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第204話 見つけちゃいました

「ちょ、ちょっと待ってください。そんなのできそうなのって、ひとりしかいないじゃないですか!」


 エミリスの話に、ウィルセアが割り込んだ。

 もし魔法石が改良されているようなことがあるのであれば、それを成し遂げられるのは開発者のセリーナしかあり得ないと思えた。


「そうですね。……でも、ただの可能性のひとつですから。まぁ、いずれわかりますよ、きっと……」


 そして3人は城に着いた。

 いつものように門兵に挨拶し、中に通してもらう。


「アティアス様がおられると、楽ですねぇ……」

「はは、そのくらいしか役に立たないけどな」


 エミリスがうんうんと頷きながら話すと、アティアスは頭を掻いて苦笑いした。

 たとえ近隣の領主であろうとも、面会の予定なければ普通は城に入ることはできないだろう。

 しかし、アティアスの場合はほとんど自宅のようなものだ。なにしろ、以前は城に住んでいたのだから。


「それで、どうするんだ? このあと……」

「はい。とりあえず、私が予想している魔力を持つ魔導士がいないか探します」


 アティアスが問うと、エミリスは考えていたことを答えた。


「エミーの予想ってのは?」

「それは秘密ですー。見つからないかもしれませんし……」

「そうか……。任せるよ」

「はーい」


 軽い調子で返事をしたあと、エミリスは目を閉じて集中する。

 以前、どこまで探知できるのかを聞いたことがあったが、本気を出せばこの城全体くらいならできるという話だった。

 しかし、それをしても意味がないし、魔力の消費も多く、普段は自分たちに危害が加えられる程度の範囲だけしか監視していない。つまり、それは一般的な魔導士の射程内――声が届く範囲、ということだ。


「ふうぅ……」


 小さく息を吐いて、エミリスは更に魔力を薄く、広く、蜘蛛の糸を張り巡らせるように伸ばしていく。

 時折、その魔力に触れた人の気配があり、ひとりずつチェックしていく。


「……セリーナさんを見つけました。トリックスさんとご一緒ですね。……まぁそれは置いておいて……」


 今回の目的はそのふたりではない。

 そのふたりの近くにいるかと思ったのだが、そうではないようだ。


 続けて別の場所もチェックしていく。

 魔導士隊の部屋なのだろうか。魔力の気配が多くある場所を見つけた。

 その中には、魔導士隊の隊長であるトリックスよりも強い魔力を持つ者もいた。


(そういえば、最初にトリックスさんに会った時に言ってましたねぇ……)


 自分はお飾りの隊長だと。

 しかし、今はトリックスよりも魔力の強いセリーナがいるし、魔法石の力もあるだろうから、以前のような立場ではないのかもしれないと思った。


 ただ、魔導士の部屋にも、目的の者はいなかった。


(うーん、ハズレですかねぇ……)


 期待していた者はなかなか見つからなかった。

 諦め半分で、最後に限界まで範囲を広げる。

 そのとき――。


「ふふ、見つけちゃいました」


 ゆっくりと目を開け、エミリスは嬉しそうに声を上げた。

 探していた魔導士が、城の裏手の別棟にいるのを見つけたのだ。


「居たって、誰が?」

「会ったらわかりますよ。……えっと、誰か偉い人に付き添ってもらった方がいいですかね?」


 エミリスは不適な笑みを見せつつも、アティアスに確認すると、彼は驚いたような顔を見せた。


「エミーがそう言うこと気にするって意外だな」

「ひどっ、私だってなんでも無理やり解決するだけじゃないですからっ」


 頬を膨らませながら抗議する彼女が可愛くて、笑いながら頭にぽんぽんと手を置く。


「はは。そうだな。……まぁエミーの言うように、城の魔導士なんだったら、親父か兄の誰かには声をかけておいた方がいいだろうな」

「じゃあ、それはアティアス様にお任せしていいですか? 私は監視してますから……」

「わかったよ」


 アティアスは頷きながら、誰に声をかけるか考える。

 魔導士であるならばトリックスに話を通すのが良いのだろうが……エミリスの様子を見ていると、それは良くないような気がした。

 となると、アティアスたちが調査していることを知っている、ルドルフかレギウスということになる。


「……ここはレギウス兄さんの方がいいかな」


 どちらでもいいとは思ったのだが、話をしやすい長兄に話を通しておくことにした。


 ◆


「……というわけで、頼むよ」


 アティアス達がレギウスのいる執務室に行き、状況を説明して同行してもらうことを提案する。


「ふむ。それはいいんだが、せめて先に教えてくれないか?」

「……だってさ、エミー。いいか?」


 アティアスに振られると、エミリスは説明を始めた。


「はい。城の裏の別棟だと思うのですが。……たぶん、新しく入られた魔導士がいるのではないかなと。50代ほどの年齢の男性です。名前までは知りませんが」


 その話を聞いて、レギウスが思案し、思いついたように答える。


「ああ、もしかしてあの男のことか。名前は私も知らないが、しばらく前にトリックスが雇い入れた者のはずだ。研究のために部屋を与えていると聞いているよ」


 ◆◆◆


 年末進行中でなかなか更新頻度が上げられておりませんm(_ _)m

 最低週2回は頑張りますので、気長によろしくお願いします。

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