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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十五章 真面目なのは結構ですが
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294 突然の迷惑客

「何だかさ、もう洞窟ダンジョンに入ることはないって考えるとちょっとだけ寂しいわね」


「そうか、じゃあ今日はセラだけボス部屋にでも泊まっていくか? 今から戻れば夜中にはもう一度島に着けるぞ」


「冗談言わないでよ! 何となく寂しいってだけよ」



 本当にダンジョンに放置されると思ったのか、必死で俺の裾にしがみ付くセラ、まさか置いて行くわけがあるまい、かわいそうだし、何よりも復讐が怖い。


 トンビーオ村に着くと、夕飯の買出し組と直帰組に別れ、当然買い物で役に立ちそうもない俺は直帰部隊に配属される、コテージの前ではメイが箒で落ち葉等を掃除していた。



「あ、おかえりなさ~い」


「ただいま、おや、アイリスはどうしたんだ?」


「先程から変なお客さんが来ていまして、その対応に苦慮していますよ」


「変な客?」


「ええ、どうも大魔将様の使いの方みたいです」



 なんということだ、よりにもよって俺達が不在の間にそんな奴が、しかも誰よりもボーっとしているアイリスがマンツーマンで応対しているなど……


 適当なことを言って口車に乗せられ、わけのわからない要求を呑まされているかも知れない。

 すぐに割って入って止めないと、最悪その使いとやらをぶっ殺してこれまでの話をなかったことにしないとだ。



 急ぎコテージに入る、直帰部隊は俺とルビア、精霊様の3人だ、ルビアはアイリスと同等に役に立ちそうもないからな、ここは俺と精霊様でどうにかすることとしよう。


 コテージの奥、テーブルセットがある辺りから2人の声がするな。

 片方はアイリスだ、壁に阻まれて見えないものの、明らかに困ったような感じは伝わってくる。



『ですから……私に何か要求されても……その、決める権利がないのでして……』


『そこを何とか! あなたなら出来る! ここで必ずあの悪辣にして変態、傲慢にして厚顔無恥な異世界勇者を制止し、大魔将様に近付かないように仕向けるのです!』


『は……はぁ……そう言われましても……』



 気の弱いアイリスは完全に押され気味だが、どうにか持ち堪えているようだ。

 だが俺を大魔将に近付けないだと? 一体どういうことなのであろうか?


 まぁ良い、とにかく助け舟を出すこととしよう……



「おつかれアイリス、良く頑張ったな、代わってやるから向こうで休むんだ」


「は、はぁ……ありがとうございます……」


『ちょっと待ちなさい、君が異世界勇者本人だね、だが僕は今そちらの御仁と話をしているのだ、邪魔をしないで、どこかへ行って頂きたい』


「うるせぇ、ここは俺達の所有物だ、貴様のような腐った顔面の輩にとやかく言われる筋合いはねぇんだよ! さぁ、とっとと森へお帰り!」


『……何たる侮辱っ! これだから君のような存在を、純粋にして美麗、実直にして健気な大魔将様に近付けたくないのですよ!』



 詰襟を着込み、顔面が腐ったように爛れてしまっている魔族、本当に気持ち悪い奴だ。

 しかも聞いてもいないのに、ここへ来た理由に続き、今回の来訪が独断専行であることもベラベラと喋ってくれた。


 このような行動を取って大魔将本人に迷惑が掛かるとは思わなかったのか? 一応は部下のようだが、というか会長に対する副会長的なポジションのようなのだが、明らかに無能キャラである。


 行動的な無能というのは恐ろしいもので、コイツが今、俺達のコテージに上がり込み、意味不明な主張をしている、その1点のみをもって、今回の敵である大魔将に対する評価はダダ下がりとなった。



