おまけ おっさん、森林を切り開く
管理者になっての次の仕事は、森林を切り開くこと。
住民は狩猟民族のようだ。
弓矢はある。
矢尻は鉄だ。
斧の類もある。
ノコギリは流石にないな。
「助手、来いアルマ、エリナ、モニカ」
「はいな」
「お呼びですか」
「闇よりの使徒、華麗に参上」
「木を倒して開拓して文明を作れとさ」
魔力通販でノコギリを買った。
チェーンソーは燃料が供給できないのでパスだ。
メンテも必要だ。
ギコギコやり始めた。
住民が寄って来る。
「近くにいると木が倒れて危ないぞ。木の倒れる方向は枝が茂っている方向だ」
「それは占いじゃないのか」
「どっちの方向に茂っているかは丸わかりだろ。そして倒れる方向に切れ目を入れておく」
「呪いではなくてか」
「ああ、儀式と思って貰っても構わないが」
ジャラジャラと装身具を着けた少女がやってきた。
「我は呪い師。秘術を教えてくれるそうだな」
「ああ、よく聞けよ。最初にご安全をと言うんだ。そしては枝葉が茂っている方向に切れ込みを入れる。でもってこのノコギリでギコギコやるだけだ。メキメキという音がしたら、切れ込みと反対方向に逃げる」
「不思議だ。この木倒しの呪術は代々伝えよう。しかし、こんな沢山の薪は要らない」
これのどこが不思議なんだ。
薪しか、木を使ってないのか。
住居は?
「どこに住んでいるんだ?」
「穴を掘って暮らしている」
木の住居は作らないのか?
ああ、モンスターがいるからだな。
へたな木の住居では防衛はできない。
穴なら地形を利用して防衛できるってところなのだろうな、
切り倒した木の活用方法ね。
トーテムポールみたいな物を建てさせるか。
一族の縄張りを誇示するような。
でもそれだけじゃ文明とは言わないな。
木の板を作られせて、文字を刻んだりさせるか。
だが、日本語は難し過ぎる。
ローマ字でもかなり難しいだろうな。
4人で会議だ。
「ほな、文字を作れちゅうわけですか」
「パス」
「暗黒文字推奨」
「暗黒文字どんなだ?」
「こんな」
地面に描かれたのは絵文字。
髑髏とかおどろおどろしいのばかりだが、絵は良いかもな。
呪い師と相談して文字を決める。
「黒い闇、とろとろと、溢れ出て、口伝となる」
モニカがさっそく板に文章を彫り込む。
板は良いとして、便利道具のひとつも作るか。
何が良いだろう。
石を色々と使っている。
食器は粘土を焼いた物だ。
意外に足りているな。
まあ、生活しているのだからそうだよな。
椅子かな、それと寝台。
鉄はあるから釘は作れる。
大工道具がほとんどないので不格好な椅子と寝台ができ上がった。
族長が嬉しそうだ。
椅子と寝台が、権力の象徴になるのかな。
まあ頑張れ。
そのうち棚とかタンスとか作れるようになるだろう。
そうなったら家具とか色々と作れるようになるはずだ。
「来訪の呪い師に感謝を申し上げる。秘術を授けてくれてありがとう」
「族長どの、血が濃くならないように、他所の部族から嫁をとることを勧める」
「分かった。新しい血を入れるのだな」
「それが繁栄の秘訣だ」
近親結婚は弊害しかもたらさないからな。
呪い師が、それを聞いて板に文字を刻む。
うん、文明の種としてはこれで良い。
ダンジョンを作った。
モンスターを倒すと大工道具を落とす。
一族の成人の儀式としてダンジョンアタックをやるそうだ。
おい、大丈夫か。
まあ、第1階層はゴブリンだから、野人みたいな住民が負けたりしないか。
狩猟民族だものな。
戦闘力は高い。
レアアイテムとしてポーションも落とすようにしておいた。
これでポーションを再現しようという動きが生まれたら幸いだ。
よし、いい仕事ができた。




