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浅葱色を求めて…  作者: 結月澪
殿内
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痛む身体と、温かい気持ち

本当は、怖かったし、不安だった。

よっちゃんが、冷たい言葉を言うたびに


この人は、よっちゃんとは別人なんだって何度も思った。


痛む身体を、優しく包み込んでくれる彼は間違いなく、私の知ってる土方歳三。


二人は、昔の様に一緒に布団に入って色々な話をした。


一緒の布団に入ったのは、ただ単に、布団を敷くのは面倒だっただけ。千夜が寝たら、仕事に戻ろう。

そう土方は、思っていたから。



朝日が差し込む部屋の中


「おはようございます。」


いつもの様に、スパーンと襖を開け放つ沖田。


そこで身体を停止した。

その背後には、千夜の治療をするべく山崎が


「沖田さん、毎朝それ飽きん?」


と訊ねるが、沖田からの返事はない。

ヒョイっと部屋の中を見て山崎ですら固まった。


「山崎君、何がどうなったらこうなるの」


「わからへん。」



部屋の中には、

一組の布団に抱きしめて寝ている二人の姿…


土方の髪が解かれて、黒髪が布団の上で散らばってるし、

千夜の桜色の髪も腕枕している腕にかかり布団に散らばっている。


しかも、何故か、艶やかしい……


山崎は素早く襖を閉めた。


「ちぃちゃんが、汚されたー。」


「沖田さん、しぃーや。」





「……ん」


あれ?今、声しなかったか?

入り口辺りを見渡してもいない。


気のせいか……。


寝ぼけ眼の土方は、

自分の腕に眠る千夜を見て額に口付けを落とす。


その瞬間に、土方は、部屋の片隅に居た、何かと目が合った。


「ーーっ!」


一気に眠気なんか覚めた。

部屋の隅に二つの影


「テメェらは、朝から人の部屋で何してんだ?

あぁ??」


怒鳴り声なんか聞きなれているこの二人


「朝から、いーもん見せてもらったわ。」


「ちぃちゃんが……。土方さんに、汚された。」


「朝から意味わかんねぇ事言ってんな」



「……ん?よっちゃん

あれ?あのまま、寝ちゃったんだ。」


起き上がる千夜を見て土方は頭を抱えた。


 

土方が頭を抱えた理由、


千夜の寝相が悪く、昔からだが

はだけている事が多かったから


ただそれだけ……。



今までは、千夜が早起きだったから

一応自分で直していたみたいだが、

今さっき起きた千夜は、まだ寝ぼけ眼。

そこに平助が千夜の様子を見に部屋に来た。


目を擦りながらまだ、寝ぼけている千夜

腕を動かす度に、白い肌がチラチラと見える。


同時に、アザや傷も見える訳だが

男達の視線は、千夜の胸へと向けられていた。


かなりいい眺めだが…


他の男が見ていると思えば


「チッ、ほら、ちぃ。ちゃんと起きろ。」


腹がたつ。


「んーそうちゃん。烝おはよー。」


「平ちゃん」


バサっと

上着が肩からずり落ちながらも平助に抱きつく千夜


飛びつかれて藤堂は押し倒されて胸の下敷きになった。


「平ちゃんおはよー」


すでに鼻血を出しぶっ倒れてる


「あれ?」


ちぃ本人は気づいていない。自分が半裸であることに…


「平助だけずるいですよ」


「んじゃあそうちゃんも」


そういって、総司を抱きしめる。



「朝からいいながめだな。」

部屋に来た永倉に原田。

三馬鹿に視線を向けるちぃ


なにが?といった様子のちぃは、首を傾げ様として、

首が痛むのか、キョトンとするちぃ

三馬鹿の視線がちぃの胸に…


「へ」


千夜は気づいてないらしい

三馬鹿が胸をガン見していることに



ガンッゴンッドンッと

五発落ちた拳骨…

もちろん総司と丞、三馬鹿の上に…


誰がやったかは、言わなくてもわかるだろう。























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