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第149話 おっさん、パーキングエリアで立ち回り



 ふお、走りながらの給油はスリル満点だ。

 転移がずれると大惨事だ。

 たぶん後続の車がスピンして炎上するのだろう。

 まあ、テストは何回かしたから、大丈夫だと思いたい。


「もしもし、八咫(やた)老人らの車とどれぐらい離れている」

「そうですね。1キロ強って所です」

「案外、ゆっくりと走っているな」

「事故が怖いのでしょう」


 そうだよな。

 猛スピードで走れば事故の危険は高まる。

 俺は魔力壁があるから、事故っても死にはしないが、向こうはそうじゃない。


 そろそろ見えてくる頃か。

 あれだな。

 黒塗りの高級車が四台連なって走っている。


 さてどうする。

 前に出て急停止すると事故になる事、請け合いだ。

 後続の車も巻き込んで罪がない人も大変な事になる。

 それは避けたい。


 あおり運転も却下だな。

 大人しく停まるとも思えないし、事故る可能性もある。

 こういう時の為に実は備えている物がある。

 ビーコンを出す魔力回路だ。

 電波ではないのでばれにくい。


 俺は高級車の隣にぴったりと車をつけ、魔力回路を取り付けようと窓を開けて手を伸ばした。

 相手の車に乗っている奴らがぎょっとした表情を見せる。

 そして、高級車の窓が開き拳銃を撃ってきた。

 俺の車の窓ガラスが割れる。


 撃つかよ。

 全く常識の通じない奴らだ。

 俺のダンジョンレコーダーは作動しているから、罪の証拠がまた一つできた。

 それを喜んでばかりはいられない。

 敵の車はスピードを上げ始めた。

 俺は先頭の車に向かって魔力回路を投げた。

 上手くついたはずだ。

 ビーコンを確認しようとしたら、先頭を除く3台が俺の車と並走しはじめた。

 窓を開けて拳銃を撃ってくるつもりだな。


 俺はエンジンブレーキをかけた。

 目的は達した。

 どこへ行っても魔力回路が教えてくれるはずだ。


 だが、3台はしつこく俺の車につきまとう。

 俺はパーキングエリアに入って停車した。


 3台の車は拳銃を持った男達を降ろし、車は俺をはねようと猛スピードで突っ込んできた。


「馬鹿だな。分解(ディサセムブル)


 俺をはねようとした車が分解して塵になる。

 乗っていた運転手は空中に投げ出され、アスファルトの上を転がって行く。

 100キロ満たないスピードではこんなもんだ。


 拳銃を持った男達が近寄ってきたので、トイレのすっぽんで叩きのめす。

 とうぜん何発か食らったが、魔力壁のおかげで平気だ。


 すぐにパトカーが到着する。


「もしもし、パトカーが到着したがこいつらは信用できるのか」

「ナンバーの映像を送って下さい」


 俺は言われた通りメールで送信した。


「確認が取れました。大丈夫です」

「ふう、後は親玉だけだな」


 俺はビーコンの位置と地図を見て行先を推測する。

 車は人里はなれた場所に向かっている。

 ここには何があったっけ。


 地図に印を付けて映像のメールを送ると、返答があった。

 魔力発電所がある場所らしい。


 野郎、ここに立てこもるつもりだな。

 確かに発電所はテロに備えて警備はしっかりしている。

 だが、分解スキルは無敵だ。

 コンクリートの壁や鋼鉄の扉なんか目じゃない。


 俺は車を発電所に向かって走らせた。

 風が潮の香りを運んでくる。

 発電所は海沿いだから、あと少しだ。


 そう思ったら、発電所に向かう道がバリケードで封鎖されていた。

 こんなのわけない。

 車を降り分解スキルで突破して、再び車を走らせる。

 敵もいよいよ打つ手が無くなったとみえる。


 発電所に着くと門が閉められその向こうには銃を持った男達が待ち構えていた。


 芸のない奴らだ。

 冒険者とかスキルを持った危ない奴らがいるだろう。

 そういう奴らを使わないのか。

 ああ、考えが古いのだな。

 暴力と言えば近代兵器という頭しかないのだろう。


 まあいい。

 楽が出来る。


 俺は男達をトイレのすっぽんで叩きのめし、発電所の中に歩を進めた。

 発電所の中はタービンが作動している音の他は何も聞こえない。

 俺は廊下に日本刀を持ってポツンと立つ人を見た。

 懐かしい顔だ。

 兄貴、生きていたんだな。

 確かに最後はモンスターに喉笛を食いちぎられた所しか見てない。

 エリクサーでも飲んで助かったのだろう。


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