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一話

「ミレッタ・クレメンド、お前との婚約を今この時をもって破棄する!」


王宮の一室、国王陛下や王妃様も臨席する場で、自分の婚約者である第一王子のフェルナンド殿下に、私は急にそう宣言された。

告げられた内容と、そのシチュエーションのあり得なさに私が言葉を失っていると、そこに畳み掛けるように殿下はこう続けた。


「嫉妬にかられ、半分とは言え血を分けた妹を虐げるような女は、私の伴侶、そしてこの国の未来の国母には相応しくない。お前との婚約は破棄だ!」


フェルナンド殿下は自信満々で私にそう告げたが、この場でそんな表情をしているのは彼だけだった。殿下の背後にいらっしゃる陛下たちは、その様子を冷めたような目でご覧になっていた。


フェルナンド殿下は、どうにも物事を自分に都合よく捉えすぎる、不敬を承知で言えば短慮なところがあった。今のこの騒動も、どうせあの妹に唆されでもした殿下が、彼女の言葉を早合点して、大して裏も取らず暴走しているのだろう。思わずため息をつきそうになったが、何とかそれを飲み込み、淑女らしい穏やかな表情を保ちながら私はこう答えた。


「嫉妬というのも、虐げたというのも、私には身に覚えのないことでございます。フェルナンド殿下もエミリーも、恐らく何か誤解をされているのではないかと思います」


『単純な殿下はエミリーの色仕掛け付きの思わせぶりな言葉に、コロッと騙されてるんですよ』なんて、仮にも王族の彼に面と向かって言える訳がなかった。なので、私は言葉を選んでそう言った。



エミリー、私のお父様が愛人に産ませた腹違いの妹である彼女は、五年前、私のお母様が亡くなったすぐ後に彼女の母親と共に我が家にやってきた。


お母様の存命中から関係のあった愛人とその娘が新たに家族になるということで、何かしらトラブルが起きるのではないかと危惧していた。しかしそんな私の懸念とは裏腹に、彼女たちは穏やかに我が家の一員となっていった。


父の後妻に納まったエミリーの母親は、侯爵夫人になるには経験も能力も足りない女性であった。しかし、その自覚はきちんとあるようで、彼女は新しく得た権力をむやみに振りかざしたりはしなかった。過度な贅沢や散財はせず、最低限の義務だけは周囲の手を借りつつ何とかこなす、そんな女性だった。


その娘のエミリーも、初めは大人しいものであった。急に高位貴族となったからといって傲った態度は見せず、マナーなどを懸命に学び、新しい環境に前向きに馴染もうとする健気な姿を見せていた。

お父様似のキツい顔をした私とは違い、彼女の母親に似てピンクがかった艶やかなブロンドに柔らかで愛らしい顔つきをした彼女は、その整った見た目も相まって、すぐにお父様や使用人たちの心を掴んでいった。


彼女が我が家に来てから数年の内は、私も例に漏れず彼女に心掴まれた人間のうちの一人だった。


あの頃のエミリーは、素直で愛らしい、私を慕う妹のように見えていた。私の所作を見ては、「ミレッタお姉様って本当にお姫様みたい。私もお姉様みたいな動きができるようになりたいです」なんて目を輝かせながら言ってきていた。

それらの言動を真に受けていた馬鹿な私は、彼女のことを可愛い妹だと思い、彼女に甲斐甲斐しくマナーや勉強を教えていた。お父様や屋敷の使用人に好かれる彼女のことを、誇らしくすら感じていた。


しかしエミリーの所作が貴族令嬢らしくなってきた頃から、歯車は少しずつ狂い始めた。いや、私が気づいていなかっただけで、本当はもっと早くから彼女の周到な罠は仕掛けられていたのかもしれなかった。


エミリーは非常に狡猾に、自分を腹違いの姉に虐められる可哀想な妹に仕立て上げていった。

彼女は、そのためにすぐバレるような分かりやすい嘘をつくことはしなかった。お父様や屋敷の使用人に、私に虐められたと泣きつくようなこともしなかった。

彼女はただ、思わせぶりな言葉で、表情で、巧みに他人のミスリードを誘っていっただけであった。しかしそれを上手く繰り返すことにより、自分は可哀想な妹で、私は意地悪な姉であるという嘘の印象を、周囲に着実に植え付けていった。



例えば、昔、エミリーはピアノのレッスンの後に、私に復習に付き合ってほしいとこっそりお願いをしにきていた。


「私、ミレッタお姉様みたいに綺麗な音色を出せるようになりたいんです」


眉を少しだけ下げ、懸命にそう頼んでくるエミリーの願いを断る理由など、あの頃の私にはなかった。当時の私にとって彼女は、庇護すべき可愛い妹だったのだ。


「まだまだ下手で、他の人に聞かれるのは恥ずかしいです」という彼女の言葉を鵜呑みにして、ピアノの復習は二人きりの部屋で行われた。これが周囲に真実を知られないための彼女の策略だとは、私は全く気づいていなかった。

