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浅葱色を求めて…  作者: 結月澪
噂話し
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芹沢派と夕餉

私は、今、風呂に閉じ込められている。



帰って早々に、ずぶ濡れの私を見て、鬼化した、芹沢並びに、帰宅していた、よっちゃんに、騒ぎまくられ、袴姿のまま、前川邸の風呂に投げ込まれた。


何で、そんなに意気投合できるなら、普段からしないよ?と思ったのは私だけか?

いやぁ、流石に溺れるかと思ったよ。あはは。

しかも、着物を着たまま、風呂に入るなんて思ってもなかったよ。に、しても、ペタペタ張り付く着物は、なんとも気持ち悪い。


「クシュンッ! !あぁ。寒い。」


とりあえず、着物を風呂に入ったまま、脱ぎ、脱ぎ。

行儀悪いのは承知だが、寒いのは嫌い。

五右衛門風呂じゃないよ?

いや、言っとかないとさ、そこら中、火傷してると思われるから。言っとかないとさ。って誰にだよ。


「クシュンッ!」

「ちぃちゃん大丈夫?」

「ブクブクブク。ーー…ん?総ちゃん?」


今、寝落ちするトコでした。なんて、言えやしない。


「ちぃ、平気か?」


その声は、平ちゃんっ!平ちゃんを抱き枕にしたら、

暖かそう。ぶんぶんと頭を振る。


「もう、出るぅ~。」


御飯支度してるから~。と、二人の気配は消えてしまった。風呂から出ようと、立ち上がると、よろっと体制を崩しそうになる。くらぁー。っと、少女漫画で良くあるアレ。ヤバッ!のぼせた。

ヨロヨロと体を拭き、置いてあった着物に腕を通す。


とりあえず、変な事に、意気投合している奴等のとこに足を向けた。


前川邸の広間に入って、ため息を吐いた。


何?この真っ二つに割れて、わざとらしい席順はっ!


左に芹沢派。右に近藤派。私は上座の真ん中で、

コの字 型に別れている。

なんか、ここまでするなら、一緒に食べなきゃいいのに、

ってアレ?


「近藤さんと山南さんは?」

「ちょっと野暮用でな。」


野暮用?


「ふーん。こんな夜に野暮用ねぇ。中村は?」


「ちぃ、中村って奴あれ、殿内がーー」


「そうだよ。殿内が雇ってた男の一人。

壬生浪士組に入隊予定。」


「はぁ?」


「はぁ?って言われても、

史実通りなら、そうなるんだもん。」


もん。って言われても、困るんだが。


「あーあ。土方さん頭抱えちゃったよ。」


「噂の出処は彼、中村金吾。隊士にしといた方が良いと思うよ?」


「知って、たのか?」


「はい。これでも元観察方なんで。」


千夜のあまりにも明るい答えに土方は脱力する。

今まで隠してきた意味が、全く無かった



なんか静か。

前川邸に皆んなが集まるなんて変な感じ。

しかも私の両サイドには鬼が二人。勘弁してもらいたい。

水をごくごく飲む千夜


「クシュンッ!」


「おいおい。大丈夫か?千夜。」


「新八さん大丈夫だよ。

左之さんも新八さんも熱燗呑んでるの?」


「私、熱燗より、普通のお酒でいい。」

っと席を立つ。


「ちぃ、一杯にしとけよ。」


「私、よっちゃんより呑めるから。」

あ…ヤバイ……


「ほぉ、土方、お前下戸か。」ニヤ


ほら、のっかっちゃった。


「ち、違うよ?芹沢。よっちゃんは、いつ何が起こるかわからないから、呑まないだけだよ?」

「ほぉ。では勝負するか?」ニヤ



マズイ。


「えーっと、そうだ!ねぇ、芹沢でも春画みるんでしょ?」


とんでもねぇことを言い出した、ちぃ。


「えっとねー。確か持ってきた筈っ!」


ガサゴソと芹沢の部屋の押し入れを漁っている。


「いつの間に、そこに物をしまったんだ?」

芹沢が呆れて聞いてきたし。最近?と、ちぃが答えている。


「あった。あった。はい、これは未来の春画。」


ジーーーー


なんか視線が突き刺さる。あー。見たいんだ


手元に4冊あるし、


「見たかったらどうぞ。」

と、わざと真ん中に置いた。















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