127、襲い来るGの群れ 11
ヒットリー騎士爵side
逆襲に出て4日、目的地らしき森の手前までやって来ることが出来た。
多少怪我人はでたが、重傷者や死者が出なかったことは幸いだな。
今、森の手前に陣を築いた天幕の中で各部隊長と共に偵察に出た者が帰って来るのを待っている。
「騎士爵様、偵察に出た者が帰って参りました。只、帰還したのは1名のみです。」
「取り敢えず、ここにつれて来てくれ、報告を聞きたい。」
「わかりました、つれてまいります。」
しばらく待つと先ほどの兵士が偵察に出た者をつれてきた。
戦闘があった様には見えないな。
何かトラブルでもあったか?
「報告いたします。ダンジョンらしき洞窟を発見いたしました。ビックコックローチが這い出した後もありましたが、別方向にも通った後がありましたので、私のみ報告に帰還し部隊は調査を続行中であります。」
「御苦労、下がって休息していてくれ。」
「は、失礼いたします。」
どう言ったことだ?ダンジョンが複数あるのか?
それが同時に溢れたと言うのか?
もしくはビックビー等後から出てきたモンスターのダンジョンなのか?
「皆、今の報告をどう思う?」
「部隊を分けた方がよいでしょうね。」
「どう分ければ良いと思う?ジン.スール殿?」
「ダンジョン潜入部隊は冒険者を中心に、周辺警戒は家の歩兵部隊を中心にするのがよいでしょう。ダンジョンのような所では冒険者の方が向いていますから。どうです?隊長?」
「そうだな、うちの部隊では探索には向かないな。冒険者の出番だろう。」
「では、私の部隊がいきましょう。」
そう、元々私の戦いだ。
最後の一手は自らの手で決めたい。
「騎士爵様ならそう言うと思っておりました。。お付き合いいたします。」
「ありがたい、よろしく頼む、クードリン。」
「騎士爵様この地で防衛ラインをとるなら補給部隊も合流させましょう。彼らも冒険者部隊ですので周辺探査に動員した方が効率的に良いと思うのですが?」
「そうだな、ジン.スール殿その辺は任せてよいか?私はすぐにダンジョンに潜る準備をしておきたい。」
「随分急がれますね。」
「時間が限られているからな。ビックコックローチの今までのサイクルであれば、ダンジョンから出てくるのは夜中だろう。それまでに一度、ダンジョン内の様子を見ておきたい。」
「わかりました、お気をつけください。」
sideout
クードリンside
ヒットリー騎士爵様がダンジョンに一番に突入することは予想していたので驚きはないんだが、先陣を切って突入しないで欲しい。
トラップでもあったらどうする気だ?
なんとか説き伏せて中段まで下がらせたが、不満げな顔をしていたな。
それにしても長い洞窟だな。
一キロ近くは進んでいるのだが、終着点はどこだ?
お、出口らしきものが見えてきたな。
「終着点かも知れん、警戒を怠るな!」
「「「「はい!!」」」」
トンネルを抜ける広い場所にでた。
床には無数の魔方陣がかかれている。
この魔方陣はいったいなんだ?
敵の姿は無さそうだ。
「誰か、ヒットリー騎士爵様を呼んでこい。」
「わかりました、行ってまいります。」
「他のものは、周辺を探索に回れ、魔方陣陣には触れるなよ、何があるからわからんからな。」
しばらくするとヒットリー騎士爵がこちらに向かって来た。
「これはすごい魔方陣の数だな。どうにかしないと、また、モンスターが出てくるぞ。」
「騎士爵様、どうにかって言われてもどうすりゃいいんです?」
「それは………、どうするべきだ?誰かわかるものはいないか?………、いないようだな。誰か地上にいるもので魔方陣に詳しいものがいないか聞いて来てくれ。いたらつれて来て欲しい。」
魔方陣なんかに詳しいものなんているのだろうか?
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