指の動かし方、気を付ける点などを教え、エミリーが目を輝かせながら言ってくる「さすがお姉様です」なんて言葉を、むず痒く思いながらも私は嬉しく受け取っていた。簡単に策にはまるそんな私を、彼女はきっと内心嗤いながら見ていたことだろう。


愚かな私が妹の役に立てていると一人満足していたその裏で、エミリーは密かに私をはめるための罠を張っていた。

エミリーは秘密のレッスンを終えた後、私の知らないところでピアノの前で静かに涙ぐむ姿を使用人に目撃させていたのだった。


「エミリーお嬢様、何かございましたか?」と心配して駆け寄った侍女に、エミリーは辛そうな顔を無理やり笑顔にしたような表情を見せつつ、こう言った。


「何でもないの。ミレッタお姉様みたいに上手く弾けない私がいけないのよ」


何でもないのも、当時の彼女のピアノの腕前が私より劣っていたのも、どちらも紛れもない事実だった。表面上の言葉だけ拾えば、そこに嘘は何もなかった。ただ彼女は悲しげにそう言っただけ。侍女に直接的なことは何も言わなかった。

しかし涙を薄く浮かべ、私の名前を出して意味深にそう言えば、侍女は私たち二人の間に何かあったのかもしれないと少しぐらいは思っただろう。それは小さなトゲとして、彼女の心に刺さっただろう。


それが一度ぐらいなら、私から少し厳しい指摘でもあったのかしら、ぐらいで聞き流されたかもしれない。しかし、同じようなことが何度も何度も続くことで、その小さなトゲは私に対する疑心に、そして更に不信へと変わっていった。


そうした小さなミスリードを積み上げることで、いつの間にかエミリーは私を陥れていったのだった。



私が周囲からの視線に違和感を覚えたときには、もう事態は手遅れとなっていた。私の専属侍女であるベス以外は、私のことを元平民の妹を虐げる姉として見るようになっていた。


「ミレッタお嬢様がそのようなお方ではないことは、このベスはよく分かっております。お嬢様がこんな誤解を受けるなんて、私悔しいです」


唯一の味方であるベスは、そうやってよく私のために憤ってくれた。彼女が信じてくれたからこそ、私はこの不条理な環境の中でも、何とか過ごすことができていた。



私だって何もせず、手をこまねいていた訳ではなかった。

誤解を解くために、エミリーと親しくお茶を飲む姿を周囲に見せたりもした。その場でエミリーは楽しそうにするし、私と不仲のようには振る舞わないので一見それは成功したように見えた。

しかし彼女は裏で、また意味深に「……お姉様とお茶をいただくのは、失敗をしてしまいそうで緊張するんです」などと言っていたそうだ。まるで私が彼女の細かなミスをあげつらっているかのように。


一度疑いの目を向けられるようになってしまうと、エミリーに優しくしても、きちんと言葉にして彼女を褒めても、裏があるのではないかと疑われるようになった。中には影で虐めていることを隠すために、表面上は親しくしているのではないかと疑ってくる人までいた。

そうして誤解を解くための有効な手を打つことができず、傾きかけた流れを変えることはできなかった。気づけば屋敷の人間は、正面切って言ってはこないが、エミリーの味方ばかりになっていた。


そうした中で、お父様からもエミリーと仲良くするようにと言われることが増えていった。仲良くも何も、私は彼女を虐げていたりはしない。一体私にどうしろというのだと悲しく、やるせない気持ちになった。

そんな不満が顔に出ていたのかもしれない。お父様からの言葉は、段々と厳しいものとなっていった。



エミリーを虐げているという誤解は、屋敷の中だけに留まらず、社交界にも広がっていった。私を尊重してくれていた婚約者のフェルナンド殿下も、何度も一緒にお茶をしていた令嬢たちも、少しずつ私から距離を取るようになっていった。

そして私がいたはずの場所には、いつしかエミリーが立つようになっていった。


色とりどりの花が鮮やかな庭園でフェルナンド殿下と楽しげに話すのも、殿下の側近候補の令息たちとこの国の未来について語らうのも、幼い頃から見知った高位貴族の令嬢たちと人気のパティスリーから取り寄せたケーキを楽しむのも、全部、全部エミリーになっていた。


