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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十六章 汚いし姑息、あと臭い、そしてそれだけじゃない
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92 残党の始末と不穏な動き

「おう勇者殿、ギルドの方で盗品の売却依頼があったそうだぞ、すぐに確認して欲しいそうだ」


「お、早速出て来やがったか、何が売られたんだ?」


「それが大量の書籍と鞭だそうな、ギルドを通して委託販売ということになっているのだが、ちらっと見たところ明らかにルビア殿の所有物であったな」


魔将補佐おばさんを倒し、王都にある幽霊ホテルに移り住んだ翌日の昼、早くも屋敷から奪われた品に関する情報を持ったゴンザレスがやって来た。



「ありがとう、すぐにルビアを起こして一緒に行くよ、それと、カジノの方はどんな感じだ?」


「異変に気が付いてきた魔族も居るようだが、まだ王都に入ってくる奴は毎回馬鹿面下げてのんびりしているな、全く張り合いが無いのだよ」


「そうか、殲滅までしばらくかかると思うが頑張ってくれ」



城門の警戒に戻るゴンザレスを見送り、ルビアと2人でギルドへと向かう。

盗まれた馬車の所在は確認できているものの、まだ証拠調べのために憲兵団に預けたままだ。

少し遠いが徒歩で行くしかないのである……


「しかしこんなに早く売りに出そうなんて、しかも正規ルートを使うとは、すこぶる無能な窃盗犯だな」


「きっと急いで売りたい事情があったんですよ、私はコレクションが戻ってくるならそんなことどうでも良いですがね」


「そうだろうな、じゃあ急いでいくぞ」


ルビアの手を取って小走りで道を行く。

まだ王都内は静かなものだ、あまり普通にしていると敵の残党に感付かれてしまうからな。


そしてそうなるとカジノ前で人質にされている連中の身が危ない。

できるだけ慎重に、フラフラと入ってくる魔族を各個撃破していくべきなのである。


まぁ、そろそろ食糧が無くなるだろうし、ここで一気に攻め込んできてもおかしくはないとは思う。

だがその場合であっても筋肉団が戦うのだ、人質を守りながら下級や中級の魔族を殲滅することも可能だし、最悪俺達も加勢すれば楽勝だ。




「ちわー、勇者でーす!」


「あ、いらっしゃいましたね異世界勇者さん、早速ルビアさんの私物を渡します、こちらへどうぞ」


「おや? どうして現物を見せもしないでルビアの私物とわかるので?」


「犯人はこれを一緒に持ち込んだんですよ、今はギルドの牢屋に閉じ込めてありますが、後で憲兵が家宅捜索しますからね、もうひとつのも見つかると思いますよ」


そう言ってギルドの巨乳受付嬢が見せてくれたのは、なんとルビアの所有権を証明する文書であった。

つまりその窃盗犯はルビアごとそのコレクションを売却しようと考えていたのである。


そして同時に、そいつの自宅にはカレンの所有権を証明するものもある可能性が高いということだ。



「ご主人様、コレ全部私のもので間違いありません、お母さんが作った一品物も含まれています」


「そうか、なら良かった、で、帰る前にその犯人のご尊顔を拝見しておきたいのだが?」



「ああ、でしたら今から見ていきますか? まだ拷問していないんで普通に喋ることも出来ますよ」




ギルドの地下牢には男が入れられていた。

完全に普通の人である、盗賊っぽくも、悪徳商人にも見えない。


「やいっ! 貴様か、俺の大切なルビアを悲しませたのはっ!」



「あっ! お前異世界勇者だな、どうして俺が捕まるんだよ? あの臭い雨を降らせたお前が成敗されろよ! 証拠も出ているというじゃないか」


「ほほう、してその証拠とは?」


「お貴族様が言っていたんだ、お前が王都で起こっている様々な社会問題の元凶だってな!」


