旧)  作者: 海陽
2章 北地方
24/115

2-14 滞在出来ない原因は

シロムを出て2ヶ月。……イラヌ村から数えて4ヶ月くらい。季節が繁生はんふから紅涼こうりょうの季節に変わろうとしていた。繁生はんふっていうのは日本で言う夏の事らしい。で、紅涼こうりょうは秋っぽい。皇雅が教えてくれた。


日本じゃ春夏秋冬の四季と梅雨がある。大体3月〜5月が春。6月が梅雨、7月〜9月が夏。秋は10月〜11月で、12月〜2月が冬。季節とは言っても多少ずれたりもする。3月に入っても雪が降ったりもするし、梅雨入り情報が出てもそんなに降雨しなかったりもする。けれどこのオリネシアでは違う。

梅雨時期を入れて四季節、1ヶ月は20日間。もうこれでもかって位はっきりと季節が分かれてるらしい。日本で言う冬は無くて、春夏秋と梅雨。春は薫花かげ、夏は繁生はんふ、秋は紅涼こうりょう。皇雅の話の限りでは初秋っぽい穏やかな涼しさらしいのだけど。


1季節4ヶ月(80日)、梅雨時期は1ヶ月。って事は1年で13ヶ月……260日か。地球よりもひと月多いのに巡りは早いんだなぁ。あ、梅雨時期のひと月にも名前があって、潤水うるうと言うのだそうだ。時計が針を刻むみたいにきっかりと季節が入れ替わる。どういう仕組みなんだ、ここの気象は。


河川が側の地域は水には困らないが、水難が危険らしい。潤水(梅雨)で増水した河の氾濫が猛威を奮うから。けれど逆に河川が無い地域はこれまた水難がある。生活用水に困るんだってさ。だから溜池や各々の持ってる大きな容器に潤水の水を溜めて使う。……ボウフラとか湧かないのかな。うーん、日本って本当に生活水準高かったんだって今更ながら思う。それを当たり前のように恩恵を受けてきて、凄いことなんだって失念してたのかも。何せ水道捻れば、その水をそのまま飲めたんだから。


薫花かげ潤水うるう繁生はんふ紅涼こうりょう。この四季節が毎年順に廻るこの世界で、日本に帰れる日を願いながら今、私は皇雅と旅をする。



***



夕闇がそろりと迫ってくる中、皇雅と並んで歩く私の足元を夕風が抜けていく。あの日シロムを出た後、私達は幾つかの関所を通過・・した。通過と言ったのは過去形だからだ。そしてそのままの意味。その街その街を観光するでもなく、宿を取って滞在していくわけでもなく。

全てはあの人達の所為だ!と声を大に叫びたい。皇雅も苛立ちを隠せてないのは決して気のせいではないはず。そりゃ、1つの街に1人や2人くらい盗人は居ると思うよ?そういう人の物を取ったり脅迫するような人だって居ると思う。いや、肯定してるわけではないけれども。だからってさ、毎回絡まれる筋合いなんてないと思うんだよね?!確かに短髪の私は男に見えるかもしれないよ。服だってネイアの大奥様に仕立ててもらった男物だしさ、盗人のおじさん達から絶好の鴨かもしれないけど!けど!!


関所を出てからも追いかけて来るってなんなのよ!それも『惚れたから手下に』って意味不明の科白つきで!


絶対、絶対に嫌だー!!

オリネシアは地球よりひと月多く、一季節少ないです。そして年日数も少ない。なんと言っても特徴的なのは、日本では朧げに移り変わる季節がきっかりと変化すること。

金銭関係はまた本編内で説明をします。


さて。季節の呼び名です。


薫花かげ=春、繁生はんふ=夏、紅涼こうりょう=初秋、そして潤水うるう=梅雨。


薫花の1ヶ月目の1日を「薫花の1月1日」、2ヶ月目では「薫花の2月1日」。

もちろん繁生や紅涼でも同じです。

「繁生の1月1日」、「紅涼の1月1日」。

潤水だけは「潤水の1日」「潤水の2日」と数えます。


時折同じような説明が後書に出てくるかもしれませんが、作者が設定を間違えないように書かせて頂いています。どうぞ見逃してやって下さい。

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