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浅葱色を求めて…  作者: 結月澪
下関戦争
234/281

キューパーと千夜

ふっ・・・


慶喜は、笑う。しかし、目の前の男は、真剣な眼差しのままだ。


「おかしいですか?

僕は、刀しか能がありません。戦う事しか出来ない。土方さんの様に、山崎君の様に、頭が良いわけじゃない・・・


世の中の事もわからない。


何度、ちぃちゃんに怒られたか、

何度、ちぃちゃんに助けられたか、情けない男かも知れません。


それでも、————彼女を想う気持ちは、誰にも負けないっ!」



「・・・成る程な。」


クククッと、慶喜は、再び笑った。



「椿が、助けた土方でも無く、ずっと、一緒に居た山崎でも無く、

————お前を選んだ理由がわかった。」


「へっ?」



沖田を選んだ理由?そんなのは、沖田が知るはずない。


「お前は、椿に似ている。こいつは、昔から泣き虫で、だけど自分が決めた事は、絶対に守る。沖田、お前の目は————椿と同じ目をしている。」


「同じ・・・目?」


僕が、ちぃちゃんと同じ目・・・?


好いたオナゴと同じ目。と言われて、沖田の口元は緩くなる。



「椿は、自分の考えは、戯言だと、綺麗事だと言った。


それでも、こいつは、貫けば誠になると、諦めたらそこでお終いだと、何度も何度も言った。


お偉方に対しても変わらない。


強くなった・・・。身も、ココロもな。


お前達のおかげだ。身分を分かっても椿を突き放さなかった。————新選組に感謝する。」




「いえ・・・何もしてません。僕らは・・」



「・・何もか。


俺には、出来なかった。椿を助けることも

側にいる事も・・出来なかった。」


寂しそうに、そう言ったケイキ・・・。


「何故、ちぃちゃんは、術をかけられたんでしょうか?

何故、そのままの彼女を受け入れられなかったのでしょうか?


結果的に、ちぃちゃんの過去が無ければ、僕は、ちぃちゃんに出会う事はありませんでした。


でも、 思ってしまうんです。


そのままの彼女を愛してあげたら、刀を持たずに、幸せになれたのではないかと・・・。」



「・・・椿は、確かに、寺や神社で術をかけられた。世継ぎに、不思議な力は必要ないからね


椿は、子を産む道具じゃ無いのに、老中が勝手に連れ出したんだ。決して椿の両親が進んで行っていた訳じゃない。


両親は、ずっと水戸にいたんだ。

手を出せない事を良いことに、椿を、色んな寺や神社に連れて行った。」


沖田は少し安心した千夜の両親は、術をかけるのを望んでなかった・・・。それがわかったから。



「その老中は?」


「殺されたよ。椿に似た、小さな女に・・・」



沖田は目を見開いた。慶喜に小さな千夜の存在は話してない。


小さな千夜・・・あの子は、一体何者なのか?


「それはっ————」


小さな千夜の存在を確認しようと思った時、慶喜の隣に寝ていた桜色の髪がモゾッと動いた。


「・・・あれ?」


あたりを確認する千夜


「椿、起きたのか?」


そう言いながらも慶喜は、沖田を見て首を振った。千夜に聞かせたくない。と言う事だろう。


沖田だって、千夜に辛い思いはさせたくない・・・。だから、小さな千夜の話は今はしないでおこうと口を結んだ。


「・・・二人共おはよう。」



「ああ、おはよう。」

「おはよ、ちぃちゃん。」


「珍しい組み合わせだね?」

「沖田が探しに来たんだよ。」



「・・・そうなんだ。頭クラクラ治った。」


ニコニコした千夜。


沖田はケイキと目を合わせ、二人で呆れたように笑った。


「お腹減った・・・」


今頃回復した千夜。食欲も戻ったみたいで、顔色もいい。


「朝餉にするか、椿、着替えて皆に知らせろ

四半刻後に朝餉だ。」



「はーい。総ちゃんいこ?」

「あ、うん。では、また。」

「ああ。」


そう言って、慶喜の部屋から二人は出て行った。


「小さな椿は、まだ、死んでないのか・・・」


そう口にした慶喜。沖田の表情を見たらすぐ理解できた。


自らを千夜と言う。顔も似ている女は一体何者か?


