おまけ おっさん、製塩をする
今回のお題は塩づくりか。
砂に海水を撒いて、乾燥させて集める。
そして、海水を集めた砂に入れて、カン水を採る。
それを煮詰めてニガリと分ければ完成だ。
簡単だが、手間が掛かる。
製塩の魔道具なら作れる。
イオン交換膜と電気を魔力で代用。
でも魔力が必要だから、大量には作れない。
とりあえず、ダンジョンでは桶と製塩魔道具と木材と大鍋を出した。
ろ過用に竹炭と黒炭も付け加える。
製塩魔道具はボスのドロップ品だ。
だが誰も塩を作らない。
「助手、来いアルマ、エリナ、モニカ」
「はいな」
「来たわよ」
「闇よりの使者参上」
いきさつを説明した。
「ライバルは岩塩なのね」
「まあな。でもその岩塩には毒が含まれている」
「毒だと叫んでも無理そうね」
「闇は少しずつ浸透する」
「とりあえず毒の実験やな」
岩塩の毒性を証明か。
毒に弱いなら小魚かな。
それと海の塩と比べる。
住人を集めて実験をしてやった。
小魚が死んでいくのを見て住人は青くなった。
海塩の生産が始まった。
煮詰めるのは十数時間と掛かる。
かなりめんどくさい。
魔道具の方は好評だが、ボスのドロップ品だから、挑む人は少ない。
塩田の作業も大変なのに、煮詰めるのも大変。
昔は塩は高かったものな。
木材をダンジョンでドロップさせているだけましか。
乾燥の魔道具をドロップ品に付け加えた。
これで少しは楽になるはずだ。
ニガリが問題なんだよな。
抽出の魔道具でも塩は作れる。
でもイオン交換膜方式の方が効率が良い。
まあ、いいか。
雇用を新たに生み出したような物だから。
抽出の魔道具はドロップ品に付け加えることにしたいんだが。
毒を抜けば岩塩も何かに使える。
ただ毒が特定されてない。
俺が調べても良いけど、元素とかの知識を説明しないといけなくなる。
それはちょっと不味い。
抽出の魔道具案はボツかな。
現地の人は逞しくて、海水を乾燥スキルで乾燥させて塩を作り始めた。
ニガリが除外されてないから、苦くて辛い塩だ。
だが別に構わないらしい。
大量に摂取しなければ、ニガリ入りでも健康に問題はないよね。
そこまで面倒は見れない。
ちなみに塩田でも塩作りは不味い塩しかできてない。
日本でも職人が何年も掛けて会得する技術だからな。
でも毒よりましだろう。
塩そのものをドロップ品として付け加えることはしない。
文化が進んでほしいからだ。
塩そのものをドロップしたら創意工夫がない。
そんなのつまらない。
どうせなら藻塩も教えるか。
家庭で藻塩を作り始めた。
藻塩は独特の風味があって好きな人は好きらしい。
家庭で作る時に簡単にできるように、コーヒードリッパーとコーヒーフィルターもドロップ品に付け加えた。
これがあればろ過が容易い。
毒の岩塩の坑道はダンジョン化させてもらった。
もう岩塩は採掘できない。
だが、各家庭で塩を作れるようになったので問題ない。
岩塩坑道ダンジョンでは、主に木材をドロップさせた。
塩作りにはとにかく燃料が必要だから。
それと、ボスのドロップ品で日本の塩をドロップさせた。
これはハズレだが、この塩を食べて目標にしてほしいとの思いからドロップ品とした。
料理人でもなければ味の違いなんて分からないかも知れないが、美味い塩は美味いのだ。
素人でも舐め比べれば分かる。
この塩田の地域が塩の一大生産地になることを願う。
今は不味いけど10年も経てば、美味い塩になるだろう。
この世界の毒の岩塩は同様にして全て潰した。
塩田が作れない場所は、ダンジョンのドロップ品をやむなく塩とした。
ただ量は少ない。
一日頑張っても100グラムが良い所だ。
生産地から頑張って買ってくれと思う。
経済の流れを変えてしまった感じだが、仕方ない。
毒の岩塩で文明が滅びると予測されたのだからな。
多少の弊害には目をつぶってほしいものだ。
今回の仕事も及第点かな。
もっと上手くやれたのかも知れないが、俺にはこんなものだ。




