ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん (完)
作者さま:すず
キーワード:恋愛 ファンタジー 乙女ゲー 悪役令嬢? ツンデレ 書籍化作品
あらすじ
高飛車で誤解されがちな令嬢「リーゼロッテ」。その婚約者である王子「ジークヴァルト」は、ある時謎の声が聞こえるように!? 彼女の内心が暴露されると、実は親切で優しく、そして王子のことが大好きだった!
感想
乙女ゲームの実況解説がキャラクターに聞こえてしまうというアイディアがすごく面白い。
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「いくら婚約者といえど、人目のあるところで気安く私に触れないでいただけますか?」
『そういいつつも表情はまんざらでもなさそうだ!
なのになぜ素直にかわいく嬉しがることができない……!』
『彼女はツンデレですからね。
恥ずかしさが閾値を越えるときつい言動をしてしまうのでしょう。
ただここでおさえたいポイントは、人目がないところであればかまわないと言ってるも同然ということです』
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『ツンが強い!ツンが強いぞリーゼロッテ!
これはさすがにやりすぎかっ!?』
『リーゼロッテの今の言葉、単に“私もまぜてー”という意図なのでしょうが、婉曲過ぎる物言いと日頃の尊大すぎる振る舞いとで完全に誤解されてますね。
これでまた殿下のリーゼロッテに対する好感度が、がくんと下がったと思われます。
これは由々しき事態です……!』
緊迫した空気の中庭に、突然奇妙な男女の声が響いた。
力強い印象の男性の声と、落ち着いた印象の女性の声。
このときより天から降り始めたこの対照的なようで絶妙に噛み合った2つの声は、後に『実況の遠藤くんと解説の小林さん』としてこの国の歴史書に記される、偉大なる2柱の神々のものであった。
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ううむ、天才的アイディア! 実況解説のセリフ回しが実にそれっぽくて序盤から面白すぎる! 冷え切った空気になるはずのシーンが、爆笑甘々に! こういうセンスある人は本当に尊敬しちゃいます……
そして、解説されちゃうリーゼロッテがとてもかわいい! ツンデレ優しいリーゼロッテと、そのかわいさに胸を打ちぬかれまくるイケメン王子のジークリンデ。
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「まあ、きゃあきゃあと騒がしいこと。
私のいた図書室までこの騒ぎがきこえてきましたわ」
ばさりとその豪奢な金髪を手の甲で払いながら、リーゼロッテが現れそう言った。
『いえ、リゼたんは放課後まっすぐにジークに会いに行って、アルがいっしょにいるのに気がついて声をかけるタイミングをはかることにしてうしろからこっそり追いかけて、そのままタイミングをのがし続けて今に至ります』
なんだそれ可愛すぎるだろう。
コバヤシ様が冷静に告げた言葉に、思わず真顔になった。
可愛すぎて、一周回って真顔になった。
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リーゼロッテさん、すてき! 実は恋する乙女モードMAXのリーゼさん。出てくるたびにかわいい。その魅力が見えてしまえばジーク王子がメロメロになるのも当然、読者もニヤニヤが止まらない!
地球と乙女ゲームの世界の2重進行、やや複雑な構造ではあります。しかし、実況解説という奇抜なアイディアによってヒロインのかわいさが倍増されている。
甘々な恋愛シーンがたまらない作品です。
状態:本編完結済み
文字数:172,758文字
個人的高評価ポイント
◇ アイディアが良い!
作品URL
小説家になろう https://book1.adouzi.eu.org/n0219ey/




