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第97話 おっさん、甥を懲らしめる

 人気ブロガーからメールを貰った。

 エリクサーでも治らない病人がいると。


 俺はその病室にお邪魔することにした。


「こんにちは」


 その病人の男性は立って俺を迎えてくれた。


「邪魔するよ」

「病気でないように見えるでしょ。五年前からめまいが止まらないんです」

「五年前って言うと、ダンジョンが出来た年だな」

「ダンジョン症候群と呼ばれています。魔力がなくなると気絶するのが有名です」

「ああ、そんな病気の話を前に聞いたな」


 ダンジョンが出来た時に発症したということは魔力が関係しているって事か。


「どうです。何かわかります」

「ちょっと待って、今準備する」


 俺は体内の魔力を見るための魔力回路を構築にかかった。

 魔力を感知する魔法回路は基本だから、すぐに出来上がった。


「この魔力回路の上に寝てくれ」


 男性が魔力回路の上に横たわる。

 空中に光として魔力の流れが映し出された。

 むっ、魔力回路が体内に出来ているぞ。

 これが悪さをしているのか。


 ふむふむ。

 魔力自身で魔力回路を構築するのか。

 色で魔力の性質を現すように改造してと。

 なるほどね、こんな構造になっているのか。


 念のため男性の家族にも魔力回路を使ってもらい、体内に魔力回路が無いことを確認した。

 あとは悪さをしている魔力回路を消せばいいだけか。


 魔力回路を消すのもそんなには手間取らなかった。


「ありがとう。めまいが綺麗さっぱり消えました」

「良かったな。似たような症状の人がいたら教えてくれ」

「ええ」


  ◆◆◆


 製薬会社の作った魔力回路を持ち込んで病人の治療を任せた。

 医者じゃないので俺が治療すると問題だからな。

 そうだ、俺の魔力って高いよな。

 魔力回路に横たわったら爆発するんじゃなかろうか。

 安全の為にテストしないと。

 魔力壁があるから、爆発しても問題ないはずだ。


 俺が横たわると映し出される体内の魔力。

 皮膚に魔力が集中しているのは魔力壁のせいだろう。

 見づらいが、体内に魔力回路がある。

 俺もダンジョン症候群だったのか。

 自覚症状はないが、消しておくか。


「ちょっとぉ、呪いを消さないでくれる」

「えっ、これが呪い」

「そうよ、呪いという名の精神魔法」


 やったぜ。

 呪いの掛け方が分かった。

 これ凄い事じゃないだろうか。


 悪用はともかく。

 スキルの代用になるんじゃ。

 ただな、パッシブスキルの代用なんだよな。

 常時発動してしまう。

 ベンケイに施そうと思ったが、攻撃魔法を常に放っているなんて危なくてしょうがない。

 とりあえずは光らそう。

 へッドライト代わりだ。


 ベンケイは気になったのか、光を追いかけ始めた。

 追いかけども追いかけども縮まらない距離。

 ベンケイは疲れて、これはこういう物だと認識したようだ。


 ベンケイを連れて会社に出社する。


「社長、おはようございます」

「おう、おはよう。もう昼だがな」


「あれ、ベンケイちゃんの頭の先に光球が浮かんでませんか。やだ、幽霊。そんな馬鹿な。さては社長、新商品ですね」

「そうだな、まだ売り出す予定はないが」

「これ、色とか形とか変えられませんか」

「変えられるな」

「ならタトゥーみたいに流行るかもしれませんね」


 そうだよ。

 スキルとして使えなくても、飾りなら。

 体内に魔力回路を作るのは簡単にできる。

 削除も同様だ。

 魔力タトゥーとして売り出そう。

 みんながこぞってやれば、魔力消費が上がること間違いなしだ。


「でかしたぞ。ボーナス弾むから期待しててくれ」


 魔力タトゥーをプリントする魔力回路を量産した。

 デザインは有名デザイナーに頼んでやって貰ったから、話題性も抜群だ。

 モンスターを退治するアイドル番組の出演者にも魔力タトゥーをやってもらった。


 手軽さもあって瞬く間に魔力タトゥーは浸透していく。

 値段も無名のデザイナーのなら、数百円に設定した。

 これで儲けるつもりはない。

 流行らせる事に意味がある。

 それにある機能を盛り込んだ。

 きっと、やつら驚くぞ。

 俺は魔力ビーコンを辿ってある街に着いた。


「叔父さんはサイボーグかアンドロイドじゃないかと思うんだけど、どう思う」

「言えてる」

「ついに見つけたぞ」


「叔父さん、なんでここが」

「魔力タトゥーだよ。あれにトラにだけ反応する回路を仕込んでおいた。お前達、目立ちたがり屋だから、やると思っていた」

転移(テレポート)。なぜ発動しない」

「そんなの決まっているだろ。スキルが使えないようになる回路も仕込んだ」


「くそう、万事休すか」

「大人しく寝とけ」


 俺はトイレのすっぽんで寝かしつけてやった。

 警察を呼ぶ前にっと。

 追加で沢山の魔力回路を体内に仕込んでやるぜ。

 製薬会社に渡した魔力回路でも解除できない仕組みだから思い知るが良い。

 精神魔法てんこ盛りだ。


Side:虎時(とらとき)


 気がついたら僕は拘置所の中だった。

 ふと、部屋に隅を見ると、もてあそんで身も心もボロボロにして捨てた女の恨めしそうな顔が見えた。

 辺りが真っ暗になる。

 女は血の涙を流しにじり寄ってくる。


「ひぃ、くるな。くるな。僕が悪かった。謝るから、消えてくれ」


 おびただしい数の亡者が僕を引き込もうと手を伸ばしてくる。

 誰か助けて。


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