惨めだった。正統な侯爵令嬢たる私が嘘偽りでその場所を追いやられたこと、本当に悔しかった。

けれど私は間違ったことはしていない。皆が誤解をしているような、妹を虐めるようなことはしていない。だから誰にどんな目で見られようと、私は胸を張って生きていた。


不名誉な噂を立てられようと、侯爵令嬢として相応しくあれるよう、日々努力を惜しまなかった。王宮でどれだけ冷たい視線に晒されても、王太子妃教育にも全力で打ち込んだ。私を非道な姉だと思っている教師たちにも、私の能力、教養は間違いのないものだと認めさせた。



だから、フェルナンド殿下に一方的になじられ、婚約破棄を突きつけられても私は動じなかった。真実は私にある、その確固たる自信があったからだ。

それに王太子妃としての教育を受けた私は()()()()も知っていた。だから冷静に、殿下の言葉を受け止めた。


「このふてぶてしい女め!何が誤解だ!お前がエミリーを虐げる姉であることは、社交界の皆が知るところだ」


「皆様、誤解をされているだけです。私は誓ってそのようなことはしておりません」


「はっ!言うだけなら何とでも言えるわ!ミレッタ、お前が虐めを行っていないという証拠でもあるのか?」


「ないことの証明は非常に難しいため、明確な証拠などはございません。しかしお言葉ですが、殿下のおっしゃる私が妹を虐げているということにも、何か証拠があるのでしょうか?」


私がそう問うと、フェルナンド殿下は得意気な顔をしたまま後ろに控えていた部下に合図を送った。捏造された証拠でも出てくるのかと身構えていると、その部下は高価なドレスで着飾ったエミリーの手を引いてこの部屋に戻ってきた。


王宮という場に相応しい、シルクのドレスに身を包んだエミリーは、息を飲むほどの美しさであった。元々非常に整った可憐な顔立ちをしているのもあるが、細かなレースが重ねられた薄いローズ色のドレスも、胸元を美しく飾るダイヤのネックレスも、華やかに結い上げられた艶やかな髪も、全てが彼女の美しさを際立たせていた。


そんなエミリーを愛おしそうに見つめたあと、フェルナンド殿下はこう言った。


「ここにいる被害者であるエミリーが、お前のせいで悲しんでいる姿を何人もの人間が目撃している。私も彼女がこの可憐な顔を曇らせているのを幾度となく目撃した。それが証拠だ!」


側にきたエミリーの腰を抱き寄せながら、フェルナンド殿下は自信満々にそう告げてきた。それが証拠だなんて頭が痛いと思っていると、いつもの被害者面をしたエミリーがこう言った。


「お手を煩わせてしまって申し訳ございません、フェルナンド殿下。でもミレッタお姉様とのことは誤解ですわ。私なら、大丈夫です」


今にも泣き出しそうな、弱々しい笑みを殿下に向けながら、エミリーはそう言った。表面上こそ殿下の言葉を否定していたが、その表情はまるで無理やり大丈夫な振りをしているようなものであった。


「ああ、エミリー。あの姉を前にして君が本当のことを言えるはずなどなかったな。すまなかった」


案の定、エミリーのそんな表情を見たフェルナンド殿下は、彼女が否定しているにも関わらず、私を悪だと決めつけてきた。

冷めた目をする私に気づくことなく、殿下はこう続けた。


「健気なばかりでなく、あんな姉まで思いやるとは、君はなんて優しいんだ。身も心も美しい君こそ、私の妻に相応しい」


フェルナンド殿下は、最近ではエミリーへの好意を隠そうともしていなかった。そんな殿下に思わせぶりな態度を示していたエミリーだったが、さすがに陛下たちの前で姉の婚約者からの求婚に応えるのはまずいと思う良識ぐらいはあったらしい。わざとらしい遠慮をする演技をしながら、彼女はこう答えた。


「殿下、何てことをおっしゃるのですか!お二人の婚約は王家と我が家の間で決められたことです。尊敬する殿下のお言葉とはいえ、このお話ばかりは承る訳にはいきませんわ」


「君もクレメンド侯爵家の娘だ。何も問題はないさ。あの女のことが片付いたら、どうか私の気持ちに応えて欲しい」


本当の婚約者である私を置き去りにし、二人の白々しい会話は続いていた。


今までもずっとフェルナンド殿下には雑な扱いをされてきた。誕生日にカードの一枚ももらえなくても、お茶会で私を無視してエミリーと楽しげに話していても、耐えてきた。でも、もう限界だった。目の前の茶番を遮るかのように、私はこう言い放った。


