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浅葱色を求めて…  作者: 結月澪
最後の戦い
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つかの間の休息

土方の背を洗う千夜の姿を食い入るように見る男達。


「ちょっと、ちぃちゃんを舐め回す様に見ないでくださいっ!」


そうは言われても、ここには女が一人だけ・・・。見るなと言うのが無理。例え人妻だろうとだ。


「 細え腕だな・・・。」


「アレで、刀振ってるとか考えられねぇ。」


「足も細いし白いし・・・・」


「綺麗だな。」


「いい尻をしている・・・」


「ちょっと、はじめ君やめて?」


「胸がデカイ・・・しかも揺れてる。」


土方の背を擦るたびに揺れる胸に男達は釘付けである。


ガコンッ


「君たち、死にたいみたいだね?」


沖田が、黒い笑みを浮かべてそう言い放った。


「ぎぁああああぁぁぁぁ! !」



沖田の拳がいやらしい発言をした者たちに落ちた。


その後、みんな体を洗い湯船に浸かるったのだが、


「久坂、また太ったんじゃない?」


ポチャな久坂。高杉に腹の肉を掴まれる。


「いだだ・・・」


「戦なのに太れるって凄いな。」


「本当だね。あ!以蔵は?」


「あー江戸に行っとるきに。」


「そうなんだ。会ってなかったからさ、気になって。」


「そー心配しよらんでも、大丈夫じゃきに。」


そう言いながらも千夜の腹を撫でる龍馬。


「何処、触ってるんですか!」

「こがな肉ついてのうて、よお戦えるな、おんし・・・」

「普通じゃ無い?」

「椿は、もっと食え。」

「食べてるし。」

「胸はあるが、もっと肉をつけろ。」


そう言いながら慶喜が千夜の胸をツンツン突く・・・


「ケイキ、怒るよ?」

「御免被る。」



突然、腕を引張られて土方の膝の上に・・・


「はぁー。生き返る。」

「土方さんっ!どさくさに紛れて何してるんですか!」


吉田にまで引張られ膝の上に


「千夜は、やっぱいいよね~。」

「何が?」

「からだが・・・」

「最低だね。」

「冗談です。すいません。」


またグイッと引張られ、なんだかんだで、みんなの膝に乗せられ、最終的に沖田の元に戻った。


「何がしたかったのか、全く理解できないんだけど?」

「いいんだよ。俺らが満足したんだから。」


「全く良くありません。夫の前で何やらせてるんですか!あなた達はっ!」


「ちぃ、総司が怒ってるから、先に出ちまえ。」


「わかった。」



お風呂を出て、体を拭く。

予告もなく開いた戸に千夜の体は停止した。


「きゃああぁぁぁ。」


叫んだのは、千夜ではない。


「普通逆なんじゃないかな?烝。中村。」


叫んだのは、中村である。


「うるさいねん!中村のどアホ!」

「だって、千夜さん。それはダメです。」


いやいや。まだ水着だからね?


「なんだ?」

と風呂場から出てきた男達。沖田が裸を見られたと勘違いし、桶を投げるが、山崎は難なくかわした。


ガコンッ


叫んだ中村に見事命中。


「ちぃ、腹の傷、平気か?」


普通に話し出す山崎に、沖田は、素早く駆け寄った。


「近い近い近い!離れて!」


「なんや?沖田さん、俺なんかしたか?」


言いながらも、千夜を抱きしめてる山崎


「言動と行動が間違ってるよね?」


「そんな事ないやろ?水着ごときで、俺は、動揺なんかせん。ちぃ?」


「何?」

「接吻しよか?」


山崎の背のが高いから見上げるかたちとなってしまうのは仕方がない。


ガコンッ


「山崎君っ!ちぃちゃん!嫌がって?」

「えっと?寒いんだけど・・・」


はぁ


結局また風呂に浸かる羽目になったのでした。




夜、風呂に入ってあったまった身体のまま、布団に入った千夜と沖田だったが、


「ちぃちゃん。」


嫌な予感しかしないのは、私だけでしょうか?

寝たふりを・・・


「寝たふりしてもダメだよ?」


ば、バレてる・・・



「————千夜。」


甘く耳元で囁かれる。


「総ちゃん・・・みんな我慢してるんだしさ————んっ。」


甘いキスが降ってくる


「ダァーメ。もう・・・黙ろうね。」


何がダメかわからないんですけど!?


「千夜、愛してる。」


結局、愛を確かめてしまった。




気づけば12月の半ば・・・


「岩倉の動きがない。」

「もう逃げちゃったんじゃねぇ?」


「かもしれねぇが、この終わりがない戦いつが引際かがわからねぇ。」


「土佐は?」

「土佐も挙兵してくれてる。」


「大きな攘夷派の組は、もういない筈なんだけど攘夷派が居なくならない・・・」


「錦の御旗もきかねぇしな。」


「できれば、年内に終わらせたいよね。

隊士達も兵達もやっぱ住み慣れた場所のがいいだろうしさ。」


「持ち越すかもな・・・」


戦の終わる時など誰もわかりはしないのだ。


早く終わらせたい。


12月20日を過ぎた頃から、千夜は動き出した。


夜、岩倉を探し京の町に出る。


島原で岩倉らしき男が現れたと情報が入った。


君菊にはなる事が出来ない。伊東も抜けた隊士も知っている。だから島原の屋根裏で情報だけを探しに出かける・・


二日程で、アッサリ土方にばれてしまった。

「ちぃっ!テメェは何を考えてんだっ!

単独行動はするなと、何度言ったらわかるんだよ!」


御所に響く怒鳴り声・・・


まさか、御所に来てまで怒られると思ってなかったよ・・・


はぁ



「ため息吐きたいのは、コッチだっ! !

大体な、お前はいつも、いつも、無鉄砲なのにも程があるっ!」


土方姑が現れました・・・


「よっちゃん、よくそんなに怒鳴れるよね?」

「好きで怒鳴ってんじゃねぇっ!」

「ねぇよっちゃん、私は、辞世の句は読めないけどさ、もし、死んでも私の敵討ちなんてやめてよね。」


「なんで・・んな事、今言うんだよ!」


「敵がさいつ攻めてくるかわからないからさ、たまたま、今、二人だし言っておくぐらいいいじゃない?」


「ダメだっ!聞かねぇ。」

「よっちゃん・・・死ぬ気なんてないから

聞いてくれないかな?」


「本当に・・・死ぬ気じゃねぇんだな?」



「当たり前じゃん!総ちゃんと祝言挙げたばっかだよ?死にたい訳ないでしょ?」


「わかった・・・聞く。」


話し終わって頭を抱えた土方


「・・・聞くんじゃなかった。」


後悔する土方に対して、スッキリした様な千夜・・・


「って事で、副長、よろしくお願いしますね。」


「・・・胃が痛え。」

「石田散薬でも飲みますか?」

「飲まねぇよ! !俺を殺す気か!」

「売ってた人が言う?」

「売ってたから言うんだよ!」


インチキって認めちゃったよ。


でもね。たくせるのは、よっちゃんしか居ないから。

————この御所にも、間者がいるって事は。

今はまだ、よっちゃん以外、誰にも知らせる気はなかった。

































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