『とにかくだっ、君と不愉快な仲間達をあの島へ近付けるわけにはいかないっ! 二度と行かないと約束して下さい!』


「え? 無理だけど」


『なんだとぉぉぉっ! むきぃぃぃっ!』


「ちょっ、おいやめろ!」



 突然発狂し、暴れ出した魔族、自分の都合の良い方向に進まないとどうかなってしまうタイプらしい。

 まぁアレだ、選挙で負けると不正だの何だのと騒ぎ出す輩とそう変わらない感じである。


 そして、この気持ち悪い顔面の魔族、どうもパワー系のようだ、コテージの天井は一部が吹き飛び、周囲の壁も粉々になってしまったではないか。


 さらにそこら中の壁を殴って回る、慌てて動いた精霊様が魔族を蹴り飛ばし、排除したときには、既に俺達のコテージは東屋へと変貌を遂げていたのであった……



「全く、どうしてくれるのかしら」


「てかアイツどこへ飛んでったんだよ? とっ捕まえて修理代を弁償させないとだぞ」



 索敵の反応は……高速でこちらへ移動しているようだ。


 いや、本人が自ら動いているのではない、何者かによって引き摺られている。

 おそらくちょうどこちらに向かっていた買出し組が、破壊音を聞きつけて何事かと急いだのであろう。


 その途中で奴を発見し、間違いなく騒動の元凶であるとみなして連れて来ているのだ。

 予想は正解であった、奴を引き摺っているのはマーサ、その後ろからエリナも含めた他の皆が付いて来る。



「ちょっとっ!? これはどういうこと? どうしてお買い物している隙にこんなことに……」


「全部そいつの仕業だ、大魔将の部下らしいが……とりあえず生きてはいるよな?」


「ええ、放っておいたらたぶん死ぬけど、どうする?」


「一旦治療して、それから残酷な方法をもって処刑しよう、ただし首は毟り取って大魔将を脅すのに使うから傷を付けないようにな」



 奥で半泣きになっていたアイリスを慰めるルビアを一旦呼び出し、瀕死状態の魔族を治療させる。

 傷は治っても意識は戻らない、このまま処刑してもつまらないし、何よりも溜飲が下がらない。


 気が付くまで待って、散々苦しめた挙句命を奪うこととしよう、しかも自分の行動が大魔将にとって大幅なマイナスであったことも知らしめ、絶望させる必要がある。



「さて、コイツを処刑するのは良いんだけどさ、これからどうするよ……」


「お風呂も使えませんね、というかコテージ自体の建て直しが必要です」


「だよな、ドレド、確か船にも風呂があったよな? 今日は一旦そこに泊まろうぜ」


「ええ、簡単のもので良ければキッチンもありますから、食材を持って移動しましょう」



 必要なものを全て馬車に積み込み、港へと移動する。


 村人達も俺達のコテージが襲撃を受けたことは察していたらしく、度々大丈夫かなどと声を掛けられた。

 俺達は大丈夫だがコテージは終わったと告げておく、何らかの対応がなされることに期待しよう。


 港に到着し、馬車ごと船に乗り込んで荷物を降ろす、とりあえず食事の準備を始めよう……



 ※※※



「じゃあミラ、夕飯の方は頼んだぞ、アイリスは疲れ切っているから休ませたい」


「わかりました、で、この顔面ウジ虫野朗はどうしますか?」


「適当に檻にでも放り込んでおけ、どうせ雑魚だし、当分は目を覚まさないだろうしな」



 夕食を取り、風呂も沸かす、風呂は底まで広くないため、2人か3人で1組となり、俺はカレンとルビアと一緒に入ることとした。



「あう……湯船が狭いですね、3人で入ったらギュウギュウじゃないですか、もしかしてしばらくこのお風呂なんでしょうか……」


「少しは我慢しろ、コテージが復旧するまでは、というか大魔将を討伐して王都に戻る方が先になりそうだな」



