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学生会の愉快な仲間たち その1

えー、前回で灰猫先輩との絡みが多過ぎるなど、色々なコメントが寄せられました。


これには話の流れ、灰猫先輩のキャラの立ち位置的な問題があります。


今期の展開を書くに当たって、ヒバリとメルトの絡みは展開の理由付けに必要となってくるのです。その為、多少BL臭くなってしまっていますが、ご了承ください。


一応、もう少ししたら解消されていく予定ですので。


(と言うか、ぶっちゃけメルトは男と思わなくて良いです。単に当時、男の娘が出てくるマンガに影響されただけなんで)

メルトの性別はメルトと思ってください。


誤字脱字の可能性大です。

さて、灰猫先輩が涙目で逃げて行った後の事を簡潔に説明しよう。


めたくそボコられました。


「で、セクハラの言い訳はある?」


「そもそもあの人男なんだが」


「却下」


何故。


「本当アンタ最低よ。乙女にいきなり抱きつくとか馬鹿じゃないの?」


「男だっての」


見た目は兎も角、乙女では無えだろ。


「テメエ俺たちのメルト先輩抱きしめといて何でそんな冷静なんだよ!?」


「男だからだよ」


むしろ何でお前たちはそんな取り乱してんだよ。


「「「羨ましいからに決まってんだろこのセクハラ野郎が!!」」」


「お前らマジで一度現実見ような?」


声揃えて叫ぶ事じゃねーよ。男だって言ってんだろ。


「けど、やり過ぎなのは確かよヒバリ君」


「男相手でもセクハラはセクハラだからね?」


血涙を流す馬鹿どもと違い、比較的冷静な友人たちとエクレ先生が真面目に注意してきた。


「何であんな事したの? ちょっと言ってる事が可笑しい子もいるけど、皆酷いって思ってるのよ?」


険しい顔で問い詰めてくるエクレ先生に、俺は肩を竦めて理由を述べる。


「単に身の程ってのを教えただけですよ。何か増長してるみたいだったんで」


「増長?」


「そう。あの人、揶揄う相手をどうも選ばなくなってるみたいに感じたんで。安易な事も口走るし、あのままじゃ何時かイタイ目ますよ」


多分だけど、灰猫先輩は出会った殆どの人を手玉に取ってたのではなかろうか。その所為で、退き際が見えなくなっている気がしたのだ。


「それは心配し過ぎじゃない? メルトさん、学生会の役員なのよ? 貴族の子相手にも交渉とかするんだから、平気だと思うけど」


「甘いよ先生。先生は権力者、それも畜生の類を甘くみてる。下手に動いて目を付けられれば、アレじゃ直ぐに貶められる。あの容姿だし、奴隷にでもされるんじゃない?」


「あの子がそんなヘマするとは思えないけど……」


「本当に甘いね先生は。ヘマするとかそんな問題じゃないの。外道にはね、そもそも目を付けられないようにしないといけないんだよ」


渡り合おうとする時点で間違いなのだ。目立つような行動をした時点で、ある意味でその人間は負けている。それが権力者との争いなのだ。


「何でそんな実感篭ってるのよ……」


「地方領主VS村民なんて事がザラだったんで」


まあ嘘だけど。実際は貴族バカVS俺だな。


「それに、アルトの事も考えてやって欲しかったんですよね。あんな風に振る舞われちゃ、周りの目も痛いだろうし」


「目の前でそのお兄さんにセクハラかました癖に良く言うよね」


まあそれは否定しないけど。


「アルト、嫌な思いしたなら好きなだけ殴っても良いぞ。お前にはその権利があるし、俺はそれを受けとめる義務がある」


不快な思いをさせてしまったのなら、誠意を持って謝罪しようじゃないか。


俺がそう決意してアルトに言ったのだが、当の本人は苦笑を浮かべた。


「別にそこまで気にしてないよ。方法はアレだったけど、一応兄さんの事心配してやったんでしょ? それに兄さんは少しハッチャケ過ぎだと前から思ってたから、これで懲りたでしょ」