「で、そのお貴族様のお名前は? ちなみにフルネームでお願いします」


「そんなの俺が知るわけないだろう、自分で伯爵様だと言っていたし、身なりもかなり良かったからな、どこかの伯爵様であるに決まっている!」



やべぇなコイツ、かなりアホの子寄りのルビアですらも呆れている。


この窃盗犯の言い分をまとめると、まず変な噂が流れて来た、しかもそれを流布していたのは自称伯爵。

そして当然にそれを信じ、王都の平和を守るために俺達の屋敷を襲撃。

で、放火する前に皆で色々と盗み出したそうだ。


馬鹿としか言いようがない……



「ご主人様、その自称伯爵とやらが今回の黒幕で間違いないでしょう」


「そうだな、コイツには色々聞いて貰うべきだろうな、拷問して」


こんなところでグダグダ言っていても仕方が無い、とりあえず宿に帰ることとした。

詳細な話は明日以降憲兵団か王宮辺りから流れて来るであろう。



※※※



「あ、お帰りなさい勇者様、今マリエルちゃんが王宮に向かったところですよ、どうやら盗まれた聖天大金貨が売りに出されたそうです」


「そっちも早いな、ところでミラは何をしているんだ?」


「これは屋敷にあった貴重品のリストを作っています、燃えてしまったかも知れませんが、それらしきものが見つかったときに役立つと思いまして」


ミラは真面目である、そんなの俺だったら絶対に適当だけどね。



「あ、おかえり~、聞いて、畑から盗まれたニンジンも帰ってきたわよ、市場に大量に持ち込んだ新参者が居て、品種間違いで犯行がバレたそうよ」


「そっちもか、で、犯人も捕まったんだな?」


「もちろんその場で取り押さえたらしいわ、ニンジンについてよく知らないくせに調子に乗るからそういう結果になるのよね」



たった1日でかなりの情報が出て来た、この分なら屋敷本体以外は早い内に回収することが出来そうだな。

午後は更なる情報を得るため、セラと一緒に捕らえてある魔将補佐に暴行を加えに行こう。




宿で情報交換をしていると、聖天大金貨の件で王宮へ行っていたマリエルが帰って来る。



「ただいま~、あ、勇者様もおかえりなさい、こちらは金貨も回収出来たし、それ以外の情報も出ましたよ!」


「おかえりマリエル、で、やはり自称貴族が……」


「あら、ギルドの方もそうでしたか……」


マリエル曰く、王宮の方で捕らえた聖天大金貨窃盗犯も、俺達がギルドで見た奴と同様、自称貴族に唆されての犯行であったと自供したそうだ。


そしてその自称貴族、自分はウォール家の人間だと騙り、さらにはウサギの魔族を連れていたとのことである。


惜しい! 残念ながらリサーチ不足ですよ。

ウサギを連れているのは勇者パーティーで、ウォール家の人間の中で最も目立つシールドが連れているのはヒツジです。


俺達、つまりは勇者パーティーとその周囲の組織に関して調べる最中、そこを取り違えてしまったのであろう。



「あれ、そういえばウォール家も勇者の仲間みなされて攻撃されたんですよね? なのにその盗人はその家の人間の言うことを聞いている、おかしくないかしら?」


「その点は回避していたようで、教唆犯はウォール家内部で世界平和を守る組織と内通している者という設定だったとのことです」



先程ギルドで会った男はそこまで告げられていなかった。

おそらく最初の嘘を信じた人間はそのまま駒として使い、少しでも疑いを持った場合には更なる嘘を塗り重ねて丸め込んだのであろう。



「しかしそうなると敵はかなり俺達のことを調べている、または知っている奴だな……」


「というか私のコレクションと奴隷としての権利書を一緒に扱うあたり、かなり細かいところまで調べていそうで怖いです」


確かに、それをするには勇者パーティーの一員であるルビアが奴隷で、しかもドMであり、さらには意味のわからないコレクションやエッチな本を大量に所有しているというところまで調べなくてはならないのだ。


果たして全く知らない人間にそこまで出来るものか?

