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第百三十二話

 逆狼少年状態で旧橋本庭園に連行される。

 俺たちでピクニックなはずもなく。

 装車車5台に戦車2台。

 戦闘用のヘリが2機。

 戦車に随行する歩兵100名。

 さらに人型戦闘機5台。

 ドローンの数百台。

 ゴリゴリの戦闘仕様だ。

 そこに警察やら公安もついてくる。

 完全にタマ取りに行ってる状態で乗り込んだわけである。

 もちろん我がヘルハウンド隊(笑)は全員参加。

 そんなんやったらメディアに隠し通せるわけもなく。

 マスコミを引き連れて庭園に乗り込む。

 俺はジェスター専用機に搭乗した。

 すれ違いが多かったメリッサもカスタム機に乗っている。

 今回は複座にクレアもいた。


「メリッサ、疲れてない?」


「平気だよ~。むしろ宇宙港での無為な時間が一番つらかった。ルナの葬式もみんなと同じバスに乗れなかったし……」


 結局、供養の後もメリッサは宇宙港にとんぼ返りして入港手続きをしていた。

 その代わり、今回の作戦ではメリッサの実家の師範たちも作戦に参加してる。

 で、俺のプライベート回線には先ほどからインタビューの申し出がひたすら入ってる。

 だからね!

 軍人が個人の判断で作戦内容リークできるわけねえだろ!

 軍人がリークするときは上司の上司くらいまでが共犯のときだからね!

 嫁ちゃんは空中要塞と呼ばれてる飛行型の空母に搭乗。

 数百年前に流行ったあだ花兵器だ。

 デカすぎて空を飛ぶ的なんて言われてる。

 デカい、遅い、燃費が悪いの三重苦兵器だ。

 その代わりクソ頑丈なんだけどさ。

 あんな骨董品どこから持ってきたの!?

 庭園に到着する。


「中では超能力者団体のイベントが行われてるそうです」


 妖精さんが説明してくれる。

 超能力者団体は俺の活躍でいきなり結成された胡散臭い団体だ。

 自分の人生が失敗した原因を超能力者だってことにしたい連中が構成員だ。

 当然、超能力者なんてほとんどおらず自称超能力者だらけだ。

 だって歴史上、超能力者で弾圧されたのって妖精さんレベルの超高位超能力者くらいだもん。

 ジェスターですら勝手に絶滅すると思われてたから増えるまで忘れられてたわけでさ。

 そりゃ火力の高い攻撃系は危険性がある。

 でもそこまで強くなるには軍で訓練しなけりゃ無理だ。

 高位能力者になったころには役職がついてしがらみだらけになる。

 なので発火能力者やら念動力者なんかは軍では優遇。

 月2万クレジットくらいの手当がつく。

 肉体強化だと4万クレジットくらいかな?

 工事現場や運送業だとかなり稼げるって言われてる。

 だいたい大型人型重機の免許くらいの価値だ。

 ジェスターは現在価値が上がって毎月3万クレジットの手当をもらってる。

 それ以外は宴会芸レベル。

【声でグラスを割れる】とか【名刺で割り箸折れる】とかくらいの価値だ。

 妖精さんの【魂的なものを情報に変換できる】くらいになるとレアすぎて算定不可能。

 何に使うのって言われると研究所の実験に協力するくらいしか思いつかない。

 だってプログラマーに必ず必要な能力じゃないし。

 俺の賢者は現在生きてる該当者が俺しかいないのでわからない。

 超能力者は世間に影響ある能力なら若いころに首輪がつくし、それ以外はスルーだ。

 一応は超能力者判定テストを受ける義務があるけど、受けたはずの俺がスルーされてるくらいガバガバだ。

 自分が超能力者だと気づかない人間が大半じゃないかな。

 実際の数値わからないけど。

 俺だってゾークと戦って生き残らなきゃジェスターだって気づかんかった。

 なので【超能力者団体なんてあるかボケカス!】と俺は言いたい。

 ドローンを飛ばして中を確認、壇上にアレクシアがいた。


「超能力者に救いを!!!」


 シュプレヒコールをあげている。


「超能力者に救いを!!!」


 思春期こじらせた俺たちの年代が半分。

 士官学校来い。

 給料もらって超能力試せるぞ。


「聖女ルナは皇帝派の陰謀で抹殺されました! 帝国の歴史は超能力者の血で舗装されているのです! 橋本公爵家も超能力者を解放しようとしたから取り潰しの憂き目にあいました!」


 嘘100%である。

 あー、もう!


「超能力者よ! 銃を取れ! 今こそ解放のときである!!! 皇族に死を!!!」


「殺せ! 殺せ! 殺せ!!!」


 暴徒と化した聴衆が銃を取った。


「大尉、突入します!」


 警察から通信が入る。

 ですよねー!!!


「了解! 行くぞ!」


 俺たちも突入。


「クレア! 外部スピーカーの音量最大にして!」


「了解!」


 俺は最大にしたスピーカーでがなり立てる。


「うるせえぞボケども!!!」


 きいいいいいいいいんと耳障りなノイズが響く。

 音も割れている。

 だが迫力はあった。


「なーにが! 【超能力者は弾圧されてました】じゃい! 橋本が超能力者を救う? はぁ? あのアホが考えてたのは自分の利益だけだよ!!! 橋本が処刑されたのは人類を裏切ったからだっての!!!」


「レオ・カミシロが来たぞ! 迫撃砲用意!」


「死ね!!!」


 いきなり撃ってきた。

 迫撃砲を浴びるが傷一つつかない。

 効くかボケ!!!

 このジェスター専用機はな!

 装甲が異様に厚いんだよ!!!

 俺が何度も死にかけるたびに厚くなるのさ!!!


「いま超能力者をちゃんと評価してるのはな! 軍だけなんだよ!!!」


 アレクシアが集会会場の奥にある初代橋本像に走って行くのが見えた。


「ふはははは! レオ・カミシロよ! 今日が最後の日だ!」


「アレクシアあああああああああッ!!!」


「は、ははははは! よくぞ見破った! この我が佐藤家当主その人だとな!!!」


「え?」


 どういう意味?


「そう我こそ佐藤家当主! 佐藤公爵だ!!! 橋本家の分家として後塵を拝してきた我らの恨みを思い知れ!!!」


 え? ケビンと同じく女体化しちゃったの?

 おっさんが!?

 ウォルターへの無限に続くダメージじゃねえか?

 あいつのメンタルが心配になってきたぞ!

 がちゃんっと音がした。

 橋本像とアレクシアが地下に沈んでいく。

 エレベーターか!!!

 公園のスピーカーからアレクシアの声がした。


「橋本公爵の血を引く我ならゾークでありながらリニアブレイザーを操つることができる。我こそが新時代の神になるのだ!!!」


「超能力者の救済はどうしたよ!?」


「愚か者が! やつらは人型ゾークだ! さあ変身するのだ!!!」


 集会に集まった男女が次々とゾークに変身していく。

 半分が女性型に。

 もう半分が異形の怪物に変わっていく。

 地獄のはじまりかよ!

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― 新着の感想 ―
ぎょええええええ(既定路線
男女の半数が女性型ゾーク、半数が化け物……男はともかく女が女性型になれるんだろうか? ……ゾークの適当さ加減から出来ても不思議と思えない程度には別の意味で信頼があるからなぁ…(; ̄ゝ ̄)
ほらー…変なこと言うから当たっちゃったじゃん… 口は災いの元とはよく言ったなって
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