文明崩壊後の世界を女の子をバイクの後ろに乗せて旅している (完)
作者さま:新木伸
キーワード:ポストアポカリプス サバイバル バイク ラブコメ 性描写あり 男性向き
あらすじ
突然、ほとんどの人が消えた世界。少女を乗せて少年はバイクで旅をする。まだまだたっぷり残っている物資を利用しつつ、ゆるゆるサバイバルツーリング。
感想
まったりした雰囲気で安心して読める作風。舞台設定的にはポストアポカリプスだけど、内容は少年少女の日常がメイン。SFよりラブコメに分類したほうが適切そう。
いきなり人口激減からの文明終了、事件としては超大惨事のはず。しかし登場人物たちはそれを明るく受け流しているのが特徴。
作風を分かりやすく示しているのが序盤から出てきている「いい人仮説」だと思います。読んだときは割と衝撃を受けました。
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〝いい人仮説〟――と、そう呼んだのは、いったい誰だったか……。
「あれ」が起きてから、しばらくが経って――。
まだ電気とネットが生きていた頃。ネットのあちこちに、わずかに書きこみをしていた人たちのあいだで生まれた仮説だ。
(中略)
もしも、その仮説が正しいのだとしたら、いま、この世界にいる人たちは、みな、「いい人」ばかりだということになる。
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この世界にはいい人しかいない! 強烈な設定では。一般的なポストアポカリプスものって人間同士の戦いも重要になるんですよ。
崩壊した文明、限りある物資、それをめぐって争う人間たち。出会った相手は敵か味方か……?
こういうのがポスアポの雰囲気。
しかし、この作品では最初に「この作品にはいい人しか出ません! 主人公たちも途中で出会うキャラもみんな善良!」と作者さまが宣言しちゃってるわけです。めちゃめちゃ安心できますよね(笑) シリアス路線はなし、ゆるゆる展開で行きますというメッセージ。
ポスアポの野蛮な部分を投げ捨てて、退廃的な美しい情景だけを利用している。排ガスの減った青空の下、美少女を乗せて無人になった街をバイクで走る。ロマンでしょう。
また 道路はどんどん崩壊中。バイク旅ができるのも数年の間だけだろう。 みたいな描写がでてきてポスアポらしい郷愁が出ているのも良い味付け。
ただし内容的に露骨な性描写が多いので男性向きの作品と言えます。
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畳の和室。
そこに敷かれた一組の布団。
ひさしぶりの布団の上で、俺はナナとセックスをしていた。
布団の上という、あたりまえの場所で、ナナと普通にすることは、はじめてのことで――。
いつもと違う慣れない感じに、いつもより早く、終わってしまった。
「早かったねー」
ぽんぽん、と背中を叩かれる。
くっそー。
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二組のカップルが登場するんだけど、その片方が速攻でやっちゃうのがいい(笑) おかげでもう片方の天然ピュアっぷりが際立ちます。対比が効いている。
個性的なラブコメを読みたい方におすすめな作品です。
状態:完結
文字数:100,893文字
作品URL
小説家になろう https://book1.adouzi.eu.org/n1942da/