いや無理であろう、この件には俺達のことをかなり知っている、どころか近しい存在が関与している疑いがある。



「勇者様、とりあえず昼食にしましょうか、この情報量ではまだよくわかりません、午後も引き続き聞き込みなどをすべきです」


確かに、こんな断片的な情報しかない状態での判断は禁物である。

ミラの言うとおり一旦昼食にして、そこで午後の情報収集の割り振りを決めよう。



「じゃあ、私は上空からカジノの方を観察してくるわ」

「私はお母さんが泊まっている宿に行って話を聞いてきます」



俺とセラは王宮の地下に居る魔将補佐おばさんの所へ、ついでにカレンとジェシカには武器屋を回ってもらうこととした、家に置いてあった古い装備が売り出されているかも知れんからな。


他のメンバーはここで待機である、ミラは連絡係だしマリエルが離れると何かあったときに困るからだ。

そして魔族達は警戒されてしまいそうで情報収集には向かない。

リリィは既にお昼寝を始めているからそっとしておこう。



「じゃあ行くわよ勇者様、あのおばさんを殴って、私達が一番有力な情報を手に入れるのよ」


「おいセラ、別に競争をしているわけじゃないんだからな、余計な誘導尋問とかしないでくれよ!」


とりあえず王宮へ行こう……



※※※



「おい貴様っ! いまここでぶっ殺されたくなかったら知っていることを全部話すんだなっ! おらぁっ!」


『ぎょえぇぇ~、ザマスッ! 何を聞きたいというザマスか!?』


「まずは自称貴族についてだ、早く話せクソがっ!」


『では交渉するザマス、ここで全て話したら殺さないと約束するザマスよ!』


「わかった、考えてやるから早く話せこのゴミめ」



おばさんの話によると、異世界勇者排除計画に協力した自称貴族は本当にこの国の侯爵らしい。


元々は魔王軍の紹介で知り合ったものの、そこはどちらも野心家である。

魔王軍を裏切り、そしてこの王国を分割してそれぞれ人族と魔族の新国家を樹立するつもりであったそうだ。


「何それ卑怯ね、国どころかそれを裏切って付いた魔王軍まで裏切るなんて」


「そういう奴は何度でも裏切るのさ、おそらく計画が成功したらこのおばさんも切って自分ひとりでこの国を治めるつもりだったんだろうよ」


「とんでもない侯爵ね、で、おばさんに聞きたいんだけど、もちろんそいつの名前は聞いているのよね?」


『知らないザマスよ、魔王軍の方で貴族であるとの確認が取れたと聞いただけで、その後はお互い名前を聞いたりしなかったザマス』



名前も告げない時点で裏切る気満々である。

というか俺もこのおばさんの名前を知らないな、まぁ、()()()(仮名)としておこう。



ザマスとその正体不明侯爵の計画は、まずザマスが王都を陥落させ、王宮に入る。

そこまではこの間やられてしまった。


そして次に侯爵側が兵を挙げ、あたかも王都に居座る魔族を退治したがごとく振舞って王宮入りするというものだ。

その際は争わずにザマスが出て行くことになっていたとのことである。


その課程で俺達勇者パーティーやその協力者は排除することができるし、王宮が落ちてしまえば王族だってただでは済まないであろう。

障害となりうるものを完全に排除した状態で、侯爵側は何の損害も無く王都を手に入れることが出来るという寸法だな。


ちなみに侯爵側からはデマの拡散部隊として、身なりを整えた使用人と、マーサに似せたバニーガール姿のメイドが派遣されていたという。


そいつらがシールドを騙って噂を広めたようだ。

マーサとマトンを取り違えたまま……




「で、貴様は王都から出た後どうするつもりだったんだ?」


『それは後程連絡するから指定の位置で待っているように言われたザマスよ』


「おそらくだが貴様はそこで殺されていたはずだ」


