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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十九章 島国
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1208 微妙な神

「我等ゴーレムを収集する者共也、最後のパーツである当該ゴーレムのCHING-CHINGを求め、この地を訪れたり……よってそこを退けハゲ共」


「何言ってんだコイツ? バグってんのかこの野郎?」


「……そういう厳格な感じのアレだと思ったんだがな、そういうのは格好だけだったのか、中身は普通に頭の悪い天使だったのかお前等」


「ちょっ、コイツ下界の存在の癖に舐めてんじゃねぇよオラッ、この地を統べる神に仕えるこの武装神官天使を何だと思ってんだっ! あぁんっ?」


「神官なのか天使なのかハッキリしろ、その辺りの両立は難しいはずだ……まぁ、神官ならば翼を毟り取って捨てる、天使ならその仰々しい神官服を脱いで全裸になって、そっちで燃えている篝火にでも飛び込んで焼け死ね」


「調子に乗りやがって、貴様等が死ねっ! キェェェェッ!」


「あの、どうして私なんですか? ひとまず自分の首でも捻じ切って死んで下さい」


「キェッ? えっ? 手が勝手に……首が捻れて、そんなっ、ギョェェェッ!」


「馬鹿なんじゃねぇのかコイツ? わざわざ後ろのサリナから狙うとか」


「パッと見て弱そうなキャラを狙う習性があるんですのよ、雑魚キャラって」



 ということでまず、移動した先にあった地面の大穴を警備していた天使を1匹、カウンター攻撃というかたちで殺害してやった。


 まだ何匹か同じ天使が残っているのだが、天使なのに神官の格好をして、厳格な雰囲気でそこに立っているハゲが、まさか単なる雑魚であるとは誰も思うまい。


 というか、こんな場所にただただポッカリと口を開けているだけの大穴に用がある神界の存在などなく、きっとこの天使共はこれまで相当に暇していたことであろう。


 で、久々に出現した訪問客に対して舐めた態度を取り、見た感じで最も弱そうであるサリナに攻撃を仕掛けてしまったことで、まず最初の1匹が悲惨な方法をもってこの世を、神界を去ることになったのだ。


 残ったクソ雑魚ハゲ天使は3匹、そのうち2匹の背後から、何やら赤い揺らめくものが……ものというか炎だな、背中に火が着いているではないか。


 もちろんやったのはユリナで、妹をいじめようとした奴の仲間を許さないという意思表示なのであろうが、当の天使2匹はそのことに気付いていない。


 だが少しずつ火勢が強まり、そろそろ分厚い神官服を貫通して熱さが……と、ここでようやく片方が事実に気付いたようだ……



「あっ、あぁぁぁっ!? 背中に火がっ、熱いっ! 熱い熱い熱い熱いっ、ギャァァァッ!」

「おっ、俺もだっ! ギョェェェッ!」


「フンッ、無様に燃え尽きると良いですの……それからそっちのパニックになりながら転がっている天使、あなたには何もしていませんわよ」


「ギャァァァッ! ギャァァァッ……あっ? ホントだ……フハハッハッ! いくら貴様でもこの我には攻撃が通らなかったということカっ! 我は無敵神からの寵愛を受けし伝説の天使也! 平伏すが良い我が力の前にっ!」


「馬鹿なんじゃないですのコイツ? あなたは情報を引き出すために残したにすぎませんのよ、用が済んだらサッサと殺してしまいますわ……ということでご主人様、こんなのとはもう話したくありませんから、ササッと事情聴取の方を」


「おう、てめぇマジでコラ、粋がってんのもたいがいにしろよオラッ! まずは……ここを管理している神について様々なことを教えろ、どんな奴なんだ?」


「おっと、最強天使であるこの我に楯突くような言動は……あれっ? 指差そうと思ったら指がない……指がないぃぃぃっ!?」


「おうよ、それでどうなんだ、早く答えないと今度は耳がなくなるぞ、右か左かどっちかのな」


「ひぃぃぃっ! 何という呪いだっ、貴様のような雑魚にそんな呪いが使えて……耳がぁぁぁっ!」


「ミミガーじゃねぇんだよこの豚が、早く答えろオラ」



 手の指全てと片方のミミガーを失い、ようやくこちらとの力の差に気付いた様子のゴミハゲ天使。

 ちなみに切除されたミミガーはもう仁平がムッシャムッシャと咀嚼している。


 で、そんな天使が言うには、この大穴とその付近を管理している神というのは女神であって、しかも最先端の技術で自らまでちょっとだけ改造してしまっているタイプのヤバい奴なのだという。