 何かと文句を言いながらも、俺とカレンが先に入っている小さな湯船に大きな尻を押し込んでくるルビア、カレンがムギュッとなって潰れてしまいそうだ。


 結局俺が一番下に入り、その上にルビアを抱っこ、さらにルビアがカレンを抱っこするという3層構造を取ることにより、どうにか湯船のパンクは回避することが出来た。


 だが、3人同時に上がった後の湯船には、半身浴すらままならない、足湯程度の湯量しか残っていなかったのであった。


 正直ヤバいとは思う、だが知らないフリをしてそのまま立ち去る……次に入ったマーサとマリエルが怒りの声を上げているのが、遠く離れた船室から聞こえた……



 しばらくするとタオルだけを巻いた状態の2人が登場する、風呂はあえなく湯の張り直しとなったようだ。

 もちろん2人は苦情を垂れに来たのである、とりあえずルビアのせいにしてしまおう。



「ちょっと勇者様、どうしてあんなにお湯が少なくなってしまったんですか?」


「そうよ、試しに入ってみたけど、しゃがんでも尻尾までお湯に浸からなかったわ!」


「おいおいそこのお2人さん、俺に抗議するのはお門違いだぜ、湯を溢した直接の原因はルビア、というかそのデカいケツだ、文句があるならそちらへどうぞ」


『ルビアちゃん、覚悟しなさいっ!』



 マーサに取り押さえられ、尻を丸出しにされるルビア。

 マリエルが鞭を持ち出し、再び風呂が沸くまで、ひたすらそれを打ち付けていた。


 しばらくすると風呂を沸かしていたメイがやって来て、2人にもう一度入浴するよう促す。


 ようやく解放されたルビアであったが、首から『私はお風呂のお湯を溢しました』と書かれた看板をぶら下げ、寝る前まで船室の隅っこで正座させられる運びとなった。



「あうぅ……脚がピリピリしてきました……」


「自業自得だな、カレン、ルビアのつま先をツンツンしてやれ」


「あぁぁぁっ! それだけは、それだけはやめて下さいっ!」



 ルビアをいじめて遊んでいるうちに、他のメンバーも風呂に入り終えたらしい。

 続々と船室に集まり、寝る場所を決め始めた。


 俺はいつも通りカレンとルビアと3人で寝るのだが、良く考えたら先程捕らえたウジ虫野朗の見張りを出さなくてはならない。


 厳正なくじ引きの結果、最も微妙な時間である2番目に配属されてしまった俺、セラと2人、最初に見張りをするユリナとジェシカによって夜中に起こされることとなるのだ。


 ということで早く寝よう、出て行く際に2人を起こさないよう、ベッドの端っこに陣取って目を瞑る。

 俺とルビアの間に挟まったカレン、その状況を見て、家族のようだと笑っている声が聞こえてきたものの、無視しておいた……



 ※※※



「勇者様、起きてよ勇者様」


「ん……もう交代の時間か……」



 目を開けると、セラだけでなくユリナとジェシカも俺の顔を覗き込んでいるのがわかった。

 ウジ虫野朗はまだ呑気に失神しているらしい、とりあえず奴を収監してある物置に移動しよう。


 布団から出てセラと2人、物置を目指す。

 一応毛布を1枚持って来たのだが、少し暑いぐらいなので座布団にしかならないはずだ。



「やれやれ、本当に生きてるのかコイツは?」


「死ぬ寸前だったみたいよ、それでも精霊様に蹴られて生きていたんだからラッキーよね」


「いや、これから味わう苦痛を考えれば死んでおいた方がマシだったはずだぞ……」



 精霊様の拷問プランによると、まずは火で炙り、爪を全部剥がして指も折り、最後は大魔将の島で桟橋と洞窟ダンジョンの間を引き摺りながらお百度参りするそうだ。


 その後は首を取り、大魔将の部屋に辿り着いた際に抗議と共にそれを見せつけ、同じ目に遭いたくなければ降参しろと脅すのが俺の役目である。