『ザマスッ!? もしかして私も騙されていたザマスか?』


「当たり前だ、少し考えればわかりそうなことだぞ、どれだけ頭が悪いというのだ?」


『ぐぬぬっ! でももう良いザマス、質問に答えたのだから助けてくれるザマスよね?』


「ああ、その請求についてならもう考えた、そして考えた結果棄却することに決めた、無様に死ね」



喚き散らすザマスの顔面に蹴りを入れて地下牢を後にする。

アイツは水で薄めた汚泥の魔物を使ってゆっくり溶かす刑に決まっているからな、今更変更しようが無いのだよ。



「ねぇ勇者様、これから王の間に行ってその侯爵とやらについて聞いてみない?」


「そうしよう、残念ながら俺達には侯爵の知り合いなんて居ないからな、どんな奴が居るか聞いてみようか」



王の間では、総務大臣が何やら真剣に話していた。

その声の行く先には駄王、もちろん居眠りしている。


「ん? なんじゃ勇者か、今日はどうしたのじゃ?」


「なんじゃとはなんじゃ! 俺達は裏切り者の侯爵について知りたくて来たんだ」


「その件か、今こちらでも調べておるんじゃがな、侯爵と言ってもどの侯爵なのか……ちなみにわしも侯爵じゃぞ」


「なら貴様が犯人だ! 出合え出合えっ!」


「そう言うと思ったわいっ! わしにはアリバイがあるでな、余計な疑いを掛けるでないぞ!」


「ちっ、捜査は振り出しに戻ったようだな、それで、手掛かりは少しも無いのか?」


「そうでもないのじゃが、もし現時点の予想が当たっていたらちと面倒なことになるやも知れん」


「というのは?」


「実はこの間インテリノ王子が救援要請に行ったのも侯爵家での……」


「で、王子がまだ戻っていないと」


「うむ、伝書鳩で送った手紙にも返信はないしの、今から迎えの部隊を出す予定なんじゃが」


「わかった、カジノを囲んでいる敵に見つからないようにしろよ、とりあえず俺達はその侯爵が最有力の容疑者という認識を仲間と共有しておく」



インテリノは強い、その侯爵家がどんなものであろうと本人がやられてしまうようなことは無いであろう。

だが襲われてそこで足止めを喰らい、いまだ帰還出来ていないだけというのであれば可能性は十分にある。


裏切り侯爵の件に関しては王宮からの続報を待とう。



※※※



「おう勇者殿、ちょうど良いところに帰って来たようだな」


宿に戻るとゴンザレスが来ていた、外のカジノの件で話があるそうだ。

そちらの様子を見に行っていた精霊様と一緒に来たとのことである。



「……という訳でもうカジノの周りには魔族がほとんど居ない、ということで今夜一気に攻めて人質を取り戻すつもりだ」


「わかった、俺達も協力しよう、これで不快魔将との戦いは一段落するな」



作戦決行は日が落ちてからとのことであるが、今は既に夕方、もう城門の辺りで待機していた方が良さそうだ。


メンバー全員が宿に戻るのを待ち、食事を包んで貰ってフルメンバーで出撃する。

俺達は到着後、本来は門兵の詰所である城門横の建物で待機することとなった。



「作戦決行までまだ少し時間があるな、今のうちに今日それぞれで得た情報を共有しておこう」


そこから報告を出し合うも、俺達の得た裏切り侯爵の件以上のものは無かった。


カレンたちが聞いた武器屋では、確かに中古の武器がいくつも売り出されていたものの、俺達が初期に使っていた武器は既製品である。

一般のものと区別がつかず、既にどこかへ流れてしまっているようだ。


シルビアさんの方もまだそんなに情報を持っていなかったとのこと。

俺達の馬車セットは売り出されたのではなくザマスが勝手に使っていただけだからな、そちらは物が売り出されてどうこうということは無さそうである。



