表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
留守番したら異世界でした。  作者: 上城樹
第一章 異世界と私
10/48

9.武器は塩。重曹も可。予備でガスバーナーを装備しましょう。

 敵、巨大ナメクジ現在人間捕食中。


 巨大ナメクジは餌に夢中で動かない。


 紗希のターン敵を攻撃


  蹴る

  素手で殴る

 ⇒投石(砂利)

  ザルを投げる


 敵のねばねばボディ効果により投石は無効化された。


 ダメージはゼロである。


 巨大ナメクジは餌に夢中で動かない。


 紗希のターン敵を攻撃


  蹴る

  素手で殴る

 ⇒投石(砂利)

  ザルを投げる


 敵のねばねばボディ効果により(以下省略)



 


 攻撃が効かない。

 このままだとお骨様埋葬コースまっしぐらだ。


「お願いします! 移動してください! 埋葬とかマジ無理なんで!」


「うぅううぅううぅ」


 駄目元で頭を下げ魂込めて巨大ナメクジにお願いしたら、うめき声で返事が返ってきた。


 異世界のナメクジは人の言葉を理解できるのか。


 思わず巨大ナメクジを凝視すると、それまでピクリとも動かなかった腕がゆるゆると指を動かし握りこぶしを作った。


 動いた。巨大ナメクジに埋もれてる人の腕が指が動いた。

 死んでいると勝手に思い込んでいただけで、もしかして生きてる?

 さっきのうめき声もこの人だよね。……と、とにかく生存確認してみよう。

 

 緊張しつつも中の人に聞こえるように先程よりも大声を張りあげる。


「もしもし、生きてますか! 聞こえてますか!?」


「うぅぅ」


 私の問いかけに答えるように微かなうめき声をあげ、拳でトンっと弱々しく結界を叩いた。 


「っ返事した! 生きてるっ」


 急ぎ身をひるがえし玄関を乱暴に開け靴を脱ぎ捨て台所へ駆け込む。

 ナメクジと言ったら塩! 塩と言ったらナメクジ!


「塩、塩、塩、塩、しーおーっ! 塩はどこだっ!」


 あんなねばねばボディに埋もれていたら呼吸はできない。窒息死する前に助けないと。

 小瓶に入った塩では、あきらかに量が足りない。詰め替え用の塩も残り少ない。

 こうなったら重曹で代用を、と思ったらこちらも残り少ない。

 落ち着け、調味料は腐らないから絶対余分に買ってどこかにストックしてあるはずだ。

 片っ端から戸棚を開け調べる。


「確かこの辺に……あったっ! そうだガスバーナーも、もっていこう」


 戸棚から未使用の塩(1キロ)を取り出し鋏で袋を開け左手で持ち、コンロ下に入っているガスバーナーを取り出し、すぐに塩を投げれるように右手ではなく左腕で抱え込む。


 いざ巨大ナメクジ退治へ。


お読みくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