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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第三章 また人族同士の争いですか
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171 タコ退治と帰還と今回の黒幕と

「ほぇ~っ、でっかいタコですね、美味しそうです」


「カレン、言っておくがアイツは人を喰っているからな、そんなの食べたらダメだぞ」


「……そう考えると何だか気持ち悪いです」



 ばっちい敵兵をたらふく食ったばっちいタコだ。

 きっと身も硬くて不味いに決まっている。



 足を切られて海面に姿を現した巨大タコは、ゆっくりとその体を持ち上げる。

 陸に上がろうというのか、切れたのも含め8本の足が護岸に掛けられた。



「おいセラ、ユリナ、見とれてないで今のうちに少しでも、うわっ!? 何だこれっ!」


「墨です、墨を吐かれましたっ! 皆真っ黒です!」


「タコ野郎の分際で舐めたことしやがって! 誰かぶっ殺してやれ!」



「魔法が使えないわ……」


「私もですのっ!」


『うぇぇっ! ブレスも出せませんよぉ~っ!』



 どういうことだ? 今のタコ墨に何かそういう効果があったというのか?

 とりあえず精霊様に洗い流して貰おう、1人だけ上空へ逃げやがって。


 精霊様以外には、素早く回避したカレンとマーサが無事であった。

 2人が巨大タコに攻撃を仕掛ける……



「ダメです、物理攻撃は全然通りません! ブヨブヨの皮に弾かれてしまいます」


「わかった、おい、ミラとジェシカは下がるんだ、足を絡め取られるぞ」



「勇者様!」


「何だミラ?」


「もう少し早く言って下さい」


「左に同じだぞ主殿」



 見ると、2本のタコ足がそれぞれミラとジェシカの足に絡み付いている。

 そして、別の2本の足が武器を押さえ、さらに2本の足で2人のおっぱいを触っているではないか。


 なんとエッチなタコだ、タコ足という貴重な攻撃手段を、おっぱいを触るのに2本も使っていやがる。

 飛び掛かるカレン、マーサと戦っているのは切れていない1本の足のみだ。



「はいっ! セラちゃんだけ洗い終わったわよ、攻撃してみなさい!」



「あ、魔法が使えるわ、やっぱりタコ墨のせいだったのね」



 セラの放った風の刃がタコの頭に傷を入れる。

 本来ならスパッといきそうなものだが、意外にも傷は浅いようだ。


 もしかするとあらゆる攻撃が聞きにくいタイプの敵なのかも知れない。



 タコは攻撃してきたセラの方を睨む、いや、睨んでいるのかはわからないがとにかく意識をそちらに向けたようだ。


 高速の何かが俺の横を通り過ぎる……



「きゃっ! またやられちゃった、私だけピンポイントで狙われたわね」


「あんなビジュアルの癖に案外賢いみたいだな」


「タコはかなり頭が良いのよ、ほらセラちゃん、また洗ってあげるからこっち来なさい」



 ユリナを洗っていた精霊様の方に行くセラ、次はルビアが予約済み、その後ろにセラが並ぶ。

 サリナは特に攻撃防御には参加しないため、今回は我慢するとのことだ。


 当然、あまり効き目のない物理による攻撃しか出来ない俺とマリエルも後回しである。




「なぁ主殿、そろそろ助けて欲しいんだが……」


「すまん、もうちょっと待ってくれ、すぐにユリナの洗浄が終わるからな」


「そう言ってもな、このタコ、鎧の隙間から、ちょっと、こら、やめるんだぁぁっ!」



 金属の鎧を着ているジェシカは、その胸当ての隙間からタコ足を捻じ込まれ、直で攻撃を受けている、どこを攻撃されているかはお察しだ。


 一方のミラはピッタリした皮鎧、ジェシカのような目に遭うことはないようだな……うむ、ではミラを先に助けよう。



「はいユリナちゃん、もう魔法が使えるはずよ」


「ありがとうですの精霊様、早速ジェシカを……」