「これ以上、椿を苦しめるなら、————俺がこの手で葬り去ってやる・・・」



ぎゅっと手を握りしめた慶喜。

爪が食い込む程強く————。




そして、朝餉の時間。

「・・朝からハヤシライス・・」


確かに好きだが朝から?



「船の上でも、ろくに食べなかったんだ。だから、たくさん食え。お前、軽すぎるぞ。」


食べるけどさ


「うまいっ!」


新八さんと平ちゃんが、ものすごい勢いで食べているのが目に入る。


「いただきます。」


そう言って、千夜も朝餉を食べた。



そして、キューパーと同盟の話しをしに行ったのだが、


「コーヒー、意外にうまい。」


そう言うのは土方。少し緊張感を持ってくれないかと千夜ですら思った・・・。


「I kept it waiting.

How is the physical condition?

(待たせたな。

体調はどうだ?)」


「Already all right.

Thank you for having you worry.

(もう大丈夫です。

心配して頂きありがとうございます。)」


「Making an alliance,

Did Japan become one?

(同盟を組むということは、

日本は、一つになったのか?)」


千夜は首を振る


「Unfortunately Japan does not become one

But the person whom I lent the power to increased to the foundation of a country. I have not yet given it up.

I make Japan one by all means.

(残念ながら、日本は一つにはなってません

ですが、開国へと力を貸してくれる人が増えました。私は、まだ諦めてはいません。

必ず日本を一つにします。)」



「・・・」



「There are many people who do not yet know the foreign country.

It fears it for a Japanese to open a country,

As for people whom there is around me now

The new world should be scary.

But I cannot go ahead before if afraid

They lend the power to me.

Therefore can I not make an alliance?


(まだ、異国を知らぬ者が多いのです。

開国するのは日本人にとって恐怖、

今、私の周りにいる人達も新たな世は怖いはずです。

ですが、怖がってたら前に進めません。彼らは、私に力を貸してくれます。

だから、同盟を組んではいただけませんか?)」


「Therefore is it to say…

I do not intend to cause war in future in Japan.

(だからこそ、と言う事か…

今後、日本で戦争を起こすつもりは無い。)」


「Japan becomes the war from now on by making an alliance. As for me, a life will be aimed at …

It is me to have received a foreign country.

It is me to have advocated the foundation of a country.

Still I think that this alliance has a meaning.

(これから日本は同盟を組む事で戦になります。私は、命を狙われるでしょう…


異国を受け入れたのは私です。

開国を掲げたのも私。


それでも、私はこの同盟に意味があると考えます。)」


「When I prepare for death?

(死を覚悟すると?)」


「No.

I advocate the foundation of a country to live.

I do not make a foreign country an enemy.

The same fellow creature helps each other and wants to live.

(いいえ。

私は、生きる為に開国を唱えます。


異国を敵にはしない。同じ人間同士助け合い、生きていきたいと考えます。)」



「If war happens in Japan

If allied powers lend the power, I can suppress it.

It is not necessary to jeopardize your life!

(日本で戦争が起きるなら

連合国が力を貸せば鎮圧出来る。

お前の命を危険に晒す必要はない!)」


声を荒げたキューパー


「It is no use.

Pride of Japan is damaged.

This is an event in Japan.

As for it wishing for the foundation of a country to pray for national seclusion

It is both, Japanese human thought.

If I borrow power of you

I may suppress it easily.

But I will carry Japan on my back in future

The President who says in you

Anything is estimated as the human being who cannot do it if I do not borrow foreign power.

If you can think of Japan,

I want you to watch only this war.


(それはダメです。

日本のプライドに傷がつきます。


これは、日本の中の出来事です。

鎖国を願うのも、開国を願うのも

両方、日本の人間の想いです。


貴方方の力を借りてしまえば

容易く鎮圧出来るでしょう。

ですが、今後日本を背負う

貴方方で言う大統領は

異国の力を借りなければ何もできない人間と評価されます。


日本を思っていただけるのなら、

この戦争だけは、見守って頂きたい。)」









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