「フェルナンド殿下、貴方は私が妹を虐げるひどい姉であるため、私との婚約を破棄されるのですね」


この先、言い逃れをさせないために、先程まで聞かされていた下らない話の内容を改めて殿下に確認をした。すると殿下は、馬鹿にするようにこちらを見ながらこう答えた。


「さっきからそう言っているだろう。教養ぐらいはある女だと思っていたが、どうやら人の話も理解できないようだな」


身勝手な言いがかりをつけてくるばかりではなく、人のことを馬鹿にしてくる発言に、怒りが込み上げてきた。

勘違いをして思い上がっているフェルナンド殿下に現実を突きつけるべく、私は陛下に発言の許可を求めた。


「国王陛下、畏れながらフェルナンド殿下に私のことと、私との婚約のことを説明したく思います。よろしいでしょうか?」


「うむ、仕方あるまい。発言を許可しよう」


陛下の許可をいただけたので、「正しいとは何だ?」と訝しむフェルナンド殿下に向かって、私は淡々と説明を始めた。



「まずフェルナンド殿下の王太子の地位ですが、私との婚約がなくなれば、他のご兄弟に移るものと思われます」


「な、何だと!?適当なことを言うな!エミリーも同じクレメンド侯爵家の娘だぞ。私の婚約者がお前でなくても、侯爵家が私の後ろ楯になるのは変わらないだろうが!」


ぎゃんぎゃん騒ぐ殿下を無視して、私は説明を続けた。


「侯爵家の後ろ楯は変わりません。しかし、私の母方の血筋という後ろ楯は得られなくなります」


「お前の母方の?またそうやってエミリーの出自を貶めようとするのか!」


「違います。何度かご説明したのですが、覚えてくださってはいないのですね。私の母は、帝国から嫁いできておりました。母は帝国の元公爵令嬢で、今の帝国の皇帝の従妹でした」


「て、帝国だと!?お前はあの大国の皇帝と血縁があるというのか!?」


「そうです。そんな私が婚約者であったからこそ、殿下は他の方を抑えて、王太子の地位にあったのです」


私の説明を聞いて何かを思い出したのか、フェルナンド殿下はその顔を青ざめさせていた。殿下は助けを求めるように陛下に視線を向けたが、彼に返されたのは「ミレッタ侯爵令嬢の言うとおりだ」という簡潔な言葉だけだった。


「お、お前の母のことはそうかもしれないが、それとエミリーを虐げたことは別の話だ。そちらはどう弁明するつもりだ?」


初めの勢いを失いつつも、フェルナンド殿下は噛みつくようにそう言ってきた。私はそれにも淡々と答えた。


「そちらについては、王家が持つ秘宝である真実の鈴を用いれば、すぐに嘘をついているのは誰かが明らかになるでしょう」


「し、真実の鈴?何だそれは?」


王太子妃教育で私が習ったことを、王太子である彼が教わっていないはずがない。エミリーにかまけるようになってから、王太子教育もサボりがちだったことを思い出しながら、私はこう答えた。


「王家が持つ神の加護を受けた特別な鈴です。それを持って宣言をしたことが真実であれば澄んだ音が鳴り、虚偽であれば何も音が鳴らないと言われております。私の無実はそれがあれば証明できるでしょう」


私はエミリーを虐めてはいない。だから胸を張って、堂々とそう言った。


私のその雰囲気に気圧されたのか、フェルナンド殿下は視線をさ迷わせて、狼狽え始めた。自分が自信満々に告げた内容が間違っていたかもしれないと、彼もやっと思い始めたのだろう。


「そ、そうだとしてもお前は……!」


「お前はもう黙るんだ」


尚も言いがかりをつけようとするフェルナンド殿下の言葉を遮ったのは、静かな陛下の声だった。


「ミレッタ侯爵令嬢の言うとおりだ。彼女との婚約を破棄するのであれば、長子といえど側妃の子であるお前の立場は弱くなる。そうなると、私の後継者は正妃の息子である次男のレックスとせねばならんだろう」


「そ、そんな……!それならやっぱり私はミレッタと結婚します。な、ミレッタ、君もその方が嬉しいだろう?」


フェルナンド殿下が媚びるような笑顔を向けて、私にそう言ってきた。最近はずっと冷たい表情しか向けられていなかったのに、こんな状況になってやっと笑顔を向けてくるだなんて、何を今更と私は思った。

もっと早く昔のような笑顔を私に向けてくれていたら、私の無実を信じて側に立ってくれていたら。そしたら私はフェルナンド殿下を支えて生きるつもりだった。彼の足りないところは、私が補うつもりだった。


しかしその想いは、エミリーを虐げていると疑われ続けたことで完全に消え去ってしまった。私はもう彼と共に生きる気などなかった。


私が婚約を継続することを断れば、殿下は王太子の座から下ろされるだろう。下手をすれば廃嫡になるか、僻地へ飛ばされてしまうかもしれない。

間接的にとは言え、彼の暴走の原因となったエミリーもただでは済まないだろう。彼女も遠くの修道院に送られるかもしれない。


でも、そんなのはもう私には関係のないことだった。私をこんな場で断罪しようとした彼らがどうなろうが、知ったことではなかった。


私は殿下にお断りの言葉を告げるため、口を開いた。

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