 しばらく眺めていると、倒れ付しているウジ虫野郎の指がピクッと動いた気がした。

 もう目を覚ます寸前か……いや、狸寝入りをしているのかも知れない……



「セラ、ちょっと棒を持って来てくれ、突っついてみよう」


「わかったわ、え~っと、あ、釘バットが落ちているわ、これを使いましょう」



 どうしてそのようなものが気軽に落ちているのかは謎だが、とにかくそれを使ってみよう。

 セラから受け取った釘バットを檻の隙間に突っ込み、頭をガンガンと叩いてみる。



「オラッ! もう気が付いているんだろうこの卑怯者が、この場で頭を潰されたくなかったら起きやがれ!」


『……う……うぉぉぉっ! 何をするんだね君はっ!? どうしてこのような不当な扱いを?』


「てめぇが俺達のコテージを壊したからだろ、死んで償ってもまだ足りないぞ、オラッ!」


『あいたっ……なんという無礼を、僕は大魔将様の代理として、君達に島へ近付く資格などないことを伝えに来てやったというのに……』


「余裕で無権代理じゃねぇかっ!」



 表見代理すら成立し得ない勝手な行為、おそらく大魔将本人はコイツが俺達に対して行った迷惑行為についてまだ知ってすらしないはずだ。


 とりあえずセラには皆を呼びに行かせる、起きない者は起きないであろうが、集ったメンバーだけでコイツを痛め付けることを始めておこう。



「さて、喋れなくなる前に1つ聞いておきたいことがある、どうしててめぇはそうまでして俺達が大魔将に近付くのを止めたいんだ?」


『それは大魔将様のためだ、あの方は君達のような連中が大嫌いでな、もし出会ってしまったら……後悔するのは君達になるかも知れんな』


「俺達が後悔だと? それは一体全体どういうことだ?」


『フンッ、もう良いさ、どうせその頃には僕は生きていまい、その場になって、そこで初めて、僕の言ったことを思い知らされるときが来るのだ!』


「まともに答えやがれこのウジ虫野郎!」


『ほげろばっ!』



 釘バットで鳩尾を突いてやる、元々醜い顔が歪み、さらに醜くなってしまった。

 もうモザイク処理が必要なレベルだ、顔も悪いし行動も最悪な迷惑野朗、早く殺してしまいたい。


 そこへ、殺る気満々の精霊様を先頭に、ルビアとユリナ、サリナ、ジェシカが入って来る。

 他のメンバーは眠りこけているようだ、まぁ夜中だし無理もないか。



「ようやく意識を取り戻したのね、じゃあ早速拷問と処刑を始めましょ」


『ぎぇぇぇっ! 何をする!? 確かに僕は君達にとっては敵だ、だが正当な裁判を受ける権利というものが……』


「裁判ね、まずコテージを壊した罪で死刑、あと不法侵入も死刑ね、それから顔面醜悪罪で死刑のトリプル死刑判決よ」


『なんじゃそりゃぁぁぁっ!』



 最後の1つは意味不明かつ理不尽な罪状であるが、前半の2つは普通に死刑で問題なさそうだ。

 これで正当な裁判も経たことだし、あとはやりたい放題させて頂くこととしよう。


 皆で檻の隙間から様々なものを突っ込み、ウジ虫野郎を痛め付ける。

 意外と楽しくはなかったのだが、気が付くと空は白み、朝を迎えていた……



 ※※※



「おはようございます、もうすぐにでも降りられますよ」


「わかった、でも疲れたな、ちょっと休憩してから行こうか」



 船に泊まっていたとはいえ、そのまま何もしなかったわけではない。

 夜のうちに移動し、ドレドの船は既に、大魔将の島の桟橋に係留された状態である。


 だがまだ朝も早い、また、少し寝ておかないと体も持ちそうにない。

 船室に戻り、夜からずっと眠り続けているルビアの横で眠りに就いた……



 目を開けると立っていたのは精霊様、その奥では、俺の横で全裸のまま寝ていたはずのルビアが服を着て、杖を持って出発の準備をしている。