どうやら弟としては、ザマァと言う気分の方が勝ってるらしい。


「僕としては、ヒバリが男色家じゃなかったって事にホッとしてる。兄さんについては実際どうでも良い」


灰猫先輩、アンタぞんざいに扱われ過ぎやろ。嫌われてるって訳では無さそうだから良いけどさ。


「つーか誰がホモだよ。俺アブノーマルに近いノーマルだぞ。普通に女が好きだわ」


「だよねぇ……ってちょっと待って。何か聞き逃せない単語入ってたよね?」


「いやだって、俺の好み面白い奴だし。次点で性格と容姿だぞ。面白ければ、メンヘラだろうがドMだろうがドSだろうが受け入れるぞ?」


「うん、それノーマルじゃなくてアブノーマルだ」


まあ、そのカテゴライズについては置いといて。


「取り敢えず、恋愛対象はちゃんと異性だとは言っておきたい」


「だよねー。何かさっき妙にリアルな気がしたから、ついね。声とか凄く色っぽかったし」


「演技派なんだわ俺」


「演技派で済ませて良いのかしら……?」


エクレ先生が首を傾げる。そんなに迫真だった?


「いや、あれを男相手にかました事に先生は疑問浮かべてんだよ」


「明らかに口説いてたからね……」


男相手に良く口説けるな、って事か。


「いやだってほら、容姿だけならあの人、普通に傾国の美女じゃん。男だって事無視すれば、むしろ口説くのは男として当然だろ?」


「そこを軽々しく無視出来るのが問題なのよ……」


「男だと思うから駄目なんです。性別は灰猫とでも思っておけば」


「ゴメン理解出来ない」


理解しようとするな、感じろ。さっきまで散々あの人の性別を主張してたから説得力無いだろうけど。


「僕たちからすればぶっちゃけどっちでも良いんだけどね。雲雀の好みなんて興味ないし」


「翔吾さんや。その割には人の事くっ付けさせようとしてるよな?」


「雲雀の好みは関係ないんだって。女の子の幸せと雲雀の幸せなら、天秤にかけるべくも無く女の子の幸せだもん」


「そりゃそうだ」


親友たちがちょくちょく俺の意思を無視する件について。誰か相談したい。


「けど本当ヒバリ凄かったよね。兄さんがあそこまで手玉に取られてたの、僕始めて見たよ」


「可愛いぐらい慌ててたよねメルトさん」


「反応だけなら確実に雲雀を意識てるよなアレ……」


「兄さん人揶揄う割に初心だから……。あの容姿の所為で、その手の話に免疫無いんだよね」


「抱きしめられただけであの反応は、男としてどうかなと思うけど……」


「女の子よりも女の子らしかった気が……」


「「「「うんうん」」」」


先程までの灰猫先輩の反応を思い出し、各々が感想を漏らす。


「どうする? 雲雀じゃなくて、メルトさんがそっちに目覚めちゃったら?」


「うーん……いや、どうだろ……。今までならあり得ないって断言出来たんだけど、なんか微妙な気がしてきたな……」


「じゃあ雲雀が義兄さん?」


「………一応公爵子息だし、逆玉って事になるのかな?」


「いや無えから。色々な意味で無えから」


何でそれはそれでアリみたいな空気出してんだよアルト。


「男だからな? 何度も言うけど男だからな?」


「いやでも、『フェアリーチェンジの秘薬』なんて薬もあるし」


「準伝説級の妙薬じゃねえか! 性転換なんて簡単に出来るか」


「ヒバリならいけるでしょ?」


「いけるだろうけど」


「いけるの!? 準伝説級って自分で言っておきながら!? ヒバリ君どんな薬か本当に分かってる!?」


「当然」


『フェアリーチェンジの秘薬』。性別を反転させる妙薬で、ダンジョンなどの最奥で稀に発見させる秘宝だ。一応調合でも作成可能だが、『妖精の涙』、『オークキングの睾丸』、『月光花の雫』などの希少素材が必要。普通に入手しようとしたら一等地に豪邸建つだろう。


まあ、性転換は自前の魔法でいけるから作る必要も無いんだが。


「だから、もし兄さんが姉さんになりたいとか言い出したらお願いね」


「軽くない? 身内のとんでも決断の可能性の話してんのに軽くない?」


「男だろうが女だろうが、兄さんは兄さんだし」


とても良いセリフなんだろうが、何故だろうか? もうあの人の性別はどっちでも良い、という風に聞こえるのだが。


「けどそれ以前に、メルトさん雲雀と顔合わせ出来るのかな?」


「あー、それは確かに。あんだけ顔赤くしてたし、恥ずかしがって会おうとしないかも」


「なら、雲雀から出向かないとね」


「………は?」


ニヤリと翔吾は笑う、いや嗤う。ああ、これアレだ。碌でも無い事企んでる顔だ。


「だって理由はどうあれ、セクハラかましたのは事実なんだよ? なら謝るのは当然でしょ?」


「いや、確かにそれはそうだけど……」


「謝り難い?」


うん。その笑顔を見ると余計に。


「ちゃんと謝らなきゃ駄目だよ? じゃないと………クラリスちゃんに言っちゃうよ?」


「っ!?」


ぐっ、そうきたか………。形容しがたい寒気の正体はコレか。


「………何が目的だ翔吾」


「別にー。単にこれからの展開が面白そうに感じただけだよー」


翔吾が恋愛事に首突っ込む時の顔してる……。


「灰猫先輩とは何も無いんだぞ……そもそも男だし」


「関係無いよ。性別なんてどうとでもなるんだから。ね?」


あー、ちくせう。コイツ俺が性転換の魔法使えるの知ってやがる。こりゃ下手したら、本気でくっ付けにくるかもしれん。


「で、謝りにいくの? 行かないの?」


それが分かっていても、断れないのは辛いところ。クラリスの事を出された次点で、俺には選択肢なんて無いのだから。いや、別に謝る事自体に依存は無いんだけどさ。


「………分かったよ。けど、あの人普段何処にいるかも分からんから、放課後に学生会のとこ顔出してくる」


「行ってらっしゃいー」


翔吾のにやけ面が、今回ばかりは腹立った。







そして放課後。宣言通り、俺は学生会室を訪ねた。


「すんませーん」


「どうぞ」


ノックしたらお許しが出たので、扉を開けて中へと入る。


丁度何か作業をしていたようで、役員の人たちは書類から目線だけを飛ばしてきた。


「何か?」


事務的な視線を向けてくるメガネの女生徒に、端的に要件を言う。


「灰猫…メルト先輩いますか?」


「メルト? それならあそこ。君の声が聞こえた瞬間、隣の給湯室にダッシュしてったわ。……アイツに何かしたの?」


「まあ色々と」


「そう。ならさっさと要件済ませてくれる? あれじゃ仕事にならないから。あんなんでも貴重な戦力なのよ」


「うっす」


「メルトー。あんたも隠れてないで早く出てきなさい。じゃないと雑務押し付けるわよ」


「ちょっ!? これ以上仕事増えたら私死ねるわよ!?」


メガネ先輩の


「サラよ」


「読まれた!?」


……サラさんの非常な宣告に、灰猫先輩は給湯室から慌てて飛び出してきた。顔色が真っ青になってる事から、死ねるというのは本当みたいだ。


しかし、こちらの顔を見た瞬間、今度は顔が赤く染まる。


「……えっと……こんにちは」


……顔を合わせたのは良いのだが、灰猫先輩が予想以上に引きずってるらしくてワロタ。


「倒錯的な何かに目覚めてませんよね?」


「……止めてくれる? もうこっちは色々な意味で恥ずかしくて死にそうなんだから」


「恥ずかしいって、皆の前であんな初心な反応見せた事が? それとも後輩に思い切り手玉に取られた事? 格言の意味を身を以て実感させられた挙句、涙目で逃げ出した事?」


「にゃー!? 分かってるなら言うな馬鹿ーー!!」


「うるさいっっっ!!!」


灰猫先輩が涙目で飛び掛かろうとした瞬間、サラ先輩の一喝が大気を揺らす。そのあまりの迫力に、書類を書いている役員たちは竦みあがり、灰猫先輩は腰を抜かしてへたり込む。


「メルト? このクソ忙しい時に何騒いでるの? ただでさえ存在が鬱陶しいんだから、これ以上騒がしくしないでくれる? 集中力が散るの。その所為で仕事が終わらなくなるの。そんな簡単な事も分からないの?」


見える。サラさんの後ろに、ゴゴゴゴという文字が見える。今にも噴火しそうな火山が見える。


「ヒッ!?」


灰猫先輩もそれを幻視したのか、またもや顔を真っ青にして全力で頷いている。


「ねえ? どうなの? 聞いてんだけど」


「ワカリマス」


「そう。………なら静かにしろこの馬鹿猫。その耳毟るぞ」


「ゴメンナサイ」


石ころを見るような視線を向けられ、全身からダラダラと冷や汗を流す灰猫先輩。


「で、そっちの君」


あ、こっちに矛先向いた。言葉にはされないが、早く要件済ませろという意を感じた。うん、逆らっちゃ駄目だなコレ。


「灰猫先輩、さっきはすんませんした」


「うぇ? え、え?」


急に謝れた事の理解が追いついてないようで、灰猫先輩は変な声をあげる。


だが、そんなのはお構いなしだ。だってサラさん凄え怖えもん。


「悪気があった訳……あったか。けど、ちょっとお灸を据えようとしただけなんです。だからゴメンなさい」


深々と頭を下げると、正面から慌てた気配が。


「え、えっと、だ、大丈夫よ? そこまで怒ってないし、私もちょっとやり過ぎたかなって思ってるから。だから、これでおあーー」


「あ、そっすか? なら良かったわ」


「………いや、うん……。許すつもりでいたんだけど、ここまであっさり手の平返されるもクルものがあるわね……!!」


コメカミに青筋を浮かべ、怒気を発する灰猫先輩


「メルト」


だったが、サラさんの一言によって一瞬で大人しくなる。


「それで要件は終わったのかしら?」


「あ、はい」


「ならば速やかに退出してください。仕事に差し支えーー」


「まあ待ちたまえ」


サラさんの言葉を遮る声が、給湯室の方から聞こえてきた。


((「また面倒なのが来た」))


その声を聞いた瞬間、役員全員が渋面を浮かべたのは印象的だった。どうやら同じような事を思ったらしい。サラさんに至っては口に出してた。


「………なんですかバ会長?」


バ会長て……。


「サラ君、一般生徒の前でその呼び方を止めてくれと言ってるだろ。副会長のキミがそれでは生徒に示しがつかないじゃないか」


そう言いながら出てきたのは、キザったらしく髪を掻き上げる金髪のイケ……メン風な青年。大事なのでもう一度言う。イケメンでは無い。イケメン風である。


「失礼。貴方のような愚者でも体裁を気にするとは露知らず。それでなんでしょうか、ナイア会長」


「改める気無いだろキミ……」


冷淡な反応を返すサラさんに、嘆かわしいと大袈裟に頭を押さえるナイア、もといバ会長。あ、サラさんのコメカミに青筋が。


「いや、我らのメルト君が手玉に取られたと聞いてね。それをやった人物、つまりキミに興味が湧いたのさ」


「湧いてるのは貴方の頭でしょう」


「それでだ!」


さらりと吐かれた毒舌を無視して、バ会長は話を続ける。


「休憩がてらに、メルト君とそこの少年の話を聞こうと思ったのだよ!」


「休憩ですか。武闘大会、突然の留学生、今期の決算、各研究会からの嘆願など、我々が仕事に追われる中、三十分程前にコーヒーを淹れてくると席を立ち、そのまま給湯室から出てこなかった貴方が」


「やはりボクぐらいになると、飲み物一つでも拘りたいじゃないか」


要するにサボってたのね。


「バ会長。貴方が仕事しなかった分だけ、私たちに皺寄せが来るのを理解していないのですね? ならば直接身体に叩き込んであげましょう」


「ハッハッハ! 出来るのならやってみたまえ! このルーデウス魔法学園最強にして、『暴風』の二つ名を持つAランク冒険者であるこの僕に、そんな物を叩き込めると思っているのぶげら!!?」


哄笑の途中で、バ会長は変な声あげて吹き飛んだ。


「あ、つい無意識に」


予想以上にウザかったので、無意識に魔法を射ってしまったようだ。見事に気絶してやがる。


「すみませんサラさん。気付いたらやってしまいました」


「いえいえ、謝らなくて結構ですよ。むしろグッジョブです。こちらこそお見苦しい物を見せてしまい申し訳ありません」


一応謝ってみたものの、返ってきた反応は予想通りだった。やっぱりヤって良かったらしい。


「けど大丈夫なんですか? お仕事大変なんじゃ。もし良ければ手伝いましょうか?」


「ありがとうございます。ですが問題ありませんよ。残った仕事は全てそこの廃棄物に任せますから。それにお気持ちは嬉しいですけど、役員以外に任せられる仕事では無いので」


「ああ、そうですよね。それは失ーー」


「あっ!」


俺が引き下がろうとしたら、急に灰猫先輩が声上げた。何やら思い出したらしい。


「急になんです?」


「私もヒバリ君を皆に紹介したかったんだよ!」


灰猫先輩が紹介したいと言ったあたりで、サラさんの目が険しくなるが、


「貴方も頭が湧いたのかしら? それともこんな忙しい時に、貴方の惚……ヒバリ? ああ、もしかして彼が」


途中で何かに気付いたようで、納得の表情となった。


「貴方がヒバリ君だったのね。メルトが随分ご執心みたいだけど」


「ちょっとサラ。言い方」


「別に良いじゃないの。間違ってはないのだから」


灰猫先輩の文句を、サラさんはさらりと受け流す。どうやらサラさんの方が一枚上手らしい。


「なんか意外だ。灰猫先輩が俺以外にあしらわれるなんて」


「あのね、私だって人間なのよ? 苦手だったり頭が上がらない相手だっているわよ」


「学園の影の支配者とか言われてるのに?」


「それ皆が言ってるだけだから。確かに予算とかは仕切ってるけど、最終的な決定権を握ってるのは会長よ? ……まあ、普段は使えないから、実質的なトップはサラなんだけど。影の支配者とか言われてるけど、それを言うならサラがそれよ」


「二重の隠れ蓑って訳か」


公式とした表の場ではバ会長がトップ。性格、見た目、役職上色々と目立つ灰猫先輩が、噂などで注目を集め裏のトップとして君臨。そしてこの二つを隠れ蓑として、サラさんが実権を握っているのだろう。


「貴方たちがしっかりしてくれていれば、私もこんなポジションに立つ事は無いのだけれどね」


話を聞く限り、灰猫先輩とバ会長の起こした面倒事は、全てサラさんに皺寄せが行っているようだ。


サラさんは溜め息をついた後、俺の方に向き直った。


「遅くなってしまったけれど、自己紹介をしましょうか。私はサラ・アルバーン。本科二年の一組在籍。学生会の副会長をやっているわ」


ミドルネームを名乗って無かったが、一組という事はサラさんは貴族という事になる。公式の場では無いので省略したのだろう。その辺りは個人の裁量となってくるので、深くは追求すまい。敢えて言うなら、気安く接して欲しいとかそんな理由だろう。


「ヒバリです。予科三年十組に在籍してます。灰猫先輩に絶賛口説かれ中です」


「だから言い方!」


事実やないか。


「メルトから話は聞いてるわ。色々と問題があるけど、とても優秀だと。そして頑張って役員になるよう説得中だとも」


「大変そうですよねー」


「他人事みたいに言ってるけど、キミの事だからね!?」


灰猫先輩が何か言ってるが聞こえない。


「出来れば私も、メルトには余計な仕事をさせたくないのよ。だから、貴方には早く首を縦に振って貰いたいわ」


「色々と問題のある人間でも?」


「残念な事だけど、問題のある人間の方が優秀だったりするの。そこで寝てるバ会長然り、メルト然り」


天は二物を与えずって、本当良く言ったよな。


「まあ、俺にメリットがあれば入りますよ」


「そのハードルが異様に高いのよ!」


横から灰猫先輩が涙目でツッコンでくる。


「メリットね………」


サラさんは何やら考え込んでいた。


急に何を考え始めたのか気になったが、


「そんな奴、いれる必要無いでしょう」


何やら敵愾心丸出しな声が聞こえてきたので、追及する事はしなかった。

コメントで言われたのですが、ヒロイン二人よりもメルトの方が登場してるんですよねぇ。前回の章が学園イベントだったんで、仕方の無い部分もあるのですが。


後は、メルトって動かし易いんですわ。動かし易いキャラの順位とか付けるなら、


一位、ヒバリ。馬鹿っぽくて動かし易い。


二位、翔吾と雄一。ヒバリに対するツッコミ役。後は一緒に行動してる事が多いから。


三位、メルト。ヒバリの下位互換だから動かし易い。後は弄り易い。


四位、爺さんやエクレ先生などのサブ。ツッコミ系のサブ役だから動かし易い。苦労人風の雰囲気が楽。


五位、クラリス。大人しめなキャラなので作者が書くの苦手。後はヒバリと違うクラスだったり、ヒバリがあっちこっち行くので行動範囲が被らない。その所為で中々登場させられない。


六位、フィア。キャラ的にはアホの子が少し入ってて、尚且つチョロイン属性もあるから動かし易い。けどそもそも登場しない。今後の活躍に期待したい。


とまあ、こんな感じになります。


はい。これからも分かるでしょうが、作者は馬鹿な奴と、それに振り回される奴らを書くのが得意なのです。


その所為で、今みたいなハーレム詐欺状態になっとるのですよ。


今後はこの流れを打ち破れるよう頑張りますので、応援お願いします。

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