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第百九十話

 爆発は建物を壊すためのピンポイントなものだ。

 爆風は問題ないけど上から瓦礫が降ってくる。

 盾を展開してガードする。

 づでに天井は壊したけど横の壁も壊れて粉塵が舞う。

 慌てて外に出たけど、あたりは粉塵に包まれた。

 うん、次はボタン押したら即爆破するやつにしよう。

 みんなで外に出る。

 バーニア付きで送ってくれたタチアナに感謝。

 タチアナの能力……すごいな。

 だんだんジェスターのことがわかってきた。

 俺たちはそれぞれの主観で能力を発揮するのだ。

 例えば俺は主に戦闘だ。

 おそらく戦闘から鬱展開を取り除く能力ではないかと推測される。

 範囲は俺が仲間と思ってるところまで。結構広い。

 つまり主観だ。

 アリッサはわからなかった。

 でも……仮説だけど……俺たちがギスってないのはアリッサが原因ではないだろうか?

 いやだって、仲間は俺を信じすぎてる。

 いや士官学校の連中はわかるのよ。

 同じ釜の飯を食った仲だ。

 でも大学校や院生、それに近衛隊は違う。

 俺の事なんて知らないんだから普通ならもっと異論や突き上げがあるはずだ。

 というか帝国の市民だって同じだ。

 俺を信じすぎてる。

 だってもの凄く突き放して自分を評価すると、突撃しか能のないガキだよ?

 それよりも近衛隊とか軍の偉い人とかいるじゃん。

 もっと担ぎ上げるべき神輿がさ。

 つまりだ。

 俺のやり方じゃ反乱が起こっても不思議じゃない。

 でも起きない。

 いい方に転んでる。

 俺の力かと思ってたけど、俺が戸惑ってるのだからたぶん違う。

 アリッサの影響……もしくは俺とアリッサがいることでなんらかのシナジーが生じているのではないだろうか?

 つまりアリッサは主観的に仲間や帝国が仲良くすればいいなと思ってるのかもしれない。

 そこに第三のジェスター、タチアナの出現だ。

 タチアナは殺戮の夜、そしてその技術で設計したカスタム機も呼び寄せた。

 こっちはもっと単純だ。

 友だちのワンオーワンを助けるためだ。

 ……そりゃ……ゾーク開発もしますわ。

 SLG視点なら反則すぎる。

 だって一人当たり10%の能力向上のショボ能力だとしても範囲が仲間と思ってるの全部だったら、トータル戦力は数倍どころの騒ぎじゃないもんね。

 俺たちは外に出る。

 アスファルトを削りながら着地した。

 もう粉塵と瓦礫で表面ガリガリ、傷だらけである。

 整備班に怒られるぞ~。

 しかも雪まみれで塗装にもダメージが入ってる。

 報告書書きたくねえ……。

 するとメリッサがため息をついた。


「今回はさすがにこれで終わりかな」


 はい、メリッサ、フラグ!

 そういうのやめや!

 すると地面がぐらぐら揺れた。

 そこから巨大ななにかが俺たちの前に立ち塞がった。

 ですよねー!!!

 だって基地全部取り込むレベルの敵だもん!

 外も取り込みますよね!!!

 それは山のように大きな雪の人形だった。

 これで埴輪ならまだ可愛げがある。

 でもそんなんじゃない。

 ひたすら禍々しい半分溶けた白い人間型の化け物がそびえ立っていた。

 これが真っ白な雪だるまとかならかわいいけど、泥が半分のたいへんグロい造形の化け物だった。

 なんだろうか。

 これでも拙者、UMAカワゴンにゴワス。

 謎の対抗心がわいてきた。


「ぐおおおおおおおおおおおお! 許さん! ユルサンゾ!!!」


 うわーお。

 どうしよう。

 殺戮の夜よりだいぶ大きい。

 というか嫁ちゃんの戦艦クラスの大きさだ。

 地上だとマップ兵器クラスと言えるだろう。

 化け物が拳を振り下ろしてきた。

 自重で崩壊してるというのに。

 なんという殺意だ。

 だけど俺はわかっていた。


「レオ! 行くよ!!!」


 ケビンの声がした。

 それはドローンの大軍だった。

 ドローンの大半には爆薬が。

 そしてドローンの警護用の機体にはプラズマライフルが取り付けられている。

 そうケビンは、この吹雪の中レーダーだけで性格に敵を補足していた。

 化け物にドローンが自爆攻撃を仕掛ける。


「ぐおおおおおおおおおおお! 小癪なああああああああああッ!!!」


 それだけじゃない。


「レオく~ん! 一斉射撃!!!」


 ニーナさんの自走砲と戦車の部隊が攻撃していく。

 ニーナさんもシミュレーターで成長していた。

 パラメーターとレーダーの数値だけで大量の戦車を一斉に操れるほどに。

 自走砲が火を噴いた。

 本当に容赦のない砲撃が化け物に浴びせられる。

 化け物が煙で見えなくなる。


「ゆ、ユルサン……ゾ……」


 あ、かなり効いてる。

 吹雪で煙が飛ばされた。

 その姿はもうほとんど崩れた状態だった。

 ああ、臥琉磨は失敗した。

 おそらく、いままでの女性型の中では一番強かった。

 侍従長よりも強かったはずだ。

 でも……お前はこのマップで運用するタイプのユニットじゃねえだろ!!!

 せめて雪じゃなくて溶岩を取り込まれたら危なかったかもしれない。

 俺だったら宇宙空間で惑星級要塞取り込んで戦うね!

 ただ宇宙だったら殺戮の夜もデスブラスターでゴリ押しできた。

 ニーナさんも戦闘機複数台で運用するだろうし、ケビンはもっとえげつないドローンを使えた。

 同じ結果か……。

 臥琉磨は俺たちに敵対した時点で詰んでいたのである。

 冷静に考えると臥琉磨も哀れなやつだ。

 たしかに佐藤は、ある日いきなり逆賊扱いだ。

 別に不正と反乱さえなければ追い出す気なかったんだけど。

 それは結果論だろうか。

 さーて、シメと行きますかね。


「俺がこの惑星の領主レオ・カミシロだああああああああああッ!」


 俺は胸からデスブラスターを放った。

 レンはスナイパーで、メリッサはかざした手から、クレアは肩の砲台から放つ。

 圧倒的な攻撃力は地面をえぐり、吹雪を止めた。

 星空の下、風穴の空いた臥琉磨が崩れていった。

 臥琉磨は情報も与えられず勘違いしたまま滅んだ。

 ゾークはいちいち気分の悪いことをしやがる。

 前はゾークの極悪非道っぷりは人間を実験動物程度の存在と思っているからだと推測していた。

 でも違うかもしれない。

 帝国に対してとてつもない悪意を持っているのかもしれない。

 ……なお……どうでもいいことだが。

 さきほどからお手々が痛い。

 グローブの上からでもわかるくらいにパンパンに腫れてる。

 馬乗りでぶん殴ったときか?

 折れたかも……。

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― 新着の感想 ―
この吹雪の中レーダーだけで性格に敵を補足していた。 性格は、正直者です。
方言はわからん。 づでに天井は壊したけど
ジェスター、相変わらずのトンデモ能力が判明された模様(苦笑) そら敵対される事が前提ならあの一番に抹殺するわな… そして最後まで真面目になり切れないところもジェスターらしいw まぁ今回は重体じゃなく…
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