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浅葱色を求めて…  作者: 結月澪
長州の志士達
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佐々木愛次郎

場所は、四国屋。


「最近、佐々木から連絡来た?」

そう聞いた、男。


「あぁ?」

気だるそうに声を出した男


「だから、佐々木だって!壬生浪士組に送り込んだ奴だよ!」


「あー。あいつか。いや。連絡は、ねぇな。」


どうでもいい。と、言わんかぎりの男の態度に、ため息を吐いた。


「見つかって、殺されたのかな?」


「かもな。」


「ちょっと!さっきから聞いてるの?高杉!」


そこに居たのは、高杉晋作。


「なんだよ。吉田。ちょっと考え事してんだから黙ってろ!」


そして、吉田稔麿の姿。


珍しい。高杉が考え事なんて、胡座をかいて座る高杉の前には、文が置いてあった。


「何?これ。恋文?」


ヒョイッとそれを手にするが、高杉は、身動き一つしない。


「なになに?」


っと、文を読み進めていった。


「何?これ。」


「あぐりからの文だよ。」


あぐり?その名前は、聞いたことがあった。


「佐々木の恋仲じゃない。なんで、こんな情報持ってんの?」


「あー?んなの、佐々木が喋ったんだろうよ。

けど、興味あるだろ?

この、土方の小姓。小姓の癖に、芹沢の養子だぜ?」


「まぁ、確かに気にはなるね。

此処に、女みたいな容姿って書いてあるし…」


文の一文を指差し、そう言った、吉田に呆れた視線を送った、高杉。


「………。お前、それしか、引っかからなかったのかよ?」


そんな話をしていたら



「相変わらず、騒がしいね。なんの話をしてるんだ?」


と、部屋に入ってきた、桂小五郎。


「あぁ。あぐりから文が届いたんだって。」


ほら。っと差し出された文を取り、読み進める桂。


「へぇ。この小姓、気になるね。」


そう、桂の口から言葉が漏れた。


「で?あぐりは、この情報を何に変えたいんだって?」


「それがよ。」


そう、あぐりの目的を話した高杉。

桂は、それを聞いてニヤリと笑った。


*****



文久三年七月


島原への潜入は少なくなっていた。

週に三、四回は行っているが、ほとんどが芹沢を止めるためで、芸妓としての稽古は休む事はないが、座敷に上がる回数は減っていた。

朝稽古も終わり、井戸に向かおうとしていた千夜。


「芹沢さん!今いいですか?」


最近何かと声をかけてくる平隊士。佐々木愛次郎の姿がそこにあった。


「あぁ、愛次郎か、どうした?」


腕をとられ、ズルズル。そんな急ぎの用事?

人があまり来ない裏庭へと、連れてこられた。


「助けてください。」

「お前、私を見ては、いつもそう言うな。」


そう佐々木愛次郎は、何かと私に助けを求める事が多い。


恋仲の事だったり、平隊士の事だったり、

内容は、助けてくださいと言う内容では無い。

私を頼る理由がわからないが。


「別れたんです。」


「は?」


「だから、あぐりと別れたんです。」


何故?こいつとあぐりは、八月に、心中……

いや、あぐりは舌を噛み切って、自害した。

そこまでして、愛次郎を、愛してたのに?でも、別れたって、なんで?


「芹沢さん?聞いてます?」


「あぁ、悪い。で?助けて欲しいって?」


ここで別れた原因を追求してもしょうがない。


「付き合ってください。」


「は?何に?」


「だから、俺と恋仲になってください。」


は?何で私なのか?

確かに相談はのったりしてはいたが、


ニコニコして言う愛次郎は、イケメンに分類されるであろう美男子。


こいつは長州の人間の筈、どうする?

って、ちょっと待て。

こいつ私が女って知ってるのか?


「愛次郎?お前……ん…」


聞こうとしたら、唇を押し当てられた。

私はまだ答えていないのに、そっと、離れた唇。


「どっちでも構いません。芹沢さんが男でも、ーー女でも。」


そう耳元で囁かれた。

どういう意味ですか?


























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