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第二百三十六話

 毒の検査結果が出た。

 カニちゃんなどのゾークは甲殻類的な異様な頑丈さがある。

 手足もぎ取っても動くし、メリッサのとこで遭遇した肉なんて一部を殺してもなんの意味もなかった。

 殺すときは胴体を切断したり、殻を破壊して中身を攻撃するとかが必要だ。

 みんなは口径の大きな実弾銃で蜂の巣にしてる。

 それでも実弾兵器でも殺しきれないことは多い。

 人間なら手足の一本でも飛んだら出血ですぐに動けなくなる。

 あまりに生き物としてのスペックが違う。

 ナパームも有効だ。

 熱でタンパク質が固まって動けなくなるけど、これも制約が多い。

 そもそもゾークより人間の方が熱に弱い。

 火炎放射器は事故が頻繁に起きるし射程が短い。

 そもそも燃費が悪い。

 そう考えるとカニちゃんを大量に用意されるのが一番キツい。

 弾が足りなくなる。

 それをサクッと解決できる毒なんだって。

 農薬みたいに散布で殺せればいいんだけど、そうもいかないようだ。

 そもそも人ベースの生命体への毒なので人間の方が毒への抵抗性は低い。

 一応戦闘服で回避可能なんだけど事故の危険性はある。

 それと宇宙を渡ってくる理不尽生命体の頑丈さが問題だ。

 なんでも呼吸の回数が少ないそうで、散布の効果も低いそうで

 将来的には浸透できる薬剤出るんだろうけどね。

 なのでいまは弾丸で注入することになった。

 俺たちも毒を中和するナノマシンを複数回に分けて注射する。

 じゃないと事故ったときに俺たちが死ぬからね!

 現場仕事だから液漏れ上等で行くのよ!

 ヨシッ!

 こういうのバカじゃねえのって思うだろ?

 でもタチアナに聞いたら「さすがエリート。この現場民度高いっすね」だからね!

 地方の現地採用の兵だと毒で遊んで死ぬ……だったらまだいい方で。

 部隊ごと全滅とかも珍しくないそうだ。

 実際、クローン前のタチアナの記憶だと手榴弾でキャッチボールして部隊丸ごと全滅したって話を聞いたことがあるそうだ。

 士官学校通ってた俺たちにはとっては意味わからないけど、満足に教育を受けてない惑星の住民はそんなものらしい。

 死ぬほど勉強した現在のタチアナは異常性がわかるようになったようだ。

 俺はてっきりタチアナが「学校を建てたいッス」って言い出すかなと思ったら、「そもそもマフィアから金借りなくてもいい体制作りたいッスね。そしたらガキどもも学校行けますんで」ともっと先を見据えていた。

 とてつもない成長である。

 兄ちゃん感涙だわ。

 そんなタチアナも人型戦闘機は無理だけど、人型重機の免許を取った。

 戦闘用車両の軍内部資格も取得。

 公道は走れないけど戦闘地域の走行はできるものだ。(年齢制限で公道走行資格はまだ取得できない)

 ワンオーワンとケビンとニーナさんの補助に入る。

 ワンオーワンもがんばった。

 初級の衛生兵資格を取得した。

 衛生兵の指導の下で補助ができるってやつ。

 ケビンの下について実習やって化学戦の単位取れば衛生兵の資格も取得可能だ。

 さらに現場で経験積むと看護師試験の受験資格が得られる。

 さらに二人とも京子ちゃんの下で人型戦闘機整備の手伝いしてたらしい。

 整備の実習時間をクリアしたので俺が記章授与した。

 少佐になるとそういうのもお仕事である。

(というか、平時ならそういうのとか議会への提出書類を作成するが【佐】のお仕事のはずだ)

 二人とも自分たちの手で未来を切り開いてる。

 ちゃんと俺の財布からお小遣いもあげた。

 ぜひ駄菓子とかすぐ飽きるおもちゃとかのくだらないことに使ってほしい。

 だけどワンオーワンはひと味違った。


「少佐殿! このお金でホットケーキ作ってほしいであります!!!」


 なんて言われたら即作っちゃうね!

 お小遣い増量で。

 タチアナにも作ってやる。

 ケーキシロップ増量に生クリームもトッピングだ!!!

 おっとチョコスプレーもあるじゃん。

 乗っけてやろう。


「ふふふふふ……アイスクリームも乗っけてやろう」


「な、なんと!!!」


 ワンオーワンとタチアナが目を輝かせた。

 というわけでカロリー爆弾の完成。

 作ってる最中にケビンとニーナさんもやってきた。

 結局、みんなの分も作るはめに。

 ……嫁ちゃん、目が輝いてますが?


「妾はこういうのあまり食べたことないのじゃ……」


「たくさん食べてね!!!」


 上目づかいで言われたらもう作るしかねえだろ!!!

 ガンガン焼いていく。

 少佐ってなんだっけ?

 もういいや。ホットケーキ屋さんで。

 記者さん! なあに!? 食べます?

 で、その日の夕方のニュースで俺がホットケーキ焼いたとかのどうでもいいニュースが流れたのである。

 しかも評判よかったらしいよ!

 もう世の中の求めてるものがわからないよ!

 でもさ、ああ、このまま平穏でよくね? もう戦争はこりごりだよぉッ! って思うわけよ。

 誰も傷つかないし。

 だってゾークに勝ってもいいことなにもないもん。

 新しい領土手に入れるわけじゃないし。

 仮に手に入っても外宇宙でしょ?

 しかも人がカニになる特典付き。

 うーん、いらない。

 あー、でも領土は奪還しないとダメか。

 惑星サンクチュアリはもともと無人だからいらないけどさ、それ以外は住民の皆さんを保護しないとね。

 そうじゃないと帝国の国体ってのが揺らいじゃうのね。


「てめえ帝国名乗りながら地方民見殺しかよ!」って。


 一気に支持が揺らぐ。

 だって帝都まで攻め込まれた実績あるし。

 地方領主も見捨てられたら困るもん。

 裕福で戦争強い領主と独立した方がマシまであるわけよ。

 それだけは回避しないとね。

 そんなある日、とうとう報告があった。


「ぞ、ゾークが侵攻を開始しました!」


 ま、俺たちも今度は準備万端よ。


「ゆくぞ!」


 嫁ちゃんが軍服に着替えブリッジに行く。

 俺は戦闘服を着用して殺戮の夜に搭乗しようかなと歩く。

 戦艦内モノレールのステーションで戦闘服を着たカトリ先生が待っていた。


「持っていけ」


 刀を投げ渡された。


「最新の冶金技術で作った対ゾーク用だ」


「先生」


「その……なんだ。お前は弟子の中じゃ文句なしで最強だ。死ぬなよ! 帰ってきたら俺と遊ぶんだからな!!!」


「押忍」


 俺は頭を下げてモノレールに乗る。

 こいつでゾークマザーをわからせてやるぞいっと!

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― 新着の感想 ―
あ~~。 だから毒が有ると良いのね。
先生はツンデレ♂(中年)
>ゾークマザーをわからせてやるぞいっと! マザー「やめて・・・私にひどいことするつもりでしょう・・・!     わけのわからん展開に引きずり込むつもりでしょう!!     ギャグまんがみたいに!ギャ…
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