「やっと起きたわね、早く行くわよ」


「おう、精霊様は寝なかったのか?」


「私はあの気持ち悪い顔の魔族を処刑していたのよ、ほら、コレが首ね」


「げぇぇぇっ! 起き抜けになんてモノ見せやがるっ!」


「おかげで目が覚めたでしょう、そしたらさっさと準備して」



 手をパンパンと叩いて急かす精霊様、ウジ虫野郎の首は木箱に収納され、そのまま大魔将の城に持ち込む荷物として運び出された。



 船を降りるとエリナが立っており、その周りに集まってダンジョンボスの部屋まで転移する。

 ミスリルの鍵を使って城側の扉を開け、外へ出た……完全なる校庭の先に完全なる校舎、ガチで学校だ……



「こらリリィ、走り回るんじゃない」


「だって広いんですもん」


「そんなことしてて疲れても知らないからな、置いて行ってしまうぞ」


「ひぇぇぇ、ごめんなさ~い」



 そのまま校庭を突っ切り、城の扉を開けて昇降口らしき入口から土足のまま突入……謎の見えない壁に阻まれてしまった、靴を脱いで用意されている上履きに履き替える必要があるらしい。


 仕方が無いのでその通りにし、廊下を通って階段を目指す。

 この城、というか校舎は3階建てのようだ、もちろん途中にはトラップや魔物の襲撃が待っているはずである。



「ご主人様、何かの足音がしますよ」


「1……2……3……10体は居るわね、2足歩行だし、またゴブリンかしら?」



 カレンとマーサが何者かの気配を察知する、同時に俺の索敵にも反応が出た。

 また一方的に攻撃出来ない厄介なパターンか? とりあえず近付いて来るみたいだし、そのまま進んで行こう。


 廊下の奥に見える階段に辿り着く寸前、その上から10体きっかりの魔物が降りて来た。

 やはりゴブリン、だが洞窟ダンジョンのものよりも少し強力なタイプのようだ。



 俺達の姿を認めると同時に、走り出して襲い掛かるゴブリン軍団。

 今回は特に苦労する必要はなさそうだ、なんたって向こうから仕掛けてきてくれたんだからな。


 直ちに武器を取って応戦する、まずは前衛の4人がそれぞれ一撃、武器のリーチが長いジェシカはまとめて3体、他はそれぞれ1体ずつ潰し、残りは4体となった。


 その後ろから俺とマリエルが突きを放ち、さらに2体を撃破する。

 残り2体、俺とマリエルの間をスッと通って行った風の刃が、その2体を一気に切り裂く。



「まるで骨がないな、もうちょっと頑張ってくれても良かったんだが」


「でも見て下さいご主人様、アイツ、真っ二つになってもまだ戦おうとしてますよ」



 本当だ、ゴブリンのうち1体がまだ生存しており、短剣を握り締めたまま上半身だけでこちらに這い寄っているではないか。



『グギギ……オマエラ……ワルイヤツ……コロ……ス……』


「何言ってんだコイツ? あ、死んだ」



 ワルイヤツはどう考えても貴様等だろうがと言ってやりたいところであるが、もう死んでしまった者にはその声が届くことはない。


 しかし凄い執念だな、大魔将がそうするよう仕向けたのか、それとも自分の意思でそうしたのか、とにかく強くない敵で良かった。


 もし強敵がこのノリで攻めてきたとしたら、それこそガチの死闘になりかねないからな。



 ゴブリンのことはすぐに忘れ、階段を上って先へ進む。

 この城はそこまで広くはない、この調子ならすぐに大魔将の部屋に辿り着きそうだ。


 大魔将に会ったらまずは捕縛、そして勝手な行動で俺達に迷惑を掛けた部下に関する抗議と賠償の請求、そして何よりも、伝説の石版の残りの部分を回収しなくてはならない……

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