「待つんだユリナ、ミラを優先してくれ」


「どうしてですの? ジェシカの方がヤバそうなのですよ」



「……何となくだ」



 溜息をついたユリナはミラの救出に向かう。


 レーザービームの火魔法を使い、足と、それから剣を持っている腕に絡みついたタコ足を根元近くから切断する。



「ミラちゃん、すぐに退くんですの!」


「ありがとうユリナちゃんっ!」



 ゴロゴロと転がりながら前衛から離脱するミラ、おっぱいを触っていたタコ足の追撃からは何とか逃れることが出来たようだ。



 次の瞬間、ユリナが再び真っ黒になる。


 また洗わないと魔法が使えない。

 セラの後ろに並ぶユリナ、今はルビアの洗浄中である。



 さて、これで倒したタコ足は合計3本、ジェシカを攻撃しているのが3本、そしてカレン、マーサの2人と打ち合っているのが1本。


 残りの1本はどこへ行くのであろうか? やはりカレンとマーサを襲うのか、それともジェシカをさらに攻撃するのか……ジェシカの方に行ったようだ。



「主殿! 今度は尻まで触ってきているぞこの変態タコ!」


「もうちょっと我慢しろ、今ルビアを洗っているからな、その次にセラを洗ったら助けてやる」


「早くしてくれぇぇっ!」



 ジェシカはもう必死である、だがちょっと待てよ、一番前で攻撃の効かない敵と戦っているカレンとマーサもどうにか助けてやらないとだ。


 よし、そっちを先に救出しよう。



 しばらくマリエルやサリナと雑談していると、ようやくセラが綺麗になったようだ。



「さて、じゃあジェシカちゃんを……」


「待つんだセラ、先にカレン達と戦っているタコ足を何とかしなくちゃなんだ」


「え? でもジェシカちゃんの方が辛そうに見えるわよ、なのにどうして?」


「……何となくだ」



 呆れた表情で風の刃を放つセラ。


 高速で飛んだ刃は一番前で戦っていた2人の間をすり抜け、相手をしていたタコ足を完全に根元から切断した。


 その瞬間に飛び退いたのはカレンとマーサ、タコ墨が発射されたのだ。

 またしても真っ黒になり魔法が使えなくなったセラ、今は洗浄待ちをしている。



「主殿ぉ~っ! もしかしてわざと私を後回しにしていないか?」


「あ、バレた? はい正解者に拍手!」


「なんと悪辣な異世界人だっ! 後で絶対に仕返ししてやる!」



 攻撃されながらプリプリと怒るジェシカを眺める。

 なかなか良い光景だ、これをつまみにして酒を飲みたい。



「おい、次は一気に片付けるぞ、リリィも洗うんだ……てかどこ行ったんだアイツは?」



 あたりを見渡すと、すぐ近くの建物に自分の足型を付けて遊んでいるリリィを発見した。


 墨を補充しに戻ってきたところを捕まえ、精霊様が水を掛ける。

 住人が帰ったとき、家にドラゴンの足型が着いていたらどう思うか考えなさいよ全く……



「これで攻撃班は3人共洗い終わったわね、さて、どう攻撃するのかしら?」


「また墨にやられたら振り出しだからな、セラとユリナはリリィの後ろに隠れるんだ」



 既に汚れちまった俺、それからミラ、マリエル、サリナも攻撃班の2人を守る盾として協力する。


 初手はリリィのブレス、それを受けた敵が墨を吐いた後でセラとユリナが後ろから飛び出し、止めを刺す作戦だ。



「お、早くしないとジェシカが気を失いそうだぞ」


『それじゃ、そろそろやりますよ~っ!』



 先頭に立ったリリィのブレスが炸裂する。


 巨大タコの頭部分に炎が直撃し、色的な意味で真っ赤に染まっていく。

 たまらず仰け反ったタコ、墨を吐くのも忘れてしまったようだ。



「あぁぁっ! すっごい締め付けだ、これじゃおっぱいが潰れてしまうぞっ!」


「ヤバいっ! セラ、ユリナ、タコの頭に全力で攻撃するんだ!」


「この期に及んでジェシカちゃんを直接助けることはしないのね……」


「ああ、その方が良い気がしたんだ、何となくだがな」



 ちょっとだけ気合を入れ、ファイナルアタックとなる攻撃を放つセラとユリナ。

