おまけ おっさん、スライムを駆除する
管理者になっての次の仕事は、スライムを駆除すること。
転移した世界のスライムは火に強くて、金属も溶かしてしまう。
好んで金属を食うことはないが、とにかく物理にも強い。
好んで食べるのは、動物、モンスター、人間、植物、生き物全般だな。
何でこんなに強い存在を作ったんだよ。
弱点は他の管理者から聞いている。
凍らせると死ぬらしい。
それもマイナス50度ほどにならないと凍らないらしい。
だから、この世界の魔法使いもお手上げ。
「魔力通販、ドライアイス」
ドライアイスでスライムを冷やした。
凍り付くスライム。
溶けてもピクリとも動かない。
死んだようだ。
動きはそれほど速くないから、まあ楽勝だな。
ただ、ちまちま倒していたらめんどくさい。
俺が何年もその作業をするのは嫌だ。
ダンジョンを作るべきだが、モンスターのドロップアイテムにドライアイスは上手くない。
回収が遅れると密閉空間で、二酸化炭素が充満するからな。
葬儀なんかで遺体を覗き込んで倒れたなんて記事も読んだことがある。
仕方ない。
ドライアイスが詰まっている収納バッグをドロップ品としよう。
問題は原住民にドライアイスをどう説明するかだ。
危険な氷では馬鹿にする奴が必ず出る。
「このダンジョンのドロップ品にポーチが出るが、その中に冥界の氷が詰まっている。これを使えばスライムを倒せる」
「そんな便利な物が出るのか。敵がスライムじゃなきゃ倒せるよ」
1階層の敵はゴブリンとかを設定した。
まあ、ネタバレは面白くないので言うまい。
「冥界の氷だが素手で触ると火傷する。手袋もドロップするから使うと良い。そして冥界の氷の特徴は溶けると水にならない、冥界の魂になるんだ。これが凶悪でな。狭い空間で溶かすと、人の命を奪ってしまう。屋外でも大量に使う時は注意しろ」
「あんた、なんでそんなことを知っているんだ」
「神様からお告げがあったんだよ。冥界の氷は使いたくなかったが、やむを得ないとも言っていた」
原住民は恐る恐るドライアイスに触り。
軽い火傷をした。
経験しない分からないからだ。
スライムの駆除は進んだ。
あとは温暖化が問題だ。
かなり将来的なことだが。
植林を勧めたい。
これにも何か考えないとな。
「冥界の氷が溶けると邪気が溜まる。これを浄化できるのは植物だけだ。木を植えるんだ。スライムを駆除した地域からやると良い」
「分かった。みんなにも伝えよう」
だが、植林は進まない。
目を離すとスライムが食っちまうというのもあるが、動物とかも飢えている。
そういうのが食ってしまうのだ。
なので茨が生えている植物を探した。
これなら、動物によっては嫌がる。
それと木に肉食モンスターのおしっこを掛けた。
死んだスライムの利用法も考えないといけない。
皮は別に良いんだが、体液は強酸だ。
魔力が作用しているので王水の何倍も強力だ。
スライムの皮で小袋を作り、そこに体液を入れた。
かなり危険な兵器だ。
ダンジョンで使っているらしい。
第1階層は簡単すぎたか。
ちょっと設定を弄るか。
第2階層はオークにしたが、難なく突破された。
第3階層のオーガもスライムの体液で溶かされた。
仕方ない第4階層からはスライムにしよう。
予測してたが、ドライアイスの使い過ぎで酸欠になる奴が多数出た。
まあ経験しないと分からないからな。
狭い所で使うなという注意があったので、原因が分かって、スライムの階層に踏み込む者はいなくなった。
オークが大人気だ。
肉が美味いからだ。
オーガの皮は武具になるのでこれまた人気。
ダンジョンが盛況でなによりだ。
植林は進んでない。
とりあえず、原住民に雑草の種を蒔かせた。
草食動物は木より雑草が好みのようで、食害は収まったが、スライムの食害が酷い。
ドライアイス以外にもスライムに対抗する手段があればいいのに。
原住民が意外な発見をした。
木の幹に泥を塗るとスライムが食べない。
たしかに泥は食ってなかったからな。
でも武器とかに塗っても効果はない。
あくまで好みでないというだけで、攻撃とかだと容赦なく溶かす。
まあ、とりあえず木が食われなきゃ良い。
かなり手間は掛ったがこの世界の問題がひとつ解決した。