 その名も『ロボテック女神』明らかにまともではないその名前から、きっと凄まじくメカ系の何かが出現すると思ってしまった。


 だがそうでもないらしいというのは、そのロボテック女神の名を聞いたドM雌豚尻の神の反応からわかったのである……



「……これは懐かしい響きですね、本当に懐かしい、古の友ですその神は……あっ、失礼致しましたっ、私のような雌豚が勝手に発言など、到底許されるようなことではありませんでしたっ! どうか鞭でお仕置きして下さいませっ!」


「それは良いが……その神、えっと、ロボテック女神だったか? それとお前は知り合いってことなのか? ロボなのに古の友?」


「えぇ、当時は最新であった機械文明も、今ではすっかり衰えてしまいまして、彼女もさぞかし辛い思いを……いえ、私と同じMですから、そういう状況に追い込まれたことを喜んでいるのかも知れませんね」


「しかし、そいつがババァ神の息の掛かった存在に成り下がっているとはな……おいドM、お前何とか説得して投降させろ、言うことを聞けば縛って叩いてやるとでも言ってな」


「畏まりましたっ、それで……ロボテック女神は今どちらに居られるのでしょうか? そこの天使の方、どうかお教え下さい」


「そこっ! すぐそこにっ、地中にハウスごと隠蔽しておりますっ! というか、この様子を改造天使であるこの我のCHINGスコープから……あ、スタンドアローンだったわ」


「どこにスコープ付いてんだよお前はぁぁぁっ!」



 股間のアレが改造され、望遠鏡のような状態になっていた神官系変態ハゲ天使……というかその『スコープ』の先端を外に出していたということは、チャック全開でフル○ンの状態であったということではないか。


 途轍もなくイヤなものを見せ付けられてしまったのだが、その途轍もなくイヤなものがスタンドアローンであったという話はイマイチ笑えない。


 この天使はこんなハゲに成り下がってもなお、それがスタンドアローンを貫き通すような存在であったということなのだ。


 で、そんな馬鹿はどうでも良いとして、ひとまず感覚を頼りに、適当にそのロボテック女神のハウスが隠蔽されている場所を探して回るのだが……どうやら外からどうこう出来る状態ではないらしい。


 肝心の生き残り天使がスタンドアローンであるせいで、もはやロボテック女神に通信を繋ぎ、呼び出すということは不可能に近いであろう。


 こうなればもう、どうにかしてその地中に隠されたハウスを発掘してやる以外にないのだが、なかなか骨の折れる作業ではないか。


 ひとまずそれが普段どの辺りに埋まっているのかというざっくりした情報を、もはやその情報を提供する以外に存在価値のなくなったスタンドアローンハゲから聞き出そうと思ったのだが……ハウスは地中にて地味に移動する形式らしい。


 ただ職務遂行上の都合により、さすがにこの大穴の周辺から離れることはないとのことであるから、この付近を重点的に捜索していくしかないであろう。


 最も効率の良い探し方としては、地面を殴ってクレーターを作ってみて、その際にハウスの一部が出現したり、拳が何か硬い物に当たったりなどしないかを確かめる方法である。


 また、これによって発生する振動の具合などから、カレンやマーサの聴力を用いて付近に何かないかということを探るのも容易ではなかろうかといったところだ……早速やってみることとしよう。



「うぉぉぉっ! どりゃぁぁぁっ! はぁぁぁっ! とぉぉぉっ……て皆もやれよな、その方が効率が良いだろうに」


「良いじゃないの別に勇者様だけで、手とか汚れちゃうとイヤだし、それにほら、そこの所何かヘンよ、埋まっているものがあるみたい」


「ホントだ、何か確実な人工物があるな、ちょっと周りの土を退かして……単なる宝箱じゃねぇかっ!」


「誰かのタイムカプセルのようですね、えっと……200万年程度前にどこかの神が埋めたものだと書いてあります、絶対に忘れていますねこれの存在を」


「全く、だが中身は気になるから開けてみようぜ、はいオープンッ! って何だこの化石みたいなのは?」


「給食のパンの食べ残しを詰めていたようです、それからこっちはカブトムシの死骸、このカッサカサのは牛乳パックですね、これも給食を余らせたものなのでしょう」


「ろくでもねぇ奴だな、てか200万年前にあってもパンとか牛乳とか、どこかの下界で食っていたようなものを給食で出していたんだな」


「えぇ、当時を懐かしむ神々も多いと聞きます、それから機械文明とかもその頃の流行であったと、全身をメカニカルな感じに改造していた神が多かったとも聞きます」


「どうなってんだよ神界の200年前……で、今探しているロボテック女神もその頃のアレで……というかそのわけのわからんブームを作ったのがそいつなのか、へぇ~っ」


「勇者様、どこにそんなこと書いてあるの?」


「いやさ、宝箱の底の方にあった日記でな、俺達にも読める文字だぞ、ちょっと埃臭くて汚いけどまだ読める……てかこのタイムカプセル、ロボテック女神のものだったのかっ!」


