39歳バツイチ子持ちだが、まわりの女に煽られる。 (完)
作者さま:崎ちよ
キワード:恋愛 ハーレム? 微エロ注意 戦争 トラウマ 架空日本
あらすじ
帝国陸軍大尉、野中博三。39歳。バツイチ子持ち親権なし。今でも20年前の戦争のトラウマを引きずっている。
そんな彼のもとに離婚して別れ離れになっていた娘が突然転がり込んできた! それだけでなく差出人不明のラブレターが届いたり、部下のカミングアウトがあったり……!?
感想
少しズレた時間軸の日本を舞台にした人間ドラマ。ざっくりした方向性だけで言えば、いわゆる「勘違い&鈍感ハーレムもの」だけど、主人公の年齢と過去によって「鈍感」の理由が肉付けされていて納得感がある。
戦争のトラウマから家庭崩壊した子持ちの39歳とか、ほいほいと女性の好意を受け入れる気にはなりませんわな。
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まぐろの水揚げを見たとき唐突にフラッシュバックを起こし昏倒した。
それが始まり。
それから症状は悪化して、鬱状態になり、入院、休職を繰り返した。そんな中、離婚して妻と一人娘とも離ればなれになってしまった。
自立心の高い女性だった。
実家に帰り家業を継ぐ必要がある。だから、食べていけるから援助も必要ない。
そう言う彼女に対し、情けなく、そしてどうしようもなく、気遣いを感謝しつつ別れを受け入れることにした。
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というか作者さまの設定では「ラブコメ」なんだけど、個人的にはラブコメと表現するには設定と展開が重すぎる……(笑) だからこそ、青春ラブコメとは違う魅力が出てるんだけども。
ヒロインとなる女性たちも、みんな一癖あります。量産型って感じは全然しないですね~。私はエニシさんがお気に入り。良い味出してますよ。
おっさんのくせにモテモテでうらやましい……? いや、モテモテなのはうらやましいんだけど、それ以外の部分がね。
ストーリーの流れも重く、特に終盤の戦争再開パートに入ってからの流れはラブコメの空気じゃない。
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おめおめ生き残った私にも、その勲章ひとつで救われるものがあるのかもしれない。
あの場所でいっしょに駆けずり回り、必死に生きようとして死んでしまった部下たち。
美化するわけじゃない。
あの無慈悲な鉄と血の戦場で、誰が死んでもおかしくない、誰が生き残るかわからない。
生き残った者は、生き残った責任を果たすだけ。
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……いや~、これはラブコメに出てくる文章じゃないでしょう(笑) 戦場の描写にも迫力があり悲惨な状況と苦しい心情が伝わってきます。
やや分類に困る作風ではある。重い空気のハーレムもの、なかなかに個性的な物語です。
状態:完結
文字数:175,958文字
作品URL
小説家になろう https://book1.adouzi.eu.org/n2591ch/
カクヨム(加筆された第0章あり) https://kakuyomu.jp/works/1177354054884217546