「じゃあ明日からはその裏切り侯爵を中心に情報収集ですね、インテリノの事も心配ですが、あの子ならきっと大丈夫なはずです」


「そうだな、従者とかはともかく王子本人が負けるなんて事は考えられない、確実に無事だろう、では次だ、精霊様はカジノの様子を報告してくれ」



「わかったわ、まずカジノの周り、魔族はもう下級が7体だけよ、あとは帝国人と馬鹿な王国民が少々、人質はその倍の数といったところね、それから……」


精霊様だけは高空からバレずに、俯瞰で状況を観察することが可能である。

カジノのテラスから見たときにはわからなかった敵の詳細をここで聞いておく。



「おう勇者殿っ! そろそろ楽しい戦の時間だ、そちらの準備は出来ているか?」


「了解した、俺達はすぐにでも行けるよ、救出班に回れば良いんだな?」


「そうだ、ウォール家が救出の担当だからな、その指揮下に入って行動してくれ」



シールドが……というかこんな状況でピンクのフリフリが付いた服を着せられているマトンが目立つので、すぐにウォール家とは合流出来た。


すぐにシールドの親父がこちらに駆け寄って来る。


「久しぶりだな勇者殿、今日はよろしく頼むぞ、沼の前と敵と人質の境目に壁を張るからな、その間に居る人々を救出してくれ」



子ども優先でリリィと精霊様が引っ張り出し、怪我があればルビアが治療するという作戦である。

他のメンバーは先に中に入っておき、人質の中に敵が紛れていないかを監視する役目だ。



「サリナ、幻術で俺達の姿を下級魔族か帝国人に見せかけるんだ、ちょっとイヤだがな……」


「わかりました、その代わりカジノに掛けてある幻術は解きますね」


カジノの方はもう良いであろう、特に今は夜だしな。

サリナの術を全員に掛け、何食わぬ顔でデモ隊の中へと入っていく。


帝国人の層を抜け、馬鹿な王都民と無理矢理参加させられている王都民の間も抜ける。

これより前は子どもばかりだ……


『よしユリナ、炎で合図を出すんだ!』


『わかりましたわ、打ち上げれば良いですわね』


ユリナの放った打ち上げ花火、それと同時に防御魔法が発動し、沼地の前、それから敵と救助対象の間にそれぞれ壁が出来る。



「よぉ~しっ! 皆よくぞここまで我慢した、すぐに迎えが来るから慌てないで待っていてくれ!」

「皆さん、王都内の人質は全て解放しましたっ! ご安心下さい!」

「子ども達は順番に並んでちょうだい、いい子にしていればドラゴンに乗ることが出来るわよ!」


声を掛け、人質の子供達を落ち着かせる。

大人は大丈夫そうだ、変な噂に騙されなかったまともな人間しか居ないはずだからな。



壁の外ではゴンザレス達が下級魔族や帝国人をボコボコにしている。

噂を信じてデモに参加した馬鹿共はすぐに降伏したようだ。



「リリィ、子どもだけならセラを乗せても2人同時に運べるな? 大人は精霊様が担当してくれ」


ピストン輸送で人々を救出していく、こちらは何の問題も無い。

そしてゴンザレス達の方は一足早く決着したようだな、外側の壁が解除され、残っていた大人達は徒歩で脱出して行く。



「おう勇者殿、残りの子ども達は一応リリィ殿に乗せてやってくれ、約束してしまったようだからな」


「うむそうしよう、これでこの事件は解決だな!」


デモ隊は完全に壊滅し、王都側でも、そしてこのカジノ側でも、人質の犠牲を出すことなく事態を収束させることが出来た。


あとは王都に戻って戦後処理を……待て、謎の一団がこちらに近付いているのだが?


「勇者様っ! あれはインテリノの旗です!」



徐々に近付いてくるその集団、その中央で馬に乗っているのは、酷くボロボロの姿になったインテリノであった……

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