『平均、36℃』
作者さま:赤崎桐也
キーワード:SF ポストアポカリプス アクション ボーイ・ミーツ・ガーツ
あらすじ
文明は崩壊し街は植物に覆われつつある時代。人間は凶暴な動物たちと、何より人間同士の生存競争を強いられている。そして、そんな世界に忽然とそびえる巨大な塔があった。そこから飛行機に乗った少女が不時着してきて……?
感想
銃を使った必死の戦い、自然に侵食される都市、世界の謎。これぞポストアポカリプス(=文明崩壊後)な良い雰囲気。
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――2149年 12月 24日
3年間かけて戦場から故郷に帰り着いた。
かつて家だった瓦礫から、妻と子供達らしきものを埋葬してやる事が出来た。
帰り道で、今までの世界がとっくに終ってしまった事など理解した積もりだったが、今日になってようやく受け入れられそうだ。
装備はまだ十分に動く。
待たせて悪かった、皆。
――2149年 12月 25日
引き金を引く事が出来なかった、くそったれ。
――2149年 12月 31日
人を求めて廃墟を彷徨い、ようやく首都圏に辿り着いた。
繁栄の跡が、植物のコーディネートに溢れている。
動物たちが我が物顔で交差点を闊歩していた。
今の私は大切な人を護る筈だった技術で、自分の生を繋いでいる。
来年には誰かに会えるだろうか。地下鉄になら生きている人間がいるかもしれない。
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これは最序盤の文章なんだけど、日記を演出に使っていて上手い。説明臭くなりすぎず世界観を見事に表現している。やっぱセンスのいい始まり方をしていると一気に期待値が上がりますよね。続きが読みたくなる。
そして植物に覆われた都市、交差点を歩く動物たち、地下鉄に暮らす人間……いいですね! 美しい風景描写。ポスアポ好きにはたまりません。
物語としてはボーイ・ミーツ・ガール。遠くの塔から不時着してきた飛行機。中には不思議な少女。
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少女の衣服は墜落の事故で既に煤汚れで至る所が黒ずんでいたが、服の端々には清潔さを感じさせる残滓が残っている。この眠り姫はこことは違う何処かで、大切にされていたのだろう。
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無事に目的地まで送り届けることができるのか? その中で明らかになっていく世界の謎! 高い科学力を持っているらしい塔の正体は? 定番ながらドキドキハラハラ。
シリアスな世界観ながらも読みやすい雰囲気、バランス感覚の良い作品です。
状態:連載中
文字数:36,207文字
作品URL
小説家になろう https://book1.adouzi.eu.org/n5649et/