「そこまで日記を読んでおいて、ようやくそのことに気付くとはどういうことですか勇者よ」


「知るか、しかしアレだな、てことはそのロボテック女神、この近くに埋まっている可能性が……と、宝箱に紐付いてんぞ、引っ張ってみようぜ」



 タイムカプセルがロボテック女神のものであったということが発覚した直後、それに紐のようなものが付いているということがわかったため、ひとまず引っ張ってみることとした。


 グイッと手繰り寄せるとメキメキと地面が割れ、そしてその向こうから、ある程度のサイズのプレハブのような人工物が出現したではないか。


 これは間違いなくロボテック女神のハウスだ、タイムカプセルのことを忘れないように、移動の際には自宅と一緒に移動するかたちにしていたのであろう。


 そしてプレハブ様のハウスは完全に地面から出て来て……ひとまず持ち上げてドカッと、地表においてみたのだが……うっかり生き残りのハゲ天使を潰してしまったようだ、まぁ、それは問題にはならない。


 で、ハウスの中には人、でなく神の気配がしていることから、ロボテック女神は間違いなくその中にいると判断して、入口なのであろうドアをノックしてみる……



「おい居るかっ? 居るなら返事しやがれ、そしてここを開けろっ」


『あ、はーいっ、お客さんですかーっ?』


「無理矢理掘り起こされてハウスごと地面に置かれて、それでその反応なのはどうかと思うが……とりあえず大切なお客様だ、とっとと開けろ」


『わかりましたーっ』


「開くわよ、どんなメカメカした神が……って普通の美少女タイプじゃないの、どこがロボテックなのかしら?」


「あ、どうもどうも、もしかしてオーバーバー神様が言っておられたホモだらけの仁平神一派の方々ですか? というかみた感じでおそらく……あれっ? あなたはもしかして……」


「そうです、私はマゾ狩りに遭いそうになって行方を眩ましていたドM雌豚尻の神です、お久しぶりですね、ロボテック女神よ」


「おぉっ! まさか本当にっ、しかも感動の再会シーンでまさかの敵同士とかっ、どんな激アツ展開なんですかこれっ? ひとまず中へどうぞ、大丈夫です、このハウスは亜空間になっていますので全員はいることが出来ますよ、えっと、私が使用している天使の方々は……どこへ?」


「3匹は普通にブチ殺した、残りの1匹はこのハウスの下でペチャンコになってんぞ、もう助からないだろうけどな」


「なんとっ、既に戦闘は始まってしまっていたのですねっ、なんと恐ろしい、こんな血で血を洗う戦いに巻き込まれることになろうとは、つい先程までは夢にも……あ、紅茶とグリーンティー、どちらにしますか?」


「全然緊張感のない敵キャラだな……まぁ良いや、とにかくお邪魔するのと、それから敵として捕縛させて貰うからそのつもりで」


「どうぞどうぞ、ですがまずはごゆっくり」



 本当に敵意の類が一切感じられないうえに、普通に美少女のようであってどこからも『ロボテック』の雰囲気が感じられない不思議な神であった。


 しかも敵だというのに、特に毒などが入っているわけではない茶を当たり前のように提供してくれるのだから異常だ。


 何か裏があるのではないかと、最初はそう思ったのであるが、純粋にドM雌豚尻の神と仲が良いだけであるということが、その態度などから次第に判明してきた。


 どうやらこいつとは戦わなくて済みそうだなと、そうも思ったのだが、これから俺達が突入する地面の大穴と、その先にある魔界、さらには目的物であるゴーレムのCHING-CHINGについて、最低限の情報を引き出すことはしなくてはならない……



「それで、いつまでもこんな所でもてなしされているわけにはいかないんだよ俺達は、お前、まず自分のどこがロボテックなのかとか、その辺りから順次話し始めてくれ、良いな?」


