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留守番したら異世界でした。  作者: 上城樹
第二章 リガルの砦と私
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36.異世界のトイレとシャワーが…。

 おいしいとは言えない料理をちまちまと食べている間に、アルベルトとフォルスは通常の3倍サイズはありそうな特大ステーキと籠に盛られたパンをペロリとたいらげた。


 思ったよりボリュームがあり、また想像していた味と違ったため普段より食が進まず私が残してしまった料理はフォルスが食べてくれました。


 アルベルトの時も思ったけど男の人の食欲って本当にすごい。





 食事を終え、アルベルトに案内されたのは、リガルの砦にあるちょっと広めの個室だった。


 フォルス? 彼はこれから寄らねばならないところがあるとかで、カッツェでお別れしました。

 顔がにやけていたので女性関連ですかね。


 室内にはベット、机備え付。さらに、ありがたいことにシャワー室とトイレも付いていた。おそらく客室だろう。

 机の上に家を出発する際フォルスに預けた荷物が置いてあった。


 ……いつの間に荷物この部屋に運んだの。


「滞在中はこの部屋を使ってください」

「はい、ありがとうございます」

「使い方を説明しますので、こちらへ」

「はぁ」


 ごく自然にアルベルトに手を握られ引っ張られる。

 この世界の人はスキンシップ多い。


 トイレは洋式だった。使用した後に浄化魔法が自動で発動して綺麗になるようになっているそうです。

 水とか流さなくても綺麗になるとは、異世界のトイレすごいね。


 シャワー室は魔宝石に触れると固定されたシャワーヘッドから温水が出る仕組み。使い終わると自動で浄化魔法が発動するから掃除必要ないそうです。

 浴槽はなかった。残念。


 あれ、なんか日本よりトイレとシャワー便利じゃ……。

 

「では、明日朝食の時間になりましたら迎えに来ます」

「はい。今日はありがとうございました。おすみなさい」

「どういたしまして、おやすみなさい」


 最後に手の甲でするりと頬をひとなでして、アルベルトは去って行った。

 私はその場で5分ほど石像のように固まっていました。


 ちょいちょい、心臓に悪い行動するのやめてくれないかな、イケメン免疫ないから。 



 シャワーを浴び、用意されていたラフなワンピースに着替え、スマートフォンを右手に握り締めて備え付けのベットにダイブ。


 あー冷たいシーツが気持ちいい。


 今日はもう、全身疲れてぐったりだ。本当に疲れた……特に顎の筋肉が。

 日本の柔らかい牛肉に慣れていた私にとって、この世界のお肉は強敵でした。


「うーむ」


 体の怠さと睡魔が、私を襲う。

 約1ヵ月のゲームして食べて寝てのグウタラ生活は、元々少なかった体力をさらに削ったようだ。


 うとうと夢と現実の狭間をゆらゆらしていると、音が鳴るといけないからとバイブ設定にしていたスマートフォンが振動した。


 いっくんからのメールだ。

 閉じかける瞼を無理やり開けて重たい体を起こしスマートフォンをタップ。


〝りがるのとりで とうちゃく おめでと いち ぽいんと ぞうてい〟


「おぉー。ありがとういっくん、そしてやったぜ初ポイントゲット」


 これこれ、これだよ。私が安全地帯を出た理由8割は、このポイントを手に入れるためだ。

 残り2割は1人の生活が寂く人恋しかったからである。ずーっと1人は耐えられないからね。


 このポイント町や村を訪れると1ポイント、王都に訪れると5ポイント貰え、10ポイント貯まるごとに、ゲームソフト2本(神監修、月刊ゲームソフト売れ筋ランキング100から選ぶことが可能)が、50ポイント貯まるとなんとゲーム機本体が貰えるのだ!

 ただし同じ場所を訪れてもポイントは貰えない。


 ご褒美がないとヤル気でないとごねたら、いっくんが上の神様に掛け合ってくれた。そして昨日めでたくポイント貯ったらご褒美システムを導入が決定したのです。

 言ってみるものですね。

 ちなみにポイントは、いつのまにやらダウンロードされていたアプリで確認できる。


 やったね。ありがとう、いっくん最高。


 ……それにしても、神監修、月刊ゲームソフト売れ筋ランキング100って何をしているのやら。神様もゲーム好きなんですかね。もしくは暇なの。

 ちょっと気になる。


  若いうちに沢山ポイントを貯めて、瞬間移動できる地域を増やし老後は安全地帯で暮らしながら、のんびり各地を観光する。これがこの世界で立てた私の目標である。


お読みくださりありがとうございました。

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