 レーザービームでデタラメに焼かれ、巨大な風の刃を受けたタコ。


 普通の敵ならもう跡形も無くなっていそうな程のエネルギーであったが、やはりこのタコはどんな攻撃も効き辛いようだ。


 セラの放った刃を受けて、ようやく眉間がバックりと割れた。



「よっしゃ! 良い所を裂いてくれたな、あそこならもう一撃で終わりだ!」



 聖棒を突き出しながら駆け出す。

 タコの眉間の裂け目に強烈な突きをお見舞いしてやった。



「あっ、ちゃんと締まったようです!」


「もう大丈夫だな、だが念のため焼いておこう、リリィ頼むぞ」


『は~い!』



「ちょっと待ってくれ主殿、本当に倒したのか? まだ足が私に絡みついているんだが……」


「まぁ、そりゃタコだからな、〆た後もしばらくは足が動くさ、頑張って脱出するんだな」


「そんなぁ~っ!」



 先程まではミラも絡まれていたのだが、相手がタコ足2本のみであったため、切れた後にスッと脱出することが出来た。


 だが、ジェシカに絡みついた足は4本である。

 ちょっと気合を入れないと抜け出せないであろう……



 リリィのブレスで焼きタコを作り、しばらく待つ。

 ようやくジェシカに絡みついたタコ足が力を失った。



「あぁ~っ、本当に辛かったぞ、主殿、この埋め合わせは必ずして貰うからな」


「へいへい、わかりましたよ、あの姿を堪能させて貰った分はきっちり払ってやろうじゃないか」


「うむ、期待しておくからな」



 墨で真っ黒のままその場にへたり込む。

 精霊様ももう疲れてしまったようだ、しばらく待たないと洗ってくれそうにない。



 遠くの海に船影が見える……ドレドの船だ、ギリギリでタイムリミットに間に合ったようだな。



 徐々に近付く船影を眺めながら雑談しておく。

 ドレドの船は、それからおよそ30分後に港に入った……



「皆さん、どうしてそんなに真っ黒なんですか?」


「いやぁ、ちょっと海で遊んでいてね」


「それで魔ダコに襲われたと」


「何だ、そういう名前のタコだったのか」


「もしかして知らずに戦っていたんですか? よく勝てましたねそれで……」



 どうやら専用の倒し方があったようだ。


 餌をやって口をあけたところを狙い、そこに棒や槍などを突っ込めば、一撃で倒すことが出来るとのことであった。



「誤魔化そうとしないで最初からドレドちゃんを呼ぶべきだったわね」


「そういうことらしいな……」



 そのまま船に乗るなと怒られてしまったため、精霊様がやる気を取り戻すのを待って全員を洗浄する。



「主殿、もっと丁寧に洗ってくれないか、何か痛いぞ」


「吸盤に吸い付かれた所が赤くなっているんだ、ほら、こことか」


「うぅ~っ、ヒリヒリするぞ」


「後でルビアに治療して貰うんだな」



 俺は戦闘中にふざけた指示を出した罰としてジェシカの体を洗わされている。

 まぁ我慢しよう、おっぱいプルンプルンを追加で堪能出来るのだからな。



 全員綺麗になったため、船に乗り込んで出航した。

 徐々に遠ざかる港町に、到着した王国軍の駐留兵が入って行くのが見える。



 俺達はトンビーオ村を経由し、そこに停めてあった馬車で王都へと帰還した……



 ※※※



「ただいまぁ~っ、何だか久しぶりに帰ってきた気がするな」


「あらおかえり、ついさっき王宮の兵隊さんが店に来たのよ、勇者様が帰ったら王宮へ来るように伝えて欲しいって」


「うわぁ、早速呼び出しかよ……」



 せっかく屋敷に帰り着いたというのに、シルビアさんから大変残念な話を聞かされてしまった。

 仕方が無い、荷物を置いたらすぐに向かおう。



「ということだ、ジェシカ、馬車を出してくれよな」


「う~む、さすがにイヤとは言えんのだが……」



 外で待っている間のお小遣いとして、銅貨を1枚奪われた。

 とりあえず出発である。



 王宮へ着くとすぐに王の間へと向かった。

 今回呼ばれたのは俺だけのようだ、いや、もう皆帰った後なのか?



「おぉ、ゆうしゃよ、毎度ご苦労なことじゃ」


「おう、それで用件は何だ?」


「ふむ、昨日ブリブリ共和国からの正式な宣戦布告があっての」


「今更かよ、とっくに始まっているじゃないか」


「それがの、我らの軍が攻撃したのは商船だと言い張っておるようなのじゃ」


「どこに火を吹く筒を載せた商船があるんだよ!」



 凄まじい言いがかりである、ふざけんじゃねぇよゴミ国家め。

 そのうちこちらから攻め込んで国土を蹂躙してやろう。



「王よ、話はそれだけではなかったはずじゃ、勇者にアレを見せた方がよろしいかと存じますぞ」


「何だよアレって?」


「共和国側からの宣戦布告に際して届いた文書じゃ」



 そんなの俺には一切関係ないはずなのだが?

 まぁ見せてくれるというのであれば後学のために見ておこう。



 しばらく待つと、階級の高そうな兵士が筒に入れられた文書を持って来る。

 これが宣戦布告の証書か、特に変わったところは無いような気もするが……



「勇者よ、その文書の作成者を見てみると良い」


「作成者……作成者……おっと、これか!」



『元老院議員 インフリー』であった、もしかしてまた奴なのか?



「以前もその男の名前が出たじゃろ、実はあの後こちらでかなり調べたんじゃが、おそらくそれは同一人物じゃ」


「マジかよ、新生大聖国の次はブリブリ共和国か、どうしようもないクズ野郎だな!」



 王宮では既にこの男がデフラの兄であり、さらにはつい最近ブリブリ共和国の元老院議員に当選したという所まで掴んでいるらしい。


 突然現れて圧倒的な支持率を得たというのだからかなり目立ったのであろう。

 それでこちらの情報網にも引っ掛かったという訳だ。



「あと勇者よ、共和国は魔族とも協力していると言ったじゃろう」


「ああ、そういえば縦ロールが白状していたな」


「その魔族、どうやら身分は大魔将じゃぞ」


「マジかよ……向こうからは攻めて来ないんじゃなかったのかよ」


「確かに攻めてはおらん、ここを見るのじゃ」



『協賛:魔王軍大魔将 ()()()()()()()()()()()()()()



 何だ暗黒博士って、アレだろ、闇とか暗黒とかそういうのを頭に付けとけば良いと思っているだろう、絶対にこれがカッコイイとか思っているだろう。


 というか協賛って何だよ、もしかしてあの弩とか火を吹く筒とか、それから蒸気船なんかもコイツが作ったのか?



「さて、言いたいことはわかったかの?」


「つまりさ、前々から追っていたインフリーと、それから大魔将が今回の黒幕だったということだな?」


「うむ、そういうことになる」



 インフリーと大魔将が絡んでいるというのであれば、これはもう俺達が黙っている訳にはいかない。

 ここからも王国軍と協力して敵の討伐に当たれということだ。


 たとえ大魔将が直接攻め込んでくるのではないとしても、敵国に武器等を供与している可能性があるのならば、共和国との戦争と大魔将討伐は関連事項といえよう。



 そして敵は共和国、というよりもその中に居るインフリーだ、これまで散々コケにされてきたからな。


 だが今回は元老院議員という肩書きを持っているようだ、そう簡単には逃げられないであろう。

 今度こそ奴を仕留めるんだ、あとついでに大魔将も。



「とりあえずさ、一旦帰って大魔将に関する情報を集めておくよ、また前回のアクドスみたいにちょっと有名な奴かも知れないしな」


「わかった、じゃがちょっと待つのじゃ、おぬしに預けておきたいものがある」


「何だ? 食べられるものだったら持ち帰った後の保証はしないぞ」


「いや違う、そこな兵よ、連れて参れっ!」




 ……縦ロールの身柄を押し付けられてしまった、まぁ良い、帰ってシルビアさんに再委託しよう。



「ちょっとあなた、どこへ連れて行くというの? 早く解放しなさいと言ったはずよ!」



 なるほど、王宮の方では全く手に負えないため、厄介払い的に俺のところへやって来たのだな、この女は。



 兵士から手渡された鎖の先端を引っ張り、縦ロールを引き摺って馬車へ戻る。


 御者台で菓子を食べていたジェシカは予想外のお土産に困惑していたが、ただ預かっただけだと告げると納得していた。

 こんなの貰って来たりはしませんよ……




 屋敷に帰り着くと、すぐに縦ロールを馬車から降ろす。

 抵抗しやがる、ジェシカと2人で抱えて連れ出した。



「ただいま~っ、あ、シルビアさん、ちょっとお願いがあります、コレ預かって下さい」


「あら、何かしらその子は?」


「今回の敵国の軍人ですよ、捕虜にする価値はないんですが、殺すのもアレなんで」


「わかったわ、じゃあこっちへいらっしゃい」



 鎖の先端をシルビアさんに渡すと、そのまま店の方へズルズルと引っ張って行ってしまった。


 ちなみに、余計なことを口走らないよう猿轡を噛ませてあったため自己紹介などはナシだ。

 きっとそのまま鞭で打たれ、強制労働もさせられるのであろう。



「さて、ちょっと今の話を皆にしないとだな、ジェシカ、一応デフラも連れて来てくれ」



 屋敷の2階に上がり、パーティーメンバーを集める。


 アイリスが出してくれた茶を飲んでいると、デフラを連れたジェシカもやって来た。

 これで全員揃ったため、先程王宮で聞いてきた話を全て伝える。



 皆の表情から察するに、1人として違うことなく『またアイツかよ』と思っているようだ。

 まぁ、こう何度も敵対されれば当然なのであろうが。



「でもご主人様、私達はそのインフリーという方に会ったことがありませんよね?」


「そう、そこなんだよ、これまで何度も名前が出てきたのに、一度も姿を見せていないんだ」


「ふむふむ、かなり警戒心が高いんですよね」


「だがな、今回は共和国の元老院議員という肩書きを持ってしまっているんだ、これはチャンスかも知れない」


「おぉ~っ! パチパチ」



 とりあえず、といった感じで拍手をするルビア。

 わかっているのかいないのか……



「それで勇者様、そのチャンスをどう活かすのよ?」


「知らない、でもさ、次にどこかへ戦いに行くときにはデフラも連れて行こうぜ」



「私ですか? 別に構いませんが……」



 ここに居る中で唯一インフリーに会ったことがあるのは妹であるデフラだ。

 遠巻きにでも敵軍の中に居る奴を確認し、どれがそうなのか教えてくれればそれで良い。



「どうせアイリスも連れて行くんだ、戦闘が始まった際には一緒に避難すれば大丈夫だろう」


「わかりました、では次回以降、しばらく遠征にお供しますね」


「うむ、頼んだぞ」



 ブリブリ共和国はわざわざ宣戦布告をしてきたのだ、しばらく待っておけばそのうちまた攻めて来るであろう。



 この戦争で大魔将に直接ダメージを与えられるとは限らないものの、共和国軍に協賛しているというのだ。

 それを打ち破れば多少の損害にはなるのではと期待しておくこととしよう。



 ひとまずはいつ、どこから敵が攻め込んできても対応出来る準備を整えて待機だ。



 麻薬半島から始まった防衛戦も一旦終わり、ここからは新しいフェーズに突入する……

ここまで読んで下さった方、ありがとうございます。


次の話からは章を変え、ようやく因縁の敵と戦うことになります。

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