「そうですね……たとえばこの腕、一見すると普通に生身の腕のように見えますが……このように変化します」


「おぉっ、何か知らんが薄い板状になったぞ、それでどうするってんだ?」


「オーブンの中からピザとかパイとか、取り出す際に凄く便利です」


「……他の用途は?」


「まぁ、私もこちらのドM雌豚尻の神と同じようにドMなので、これで自分のお尻を引っ叩くぐらいしか……あまり使えませんね」


「それで他は?」


「まぁ、反対側の腕、右腕の方はもっと凄い変化をしますよ、伸縮自在な刃物になって、これで切る、刻む、魚を捌くなど様々な用途がありまして、まさにオールインワンの神界最強包丁といったところでしょうか」


「まるで役に立たないであろうということは良くわかった、もちろん戦闘面での話な」


「申し訳ありません……というかどうして敵の方に謝っているんでしょうか自分の弱さに関して……とまぁ、私のような旧時代の遺物はこの程度ということです、なんといってもこのボディーのロボテック部分の動力、単なる核融合エネルギーですから、昔は流行ったんですけどね……」


「そんなもん最新じゃねぇのかっ? やべぇぞ、夢のエネルギーじゃないかっ!」


「落ち着きなさい勇者よ、魔法が無く科学を主体としている世界において、あなたが前に居た世界ほど遅れている場所はありませんよ」


「いやだからって核融合エネルギーが古臭いみたいな扱いじゃ……」


「そんなもの、通常の世界ではまだサルなのかゴリラなのか、もしかしたらヒトなのかも知れない程度の槍持って腰に毛皮巻いたおっさんが、日常生活でごく普通に使用しているものですから、人類とされる存在が『火』の次、数ヵ月後には手に入れるようなカス技術ですから」


「色々とおかしいと思うのは俺だけか……いや、俺の常識の方がおかしいってのか他の世界では」



 何だかとんでもないことを聞いてしまったような気がしなくもないのだが、ひとまずこのようなことは忘れて、俺は俺の常識の中で生きて行くこととしよう。


 まさか原始人クラスのおっさん共が、ウホウホ言いながら巨大施設を建造、核エネルギーを抽出して日々の生活に……そのような世界は滅びてしまえば良いのだ。


 だがまぁ、少なくとも現在の俺の世界、転移して来た先の世界においては、魔法の存在によってそのような技術など不要極まりないものであるから、しばらく経てば今回の衝撃も忘れ去ることであろうな。


 で、ロボテックであるということの次にこの神に聞きたいのは、これから俺達がゴーレムのCHING-CHINGをゲットしに行くのを邪魔したりしないかということ、そしてむしろ強力的な態度を示してくれるのかということだ。


 事実上の敵であって、ババァ神の配下になってしまっているのであろう現在のロボテック女神にとって、さすがに何の理由もなくこちらに寝返るというのは難しいことであろう。


 だが敗北して捕らえられ、そこで拷問されて情報を引き出され、さらに嫌々協力させられているというのであれば、基本的に体裁は保たれるはず。


 そのことも踏まえて、ここで少しばかり話し合いをしてから次のお互いの行動を決めておかなくてはならないということだ……



「……でだ、お前は今俺達の敵になるわけだが……これからどうしたい?」


「もちろん、敵とは戦わなくてはならないですし、その敵の中に親友が居たとしても、それは宿命であって致し方ないことなのです」


「そうかそうか、ちなみに俺はお前の弱点……ではないな、隠された秘密を握っているのだ、何だかわかるか?」


「私の……秘密?」


「お前、給食のパンとか牛乳とか残しまくって、しかも宝箱に入れて埋めただろう」


「ひぎぃぃぃっ! なっ、なぜそれをっ! まさかあのタイムカプセル、あと100万年後ぐらい先まで放っておいて、パンを残して隠していたのなど笑い話になった頃に開けようと……それを見てしまったというのですかっ!?」


「そういうことだ……それを踏まえたうえでどうしたい?」


「へへーっ、畏れ入りましたっ、何なりとお申し付け下さいっ!」


「うむ、じゃあ手を前に出してみろ……よしルビア、縛ってしまえ」


「あ、はーいっ、巻き巻きしましょうねぇ~っ」


「はい、お願い致します」


「それで、ここからはもう何でも言うことを聞くしかないよな?」


「はい、仰る通りです」


「うむよろしい、じゃあどうしようか……」



 こうして簡単に敵の神、ロボテック女神を捕縛することに成功した俺達であった、実にチョロいではないか。

 で、コイツをここからどのように利用していくのかについて、意見を出し合って決めることとしよう……

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