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第六百十三話

 お仕事終わり。

 今日はお仕事少なめ。

 なんか途中でレプシトールの再建計画書作ったような気がするが気のせいだろう。


「んじゃ西条くん出かけますか」


「どこに?」


「駅前のスーパー。薄力粉が切れててね」


 使う量多くて怒られてから宮殿のとは別会計なのよ。


「配達にしなさい!」


「チャリでちょっと行ってくるだけだって!」


 駐輪場には俺専用のママチャリが用意してある。

 もちろん護衛用のママチャリもある。


「チャリってあんた頻繁に外出してるんかい! とにかくダメなもんはダメ! ……あ、侍従局。陛下が薄力粉買ってきてほしいって」


「ちょ、俺の私生活押しつけるのは……」


「【喜んで】だそうです陛下。食堂の冷蔵庫を見て他にも買ってきてくれるそうで」


「なんてことだ……公私が混同してる」


「いや侍従は【私】も業務に含まれてますから」


「こんなことが許されていいのか!」


「許されるに決まってんでしょ!」


 大正浪漫メイドと言い争いする。

 何度も言うが西条くんは野郎だ。

 しかたないので暇つぶしにパーシオンに放ったスパイに連絡。


「やっほー元気」


「陛下。お暇ですか?」


 なぜわかった!?

 スパイの人はクロノス人である。

 と言ってもパーシオンのクロノス寄りの星にはクロノス人の惑星もある。

 首都でも混血がだいぶ進んでるので普通に潜伏できる。

 これがレプシトール人だと浮くんだけどね。

 あとラターニア人も多い。

 ラターニア人は奴隷だったため、どこにでもいるのだ。

 ラターニア系クロノス人とかラターニア系鬼神国人とかもいる。

 とうか鬼神国人はツノ生えてるけどラターニア系の人種なのがわかってる。

 だから潜入工作員にはちょうどいいっていう話もあるんだけどねぇ……。

 ラターニア人はラターニア教のコミュニティーがあるからそこで仲間探してもいいんだよね。

 別に工作員の一人や二人いるだろうし。

 クロノスのパーシオン人工作員とかレプシトール人工作員もいるし。

 さらに言えば二重スパイも結構多い。

 さらに二重スパイを買収して情報交換ステーション化したりと、工作員の世界は混沌としてる。

 彼もパーシオンにラターニア人商社員として派遣してる。

 ところが彼もパーシオンの首都星には潜入できてない。

 地方都市惑星で足止めされてる状況だ。


「いやー、工作員本隊と連絡ついた」


 クロノス崩壊前から駐留してる工作員だ。

 もう一年以上連絡が取れてない。

 俺の部下ではないけど救出したいんだよね。


「いえまったく。足どりすらつかめません」


「困ったねえ。あ、ラターニアの貨物に救援物資入れといたから」


「ありがとうございます」


 救援物資というのは、字面どおり本当に救援物資である。

 酒やお菓子、あと弾薬や現金なんかの工作員用の救援物資ももちろんある。

 だけどほとんどは首都と連絡が途絶した地方都市の市民用の生活物資である。

 それをパーシオン教、ラターニア教の現地宗派にちゃんとラターニア教を通して提供してる。

 これに関してはクロノスの名前とラターニア銀行との共同事業として堂々と行ってるのだ。

 はっはっは。

 一度すべての富や生産物を中央に吸い上げてから配布するシステムだから、中央がコケるとこのザマね。

 全国民への給料や配給なんかも滞ってるようだ。

 そもそも物流自体が国家統制の事業なので生産しても配布する手段がないという……。

 なので海賊ギルドなんかも入れてる。

 なお、すでに結界は設置済み。

 屍食鬼に対してはクリーンな環境である。

 最近では地元の軍もデレて物資配布を手伝ってくれてる。

 また一部ではラターニアの通貨による闇市も開かれている。

 いまのところ道路脇で勝手に屋台が出してる程度かな。

 なぜか「クロノス王に忠誠を誓おう!」という謎のスローガンは書かれたシャツが売られてる。

 しかも大人気だ。

 やたらデザインがいいんだよね……。

 労働者よ団結せよてきなやつ。欲しい。

 それと「クロノスの侵略に徹底抗戦しよう!」というシャツも売られてるがこっちは人気がない。

 軍の高官の髭のおっさんの顔だからだ。

 でも昔の新聞風のドット柄印刷デザインでカッコイイ。

 俺欲しいんだけど。

 で、現地情報によるとクロノスのポップミュージックを録音した海賊版メディアがあちこちで売られてるそうだ。

 なんでもここ数年のクロノスカルチャーは人気があるらしい。

 クレアにメリッサにレンのポスターなんかも勝手に売られてる。

 当然無許可。

 タチアナの顔写真つきお護りなんかも売ってる。

 タチアナ本人はラターニア教徒じゃないので「こんなの知らねえッス!」とキレ散らかしてるやつだ。

 タチアナ本人はコロニーにまともな宗教家がいるはずもなく、もともと家がなんの宗教かもわからないタイプの無宗教だ。

 うちも同じだ。

 ゆるくゲーミング仏教と神道のちゃんぽんだと思うが宗派はわからず。

 地元の個人経営の葬儀会社は通信教育で僧籍を所得した無宗派僧侶だった。

 今は複数の宗派の寺と神社が乱立してるらしいけど。

 とりあえず書類上は【神道(座敷わらしちゃん派)】となっている。

 子爵以下の家の子なんてみんな同じようなものだ。

 そんな状況なので我々はパーシオンの宗教問題に関して文句を言う立場にない。

 とにかく現地宗教とは敵対しない方向で行こうと思う。

 だってわからんもん。

 正直にわからんと言うと教えてくれるので、それいいかと思ってる。

 そしてスパイの彼であるが、現在は炊き出し担当。

 それとパーシオンの死んでるインフラ整備に労働者を割り振ってる。

 現在は完全に壊れてる鉄道を復旧してる。

 そのうち住宅整備に移ると思う。

 地元政府はすでに買収済み。

 メシと仕事があれば当面は大丈夫だろう。

 むしろ難民化された方が困る。

 ここでパーシオンくん統治が上手そうな人材を呼び出す。

 そう、クレア様だ。


「……私は独裁者じゃないって何度言えば」


「それはいいんだけどさ、クロノス大公妃としてコメントをば」


「あら西条くん、今日もかわいいね」


「ありがとうございます」


「スルーされた!」


「うっさいなー。まだ侵略してないでしょ。パーシオン政府が地方を放置したから援助してるだけで。だいたい主導してるのラターニアでしょ。表向き同胞の援助目的だし放っておけば?」


「そうなんだけどさー。住民がもうクロノスの一部になっちゃおうかとか言い出してるしさ~」


「もー! だめよ拾っちゃ!」


 猫を拾ってくるみたいな話になってきた。


「ほら、きなこと遊んでなさい!」


 クレアがそう言うと呼ばれたと思ったきなこが部屋に入ってきた。


「にゃーん」


「きなこちゃんかわいいでちゅねー♪」


 もふり散らかす。

 うちの子がいちばんかわいい。


「にゃーん」


「きなこちゃん。パパが余計な事しないように見張ってくださいね」


 西条くん……辛辣すぎね?

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― 新着の感想 ―
うん、難民と言うのは基本的に食と住が安定しているのならば発生しないのでそこいらへん注意しとけば大丈夫だと思いますね。前の話で統治に必要なのは秩序と言う答えが出ているので心配なさそうです。三分統治は真ん…
おもしろく見ているけと 三国志見たことないので例えがよくわからん 天下三分の計はまあ何となく言いたいことは伝わるけど 人の名前は何をした人なのか…
地方パーシオン民は擦り寄ってきて情に訴えかけてくる捨て猫か何かですか?wwww
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