おまけ おっさん、水源争いを止める
たかがいち地方の水源争いが世界大戦に発展する。
そんな未来が見えるから、阻止しろとのお題だ。
川は細くなり、水源としてはかなり弱い。
井戸を掘るのは大変だ。
それに掘れば必ず水が出るとも言えない。
現代製品が使えればまだ楽だが。
その代わり異世界には魔法がある。
掘削は魔法でなんとかなるから、塩ビのパイプさえあれば良いのか。
だが、塩ビのパイプは細い。
電動ポンプでもないと汲み上げられないな。
ポンプは魔道具でなんとかするか。
うん、何とかなりそう。
だが争いの機運が高まっているのを鎮めないとけない。
川を挟んでいがみ合っているので、川の上流にダンジョンを設置した。
ダンジョンからピラニアのモンスターを放出するようにした。
川に足を踏み込めば死ぬ。
これで良いな。
「助手、来いアルマ、エリナ、モニカ」
「はいな」
「来たわよ」
「黒き流れに乗って参上」
今までことを話した。
「井戸を掘るように仕向けたいちゅうわけやね」
「井戸掘りは大変よね」
「苦行は美しくない」
魔法でも井戸掘りは大変だ。
「ひとの原動力はいつも金や。掘ったら金が出るみたいなのがええのとちゃう」
「それなら誰もやるわよね」
「欲望の解放は正しい」
「何かご褒美だな」
さてどうする。
地下にお宝を埋めるのはめんどくさい。
地下水脈にモンスターを流すか。
メタルスライムみたいな奴。
とりあえず、ダンジョンを作った。
ドロップ品は塩ビのパイプとジョイント。
噂を流した。
井戸を掘ると金のスライムが這い出て来ると。
俺はサクラの井戸を掘った。
仕込んである金のスライムが這い出てくる。
金のスライムを焼くと砂金が残った。
「おお、定期的にこんなのが湧くのなら井戸を掘るしかないな」
住人の井戸掘りゴールドラッシュが始まった。
ほとんど出るのは水だが。
だが水でも利益にはなる。
ごくたまにだが金のスライムも出た。
さらに拍車が掛かる。
ダンジョンで塩ビのパイプと魔道具のポンプを仕入れて、みんな井戸を掘る。
金のスライムの発生地点は地下にあるダンジョンだ。
ここまで掘削する剛の者はいないようだ。
場所も岩盤の下だから、現代ぐらい文明が発展しないと辿り着けないと思う。
ゴールドラッシュで戦いの機運が吹き飛んだ。
成功だな。
ただ、ピラニアモンスターが悪さをするようになった。
犠牲者が多数。
もうほとんど用済みなんだがな。
食用に漁をさせるか。
ピラニアモンスターは普通の網では食い千切る。
鉄の網が必要だな。
ダンジョンで鉄の網をドロップするようにした。
「ピラニアモンスターは美味いな。井戸掘りも良いが、漁も良い」
住人がそんなことを言ってた。
野生の動物や、モンスターをたらふく食って油の乗ったピラニアモンスターは確かに美味い。
俺も食って驚いた。
鉄のブーツを履いて漁をする奴が出た。
川の中に入るのは反則だ。
川を渡ってまた戦争になったら困る。
電気ウナギのモンスターを流した。
これなら鉄のブーツでも駄目だろう。
電気ウナギのモンスターはピラニアのモンスターを食うから生態系ができつつある。
電気ウナギのモンスターの数は少ないが、川は不可侵となった。
水を汲むぐらいは問題ないのでこれで良い。
鉄の網は駄目だが、葦とかで作った罠でピラニアと電気ウナギのモンスターを捕まえたりしている。
食い破られるので効率は悪いが、とりあえず人間はなんとかするものだ。
したたかに生きている。
電気ウナギもそれなりに美味い。
数が増えすぎなければ問題ない。
少数の犠牲者は出るがそれは仕方ない。
神なんてそんなものだ。
まして管理者は神ではない。
使いっぱしりだ。
この世に完璧などという物は存在しない。
永遠もな。
終わりはいつかはくる。
その時間をしたたかに人間は生きる。
ドロップ品の鉄の網を鋳つぶして農具とか武器とか作ったりもしてたが、それぐらいはまあ良いだろう。
永久には戦いの阻止は無理だ。
問題が起こったらまた来よう。




