下関戦争〜降伏
千夜の格好は、よく目立つ。
女が、戦に居るだけでも目立つのに、敵の目を、自分に向ける為に、あえて、白いワンピースを選んだ。キューパーとの会話が、一番の目的。
近藤の指揮の元、新選組は動き出す。千夜の背では、沖田が、刀を振るう。敵が多いし、突きの攻撃が多い。
「ちぃちゃん、この人数に、武器無しは————!」
「武器、持ってない。なんて、言ってない!」
そんな、会話の途中に、英兵が刀を千夜に向けて振り回した。
ガキンッ
クナイで、刀を受ける千夜。コレが彼女の武器だ。
「Do you want to die?(死にたいのか?)」
「There is not mind to die at all.(死ぬ気など毛頭ない)」
「Can you speak you, English?(お前、英語が話せるのか?)」
「I can talk.I understand the feeling that wants to found a country of Japan.
( 話せます。日本を開国したい気持ちはわかります。)」
「Then why do you not open a country?
(ならば何故開国しない?)」
何故?と、言われても……。
攘夷派が多いし、日本は二つに割れてます。なんて、言えるわけない。
言葉を選ばねば……。
「What want to dismiss national seclusion
I am the same, too
( 鎖国を辞めさせたいのは、私も同じ)」
「 Then if I open a country...
(だったら開国すれば )」
「 Even if me alone expects so it
Nothing changes!
( 私一人がそう望んでも、何も変わらない!)」
「………」
「 I want to change it.
Japan …(変えたいんです。日本を…)」
「………」
ユルユルと、刀が離れていった。
「 What Choshu attacked It is a wrong thing.
But they were scared.
( 長州が攻撃したのは、間違った事です。
でも、彼らは、怖かったんです。)」
「I am scared; what?(怖い?何が?)」
「Japan which I followed so farChanging all ……
(今迄守って来てきた日本が全て変わってしまう事が……)」
「…………」
「Yes, please.
To a cue soft-headed lieutenant colonel
Please put it together.
(お願いします。キューパー中佐に合わせてください。)」
「…Wait a minute!
Previous unit retreat!
(ちょっと待って!前隊退却!)」
一旦、引いてくれた。
「引いた…?」
「お前、異国語がわかるのか?」
逆に、わからなくて、よく戦えたね?
「話せるから、話してたんです。一旦、引いてくれただけです。」
皆、中村が通訳してくれたおかげで、何を話したかは、わかってる。
「赤根さん、何故、連合国が強いとわかっていて、引かないのですか?」
「日本は、攘夷を掲げている!」
「何故ですか?何故、倒幕したいのに、攘夷は幕府と同じなんですか?」
「改革の為に……。」
「何が、改革だ! !本当は、わかってるでしょ?攘夷の無意味を!」
「…………」
ドーーーンッ
ドーーーンッ
「引いてくれたのは、ここだけです。まだ、みんな戦ってるんです。」
だから、降伏して欲しかった。これ以上、被害を拡大しない様に………。
「俺は、降伏なんかしない!降伏するなら、敵陣に突っ込んで————」
パシーンッ!!赤根の頬に、痛みが走る。目の前には、白い洋服を着た女の姿。
「新たな世を創りたいと言って、お前は死ぬのか?お前が死んだら、この戦はどうなる?
まだ、戦ってる仲間を助ける事が出来るのは、お前だけだろ! !
異国が怖いか?開国が怖いか?
お前達が使ってる銃は、異国の物だろうが!
物は良くて、人は、駄目なのか?見た目が違うから?
でも、彼らも私達と同じ————人間だよっ! !」
「…………」
「何故、引いてくれたかわかるか?異国は、開国を望んでるだけだ!侵略や殺戮が目的なら、
私を殺すのだって、簡単に出来たはずだろ!
ちゃんと、私の言葉を聞いてくれたから、
一旦引いてくれたんだよ!」
「…………」
ドーーーンッ
ドーーーンッ
幕府軍の船に、容赦なく大砲が発砲される。早くしないと、幕府軍の船が、堕とされる……。
まだ、近くに戦ってる長州の志士達の姿。おとなしく、待ってる事なんかできない。
「中村、お前は此処に残れ。残りの者は、俺と局長に続け! !」
よっちゃん?
「ちぃ!何、ボケっとしてやがる!俺らは、長州へ助太刀しに来たんだろうが!」
「はいっ!」
新選組は、争いの中に走った。残された赤根は、ただ、新選組を見つめていた。
「……あれが、新選組。何で、君は、待っていられるの?」
中村に視線を向けた赤根。
「俺だって、新選組と戦いたいですよ。でも、此処に残されたなら、此処にやるべき事があるからです。
俺は、自分のやるべき事をやるだけです。」
……自分の、やるべき事……
「赤根。」
「高杉、吉田?」
この二人は、言ったんだ。長州に、勝ち目は無いと。異国の脅威なんて、知っていた。でも、やって見なきゃわからないと、異国への降伏を見送った。
なぜ、新選組は、長州の為に戦ってくれるのか?そんな疑問が、今頃になって、溢れ出た。
「長州のヒメは、新選組を変えたんだ。」
ジッと、新選組を見ている赤根。
「平隊士は救護!」
「また、千夜さんは~!敵ですよ?」
「同じ人間でしょ?助けなきゃね?」
「異国語なんかわかりませんよー。」
「文句言わないの!」
「救護できる奴は、救護に回れ!他は、武器を取り上げろっ!深手を負わすな!」
「難しい事を、サラッと言いますね、土方さん。」
「うるせえっ!」
……何故、敵を助ける?
『同じ人間だよ!』
同じ人間だから、彼女は助けるのか?
「Why … … Do you help me?
(何故、助ける?)」
「It is the same human being.」
「……同じ人間だからね……。
千夜さんは、そう言ったんです。あの人は、救える命は、全部救おうとするんです。
それが、敵だろうと、そんなの関係無いんですよ。彼女には。
自分が、斬られたとしても、それは、変わらない。あの人は、そういう人です。
命は、大事だと、
そう教えてくれたのは、————千夜さんです。」
……俺に、出来る事……
敵陣に、突っ込む事でも無い。
『仲間を助けられるのは、お前だけだ!』
俺だけに、できる事。無防な戦いに、今まで、付いて来てくれた仲間達。死んでいった仲間も居た。
それでも、今も、文句すら言わず、自分に付いてきてくれた仲間を————もう、失いたくない。
「………降伏だ……。降伏する。」
連合国には、敵わない。そんなこと、もっと、前からわかってた。
あいつらも、同じ人間なら、腹を割って話してみよう。
長州のヒメの力を借りて………。
英語の会話文は、自動変換で書いているので、おかしなところがあるかも知れませんが、日本語を読んでいただければと